こちらの本の続きです。

 

性犯罪者は、自らの衝動を抑えきれないほどの強固な性依存症に陥っています。

参照 (下図引用) 特に子供に対する小児わいせつは、他の性犯罪に比べても再犯を繰り返す率が高いそうです。

本書P91引用(C元受刑者の言葉)

人間関係がうまくいかなくなった時と同じように、投資がうまくいかなくなった時など、何か自分の思い通りにいかないことが出てくると、性的なことを考えてしまう。この感情とどう付き合っていけば良いのか日々考えています。


性犯罪者の中には、自分で 犯行をやめたいと思っていても、依存性故にその感情をコントロールできずに苦しんでいるケースがあり、自分で制御しきれない衝動に苦しみ続けてしまうのだそうです。


性犯罪者が子供を狙う一番危ない時間帯は、平日の午後2時から午後3時台の、子供が一人で帰宅する下校時刻に集中しています。

小児 わいせつは衝動的な犯行ではなく計画的な犯行なのです。

~各国の性犯罪者への対応~
今から100年ほど前、アメリカ・カナダ・ドイツ・スウェーデン・ノルウェー ・デンマークなどでは性犯罪者への断種法が成立していました。このような強制断種の動きは、 第2次世界大戦後世界的な人権意識の高まりから下火となりました。

そして現在のアメリカのいくつかの州では、性犯罪を行ったものが希望すれば「外科的な去勢手術」を受けられるようになりました。また男性ホルモンを抑制させる「科学的な去勢」も行われているそうです。 カリフォルニア州やルイジアナ州では再犯者には強制的な科学的去勢が行われています。

1980年代のドイツの研究では、外科的去勢を受けた場合の再犯率は3%、受けなかった場合の再犯率は46%だったそうです。

韓国では性犯罪者が出所すると、足にリング状の位置情報を発信するGPS機器が取り付けられます。装着の必要性は裁判所が判断し最長で30年にも及ぶそうです(前科者位置情報は中央管理センターで把握)。 また同時に性犯罪者に対する薬物治療の義務付けや、前科者の身元情報の公開も徹底されています(顔写真や住所がインターネット上に公開)

日本の刑務所では、性犯罪者の多くが服役中に再犯防止プログラムを受講します。この再犯防止プログラム内容は主に「認知行動療法」であり、 性犯罪の背景にある物事の 考え方(認知)のゆがみを改善していくというものです。

しかしながら日本の刑務所における 性犯罪更生プログラムは週に1~2回程度であり、最長でも8ヶ月程度だそうです。欧米では1~2年の期間を取るのに対し、期間が短すぎるのではないかという声もあります。

本書によると再犯リスクの高さを「低 中 高」に分け、プログラムを受けた際の各密度の再犯率です。↓
高密度 受講者 34.8% 非受講者 46.4%
中密度 受講者 20% 非受講者 22.4%
低密度 受講者 4.8% 非受講者 12.6%

確かに構成プログラムを受けたことにより、再犯率は少しは下がっていますが、これだけの再犯率の高さで性犯罪者が刑務所から出所してしまうということは、大変に恐ろしいことだと思います。

こちら↓は大変生々しい映像となりますが、塚原たえさんが実父による長年の性虐待を警察に訴えた時に「お父さんは捕まっても3年で出所しちゃうけど大丈夫?」と聞かれ、 父親からの出所後の復讐が怖くて訴えを取り下げてしまったという証言もあります。(彼女の弟さんは実父からの性虐待のために自殺されました)



(内容上記記事より引用)


性犯罪者への対応があまりにも緩かった日本ですが、昨年の7月には不同意性交罪が成立したりと、徐々に法律が整備されつつあります。

今後も性犯罪者が出所した後に、どのように再犯を防止するのかということが課題として重く残されています。