なんと右目は手術が出来ないことになった | 鹿児島のイチロー84歳 “十年前の状態に復活”を新目標に

鹿児島のイチロー84歳 “十年前の状態に復活”を新目標に

糖尿病の為に始めたバッティングセンター人生が二十数年を越えた。
81歳で「130km/hを打って7本のホームラン」という若者達でもやれないことが出来た。一応前立腺ガンを克服したので、
新たな目標として“十年前の自分への復活”に賭けてみようと思う。

いよいよ白内障の手術の日が迫って来た。

三日ほど前から右目の目玉が痛くなったので、入院してからでは引き延ばされるといけないと思って、今日診察に行った。

 

すると、目玉の痛みは原因不明との診断だったが、15年ほど昔にさるバッティングセンターで打っている時にチップを打ったらコレが天井ではねて私の右目を直撃したことがあったのだが、その古傷が今になって白内障の手術を不可能にしていることが判明した。

 

何か月もしんどいめをしてようやく手術にこぎつけたのにと、ガックリ来た。

 

大病院なら一応手術は出来るらしいが、成功するとは限らないらしく、“左目が見えるようになったら、右目は一応見えているのでそのままで生活してみたら”と言われた。

 

体中の力が抜けて何もする気がなくなったが、先ごろホームラン対決で惨敗していたU君とのリベンジマッチの約束があったのでメテオ・ドームに行った。

 

彼が5番打席で120km/hを打ち、私は6番打席で同じく120km/hを打っての勝負となった。

 

彼にリベンジすることで失望落胆を忘れることが出来ると思って気合い十分で臨んだ。

しかし、気合いが空回りしてなかなか芯でとらえることが出来なかった。

U君も連勝して勢いを付けようと力んでいるらしく凡打を重ねていた。

 

とうとう二人とも最終球になった。

もうヤケクソで振ったのがホームランゾーンの左隅に入った。

彼は振り遅れたようで右へのファールに終った。

一応最小限の差ながらリベンジを果たすことか出来た。

 

対決後はまた彼がいつものファミレスで、コーヒーと糖尿病に触らないようにと小さなケーキをご馳走してくれた。

 

右目の手術が出来なくなったことを伝えると、“大きな期待をしておられたのでショックも大きくて気の毒ですが、逆境になると強い鹿児島のイチローさんですから片目でもまた僕は勝てなくなりますよ”と、慰めてくれた。

 

彼のこの人の良さがここ一番の時に打てなくなっている感じだ。

私は彼の言う通りかも知れないと、あきらめの気持ちが沸いて来て、少し気分が楽になった。