中はコフィの形にくり抜いてあった。
この箱は耐火金庫より分厚いムクの金属製だった。
まず契約書を発見した。
本来はオーストラリア行きだったようだ。
飛行機で輸送中に落としたのかもしれない。
しかし箱には傷一つ無い。
予備エナムカードが三枚
リペア用皮膚シートや予備パーツ。
お手入れセット。
身長調整工具。
そしてオーナーがオプションで頼んだブロンドのウィッグだ。
これごと持ち帰るのは無理そうだ。
冷蔵庫くらいある。
これを運ぶには大人6人とトラックが必要だろう。
なんて心配をよそにコフィは箱を土から引き抜いた。
すごいパワーだと驚いた。
マジックのようだ。
例えると、子供が冷蔵庫を持ち上げているのだ。
結局、駐車場まで一人で担いだ。
しかし、俺のセダンじゃ…
コフィは黙々とパネルを操作し箱からタイヤを出した。
牽引することができるのか。
牽引で山道を下るのは難しいぞ。
するとコフィは車のトランクに小さなバッジを貼った。
これで走れば付いてくるという。
このバッジ誘導システムを使えは、ピットケースの車列ができる。
製造工場では、一気に100台がレールも無しに貨物機に入っていくそうだ。