点滴が終わる頃に、ナースの香ちゃんが来た。
「ありがとう。
もう帰っていいかな?」
「そうね。
それにしても小野田くんの回復力に驚いたわ。
まるで1日経ったかのようじゃない。」
針を抜きながら話す香ちゃん。
そう。1日余計に過ごしたんだよ。
車にも轢かれてんだよ。
なんて、
話せないけど。
よし。退院だ。
ベッドから足を下ろすと、布団から封筒が滑り落ちた。
さっきのタイムカプセルの中身だ。
まだ開けてなかった。
中身はなんと、
携帯電話。
あの時代に置いてきたのか。
電源は入らない。
手紙があるぞ。
ミツル少年の字かな。
………………………………
おじさんのカメラ付きゲームウォッチ。
あの紙袋に入ったままだった。
返したいけど、おじさんが手紙くれないから住所わからないんだ。
だから未来の俺にお願いする。
おじさんを見つけたら返しといてくれ。
ゲームしたかったけどスイッチがない。
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充電したらムービーを見よう。
マネキンが映ってるはず。
30年前のデータだから消えたかもしれないが。
請求書もらって病院を出た。
ホイミという犬にエサをやらないと。
家に帰ろう。
ここが、俺のアパート
変わって…ないな。
残念だが、ボロいままだ
俺の部屋…だな。よし。
もう、何するのもビビるぜ。