こちらの本を読了いたしました。

 

正社員の仕事がなく、税金も十分に払えず、結婚も出来ず、子供もいない。そんな "アラフォー、非正規、シングル、子供なし"の貧困女子達を取材して描いています。


同じ「シングル子無し」女性であっても、前回レビューさせていただいた「キャリア独身女性」とは対照的な存在です。



本書p98引用

かつて1割程度だった若年女性(15~24才)の非正規雇用率は今や4割にまで達している。とりわけ非正規雇用率には、学歴による差が大きいことが明らかになってきた。25~34才の女性で高卒までの学歴の場合、非正規比率は6割近くに達しているが、大卒以上の学歴の場合、3割程度に留まっている。


前回レビューした大卒シングルのキャリア女性たちは、 消費やバカンスを謳歌し、自分の生活レベルが下がることを忌諱して「子供を産まない」という選択をしていましたが、非正規または無職の女性たちからは「自分の仕事すら安定していないのに結婚するなんておこがましい」「日々の生活で精一杯で、恋愛とか結婚など想像もつかない」「付き合っていた男性も非正規だったので将来のことは考えられなかった」という声が聞かれます。(p155より)


正社員高収入の女性たちが子供を欲しがらなければ、非正規の女性たちも「結婚をして子供を産むどころではない」と考えている日本の現実があります。


Z世代の5割は子供が欲しくないというアンケート結果もあります↓。滝汗


15~24才の女性の非正規雇用率が4割という現状では、若者が将来に不安を抱かざるを得ず、結婚や出産に希望を持てないのも当然と言えましょう。


( 女性における非正規雇用者の割合推移・15~35才以下の若い女性の非正規化が進んでいる)

「日本の未来は、世界も羨む」未来だったはずなのに。(モーニング娘1999年より)


それから20年。日本のお給料は上がっていません。

長らく非正規雇用で働き続けることの最大の不安は、雇用が安定しないことだと思います。アルバイトは「若さが資本」なため、年齢を重ねるに連れて契約の更新が不安定となり、高齢で失職をした際の再雇用先がないというリスクがあります。

病気をしてしまった時には正社員と違い「有給」もなく、貯金と職を一瞬にして失ってしまいます。

P166 40代女性契約社員
「人並み以上に頑張ってきたつもりだったけれど、気がつけば周りはキャリア、夫、子供を手にしている。 自分の頑張りが足りなかったのかもしれないけれど、そんな状況を考えるとものすごく辛い」

現在独身で非正規雇用の女性の平均年収は200万円ほどであり、予想される年金額は毎月10万円ほどになります。(将来的には更に2割ダウンという予測もあり)

40代以下の独身女性の半分以上が貯金100万円以下という集計もあります。

現在65才の女性が20歳だった頃の45年前は、1978年です。そしてこの頃から生涯未婚率が急速に増え始めています。

未婚率の増加に伴い、高齢女性の未婚割合があがるのもまさに今からであると言えます。少子化問題に押されてあまり取り上げられる事のない「非正規独身女性の貧困」ですが、15才~24才の女性の4割が非正規雇用という現実は、少子化と並ぶ喫緊の課題ではないかと感じています。