おじ少 100 手紙 | クーカーの 笑説

クーカーの 笑説

コメディ小説を書いてます。

小説ほど難しくなく
コントほど面白くない
クーカーの笑説
1ページ1分くらいです。
サクサクと読んでくださいませ。

みんなが帰って、ひとりぼっち。

手紙を読んでみようかな。

ずいぶん古い封筒だな。

えーと、
松木さんからだ。

ロビーの爺さんは松木さんだったのか。

封筒を開ける。


2012年 8月

ついにこの日が来たね。

君が無事に未来に行けたことを信じて、この手紙を書いている。

まず、君が消えた後の出来事を書き残す。

未来が変わって戸惑っている顔が目に浮かぶよ。

大越社長だが、市長の椅子に座ることを許され、ダム着工にかかるところだ。


「ダム着工?
いつの手紙なんだ。
まぁいいや。
えーと。」

ファンタージ作家の羽根馬かける氏と君達がしのじ旅館に泊まって、語り合ったとレイくんが言ってたよ。
あの事件が小説になるそうだ。

「ファンタージって。ふふ」


君たちの少年探偵団チームは、新聞にも乗ったよ。

AKBGというチームだってね。
何の略かは忘れたが。
わしは、フライス盤でバッチを作らされたよ。

レイくんもたくましくなった。
君のおかげかな。


君は今、犬を飼っているはず。

しのじ旅館の看板犬のリョウって犬の子犬をみんなで分けたんだ。

君の犬はメスだよ。
名前はホイミちゃん。
元気をくれるからって。
わしには意味がわからない。

長くなったが、君がこの手紙を読む頃、私はこの世界にいない。

だから岡部に手紙を託した。


2012年の今日、ロビーで彼を見舞いにきた友達に渡してほしいとね。
レイくんに渡すと読まれるからね。

5日後、あの小屋へ行ってほしい。



「この世界にいない。
いないって、まさか。」