昨夜、レストランコーナーを何処に入ろうかとブラブラしていたら、朝の私が出されたラジオを聞いたという父子連れと、しばらく後には親子三人連れの人達に声を掛けられた。

 

そして、父子連れのお父さんから、“うちの子は内角を攻められると、もう全く手が出なくなって打順も八番まで落とされてしまってます、一度指導していただけませんか”と言われた。

 

それで、今日メテオドームで状態を見てみた。

 

一ゲーム打たせて様子を見ると、中学までは四番を打っていたというだけあって、いい体をしているし、スイングも素晴らしいスイングで、右ひじの抜き方も悪くなく、内角に弱いようには思えなかった。

 

二ゲーム目は、わざとホームベースに近づいた位置で、やや高めに設定して打たせてみた。

 

なるほど、全然打てなくなった。

精神的にバットの出が悪くなっていることがわかった。

 

中学の時には内角をつかれることが無かったのに、高校の投手になると内角をついて体を起こそうとするのが出て来るために、それにプレッシャーを感じて萎縮しているものと思った。

 

 

それで、“よく見ておけよ”と言って、私が彼と同じ位置に立って打って見せることになった。

 

彼が打ったのより 20km/h 速い  130km/h の球速で、彼よりもうんと打ちにくくなる球速だ。

しかも、バットは 1200g の重量で、彼のよりも 400g も重たくなるバットで打つのだ。

 

“いかに大きく不利な条件かが判るか”、と聞いてみると、“はい、わかります”と即答した。

 

 

初球から“不利を跳ね返す印象を強くしたかった”ので、最大の集中力と最速のスイングでバットを上から一直線でボールのコースに叩きつけたら、高いバウンドになったが、打球は三遊間方向に飛んだ。

 

振り遅れの出る条件でも、振り勝ったという証拠を見せつけてやることが出来たのだ。

 

空振りもしたりして、七割片は凡打したが、ホームランが一本、他にもライナーが三本、フェンス方向へのフライも三本と、いずれの打球も左中間に揃えて打って見せることが出来た。

 

 その気になって、気合い十分で打てば、老人の私でも球速にも、インコースにも打ち勝てるのだということを見せてやって、いかに気力、気合いというものが大事かということを説いて聞かせてやった。

 

そして技術的には、“君の打つポイントよりもはるかに前方、具体的には 50cm 以上前方となる位置を狙うのだ”、ということを教えたのち、打つポイントを前にして素振りを一ゲーム分させた。

 

素直な性格の為か、飲み込みは抜群の良さだった。

で、次に実際にボールが来たら、果たしてどうなるかなのだ。

 

最初と同じく、110km/h で打たせた。

 

なんと一本も打てなかったのに、予想を大きく越えて 5 本を真っ芯でとらえて、全ての打球をセンター方向にもって行っていた。

 

本人も心から安堵した、満足したという笑顔になっていたし、お父さんも凄く喜んで下さった。

 

私も、教えたことを即刻結果を出すという、素晴らしい球児に出会えて、苦手のラジオに出た甲斐があったと思った一日だった。

急なことで、ラジオの生放送の最中に電話で話さねばならないことになった。

 

テレビはその場にディレクターの人が居られるので、生放送でも何とか応対できるのだが、今回のラジオは電話の前に私が一人だけなのだ。

 

進行状態もロクに分かっていなくて心細いし、“電話”そのものも怖いのだ。

 

なぜ電話が怖いのかというと、現代の若者達には想像もできないことだろうが、私の世代は高校を卒業するまでは電話なんてのは家には無かったので、相手が見えないままで会話すること自体が恐怖なのだ。

 

就職してはじめて近くに電話というものを見るようになったのだが、ベルが鳴ると用事を思い出したふりしていつも逃げていた。

 

そういうことで、若い時の電話に対するトラウマはそのまま残っていて、現在でも電話での会話は避けがちになっている。

 

 

そういうことで、昨夜は心配や不安で一睡も出来なかった。

 

時間指定は 8 時半からとなっていた。

三十分も前から携帯を持って待機していたのだが、ラジオも用意しておかねばならないのではと、十分前になってから気づいた。

 

慌ててトランジスタラジオを引っ張り出したのだが、電池を変えても聞こえなかった。

 

完全にパニックになって部屋の中を右往左往しているところに電話がかかって来た。

心臓がバクバクして、喉はたちまちにしてカラカラになった。

 

コーヒーの残りを飲んで、かろうじてしゃべれる状態になったが、最初のうちは何を答えたのか、全く覚えていなほどに上がっていて、五分ほど経った頃にようやく落ち着くことが出来た。

 

なんとか思うようにしゃべれるようになったかなと思っているうちに終わった。

 

内容は、毎日新聞の「はがき随筆」に出した、メテオドームでの若者達との交流の模様が面白いということで、取り上げられたというわけだ。

 

どんな放送になっていたのか…

 

終わって三分くらい経った時、急に猛烈に咳き込んだのだが、もしコレが番組中だったら大変なことになっていただろうと思うと、ゾッとした。

 

今日のローテ日は、早速この放送を聞いていたという人が来られ、“ぜひ生のホームランを見せて下さい”、と言われた。

 

右足の痛みが厳しかったがなんとか二本を打つことが出来て、ホントに、“ヤレヤレ”という一日だった。

昨日のローテ日は小学生球児のリクエストでホームランを打って見せることになった。

 

右足の痛みが厳しくて僅かづつしか歩けない状態だったが、打席に入って前傾姿勢をとって素振りをしていると、打てるカタチが分かった。

 

スタンス幅を狭くして、上体を深めに折って、両膝も多めに折ることで痛みは少なくてパワフルなスイングが出来るのだ。

 

結果は二本のホームランを打って見せることが出来て、大喜びしてもらえた。

かなりぶさいくな打ち方になっていたらしく、最初のうちは笑顔が消えていたが、ホームランを打ってからは安心したのか、笑顔に戻っていた。

 

やはりこういう笑顔を見ると、痛みを我慢してでも打って見せてやろうと、私自身の元気の元にもなるわけだ。

 

野球少年だけあって、私の足元には鋭い目を向けていたので、自分では分からないので、気になった。

 

それで、三萩野バッティングセンターの M さんが写して下さった写真のインパクト直前の映像を見てみた。

 

有り難いことに、現在の右足をかばう打ち方が良く表れていると思う。

つまり、自然なうちに、痛みを少なくする下半身の使い方が出ているわけだ。

 

自分ではもう少しスタンス幅を広げていたつもりだが、35cmくらいしか広げられないということだ。

 

それと、右足のかかとを回して腰をひねるということはやっていなくて、右足のエッジを利かせて僅かな体重移動に頼っていることも判った。

 

求められるホームランを打って行く為の今後の課題は、この体制での下半身の力はあまり頼りにはならないので、バットコントロールで安定して対応させられように、より一層の腕力の強化が必要だということだ。