「2025年86歳・ゼロから再活性化への挑戦」

「2025年86歳・ゼロから再活性化への挑戦」

糖尿病の為に始めたバッティングセンター人生が二十数年を越えた。
81歳で「130km/hを打って7本のホームラン」という若者達でもやれないことが出来た。その後前立腺ガンや白内障を克服したので、バッティング人生の最後の挑戦を…

ファミレスミーティング仲間のAK君が食事をご馳走したいということなのだが、なぜかいつものファミレスではなくて、AZのフードコーナーに呼び出された。

 

私はこのフードコーナーの“野菜いため定食”が大好きなので、そのことを知っていておごってくれるのかと思って行ったら、“今日は焼肉定食を食べて下さいね”と一方的に決められてしまった。

 

なぜ焼肉なんだろうかと思ったのだが、素直に従うことにした。

 

出来あがったのを彼が受け取りに行って持って来てくれたのだが、量が多いのにビックリ。

肉が好きなわけでもないし、これはとても食べきれそうにないと思ったので彼に半分取ってくれと頼んだのだが、“若者以上の馬力で大変な無理しておられるのですからこれくらいは全部食べて下さいよ、お願いします”と強引に押し付けられた。

 

シブシブという感じで一切れをタレをつけて食べたのだが、なんとこれが私の大好きな甘めの濃厚な味で、加えて苦手な脂身が少なくて柔らかい赤身肉が想像を超えて美味かった。

 

見た時凄い量の多さにびっくりしたのだったが、なんと自らハシがどんどん進んで、とうとう美味しいままで完食してしまった。

 

AK君が、“どうです、少しも残さずキレイに食べられたでしょう”と、我が意を得たりとばかりに満足そうな笑顔で言った。

 

なぜ私が好きでもなかった焼肉定食なのかを聞いたら、“前回会った時に鹿児島のイチローさんが最近ひざ関節が痛い時があると言っておられたので、それはもうかねての食事に脂肪分が少ないせいに違いないと思って、今後の食生活に取り入れて欲しいと思ったからです”と言った。

 

私は昔の単なるライバル同士の付き合いくらいに思っていたので、考えてもみなかった彼の温かい心情に胸が熱くなった。

 

AK君と別れて私はメテオ・ドームに打ちに行った。

居合わせた若者達のリクエストで打ったところ、なんだか自然にアドレナリンが湧き出ている感じでスイングに力感があって、久しぶりに一ゲームで4本のホームランが出た。

 

AK君の私への友情が打たせてくれたホームランなのは確かだ。