こんなんじゃないって
そんなものは要らないって
泣ける人は幸せだと
微笑むように言った
いつかの貴女の記憶

そして今差し伸べた手に
残されたジグザグの傷
強く握りしめたなら
本当の声が聞けそうで
拒絶する哀しみも
拒絶される虚しさも
どんなに重ね合わせてみたって
温もりにはならないのに

傷つけあうことに
慣れたいわけじゃない
試される日々の中で
貴女を見失いそうになっても
此処で息がしづらいのは
僕も同じだから

どうして誰かを愛する事が
こんなにも苦しいのだろう
傷だらけの掌を見つめ
ただ貴女を愛しく想う




アルコールの中に漂う本音
本当、好きよねって
君が笑う
そうでもないよって
僕は思う
束の間見つめ会っても
結末は遠く
感じとる微かな緊張
わずかに開く唇
花のようだ
そこに在るだけで誘う花
あと何度か目が合えば
名も知らぬ誰かは
君の誰かになるだろう
僕は
ほうっと
溜め息をつく


なぜ
どうして
答えが欲しいのなら
聞き方を変えてくれ
奥歯を噛み締める
なぜ
どうして
なぜ
どうして
鏡に写す自分
瞬きの少ない瞳を触る
毎朝毎晩問いかけた
今更答えようもない
なぜ
どうして
なぜ
どうして
僕には思い付かないような
言葉にして聞いて欲しい
なぜ
どうして
誰よりも知りたいのは
僕自身なのだから