Yoっち☆楽しくグテを綴る♡ -70ページ目

Yoっち☆楽しくグテを綴る♡

テテとグクの Me Myself写真集にインスピレーションを得て【群青と真紅】をブログ内で執筆中です️

既に、数日前の画像でございますが
皆様、もうご覧になりまして❓←とっくに見ていらっしゃるわよね💦💦
すこぶる大人っぽいキム公爵のお顔✨

王位継承順位第二位の
貫禄👑
彼こそが正真正銘の
王子であり
大公子殿下である🤴
Kim Taehyung R.F.
Royal Family )


お妃候補に自薦する淑女多数❗
海外王室からの求婚多数❗
世界中の社交界からロックオンされまくる Super Prince✨👑✨
素敵すぎる💖💖💖💖💖💖

文中注記
【バタクラン(焼菓子)】
Ba-ta-clan バタクラン
クラッシュしたアーモンドを生地に入れた、19世紀中期以降に出来た焼菓子

©ガストロノミー。

前回の物語



物語の続きが始まります✨✨✨


【フランシス嬢のバタクラン】

応接の間には紅茶ポットやカップとソーサーと並んで、フランシス嬢が焼いて持参した、珍しい焼菓子が用意されていた

テヒョンとフランシス嬢が席に座ると、スミスが紅茶を淹れた
紅茶が準備されスミスが席につくと、フランシス嬢が焼き菓子を取り分けた
「これは何というお菓子ですか?」
テヒョンがお皿ごと持ち上げて、焼菓子を観察しながらフランシス嬢に訊いた
「これはバタクランと申しまして、砕いたアーモンドが入っております。フランスの焼菓子ですの。どうぞお召し上がりになって下さいませ」
テヒョンが一口食べてみた
「ん〜・・・アーモンドの風味が広がる。食感も面白い」
テヒョンが先に口を付けたのを見て、フランシス嬢とスミスも一口食べる
「おお、これは食感も楽しめますな」
スミスが頷きながら二口目を頬張る
テヒョンが2つ目を取りながら
「フランシス嬢は新しいフランスのお菓子をよくご存知ですね」
と訊いた
「フランスにおります従姉に教えてもらっていますの。私達、お菓子作りが趣味なのが同じで」
「なるほど。現地から情報を早くに貰っていたのですね。ではフランシス嬢がこの国では、お菓子の最先端を行く、お菓子通ということになりますね」
「そうなれていたら、よいのですけれど」
フランシス嬢はフフフと笑って、更に何かを言いたげに、もじもじしていた
スミスがそれに気づいて声を掛ける
「どうされました?フランシス嬢、何か仰りたい事でも?」
「はい、・・・あの」
いつもハキハキ、はつらつとしたフランシス嬢が珍しいと、スミスは思った
テヒョンも気付いてフランシス嬢を注視した
「無理強いは致しませんが、仰りたいことがあったらどうぞ仰って下さい」
スミスが優しく促した
「はい。フランスの新しいお菓子を教えてくれる従姉が、今回来てくれる事になりまして・・・」
テヒョンとスミスは、まだ事情が掴めないでいる。二人が見守るように次の言葉を待っていると
「私、年明けにトーマス様と結婚式を挙げることになりました」
テヒョンとスミスは持っていたティーカップやフォークをテーブルに置いた
「おめでとう!なんだ、おめでたい話だったのですね」
テヒョンが身を乗り出すようにして、笑顔で言った
「おめでとうございます!」
スミスもお祝いの言葉を掛けた
フランシス嬢は恥ずかしそうに笑うと
「先日、やっと日取りが決まりましたの。1番最初にキム公爵とスミスさんに直接お伝えしたいと思っておりまして。そうしましたら、今回お呼び下さりましたので、よい機会を頂きました」
「ジョンソン男爵はあなた以上に喜んでいるのでしょうね」
「ジョンソン男爵の嬉しそうな顔が目に浮かびますね」
「トーマス様はすぐにチョン大佐に報告するんだってはしゃいでおりました」
「その様子も手に取るように分かるな」
テヒョンがそう言うとスミスが頷いた
「キム公爵とスミスさんのお二人には、改めて式のご案内をお届け致しますが、私達の式にお出で頂けますか?」
「勿論ですよ」
テヒョンの応えに、スミスも笑顔で頷いた。フランシス嬢は満面の笑みになる
「結婚式や結婚後の準備で忙しくなる時期に、私の用も重なって大変ではないですか?」
「いいえ、とても有り難い独身最後の重要任務でございますわ」

「テヒョン様のご快気に続き、親しい方々のおめでたい門出に立ち会える幸運に、感謝でございますね」
「そうだな」
テヒョンとフランシス嬢とスミスは、明るい話題に心晴れやかな思いになった



【募る想い】


「お見送り下さいまして、ありがとうございます、キム公爵。近いうちにご寄付先について、ご連絡申しあげます」
「はい、頼みます。そうそうバタクランご馳走様でした、美味しいお菓子をありがとう。」
スミスもテヒョンの隣でにっこり笑うとお辞儀で礼をした
「それではこれで失礼致します」
フランシス嬢はカーテシーでお辞儀をして、馬車に乗り込んだ
テヒョンとスミスは動き出した馬車を見送ると、部屋に戻っていった

フランシス嬢が乗った馬車が庭園を抜けて、並木道の方へ向かった
するとそれとすれ違って、馬車が宮殿に向かって走って来ていた

テヒョンが部屋に戻ってしばらくすると、従僕が部屋にやってきた
「殿下、宮廷からのお使いが参っておりまして、こちらをお預かり致しました」
スミスが書簡を受け取り、テヒョンに2通の書簡を渡した
「チョン伯爵からの書簡につきましては、お返事を賜りたいそうでございます」
「ジョングク!?」
チョン伯爵からと聞いて、テヒョンは先にジョングクからの書簡を開封した
それは、ジョングクからの手紙だった
テヒョンは逸る気持ちで文面を目で追った
読み終えた後、引き出しを開けると便箋を取り出し、ペンを走らせた
またそれを書き終えると、自身の刻印で封印した
「スミス、これを」
テヒョンが書き終えたジョングクへの書簡をスミスに渡す
「お預かり致します」
スミスはテヒョンから書簡を預かると、待機していた従僕にそれを託した
「確かにお預かり致しました。それでは失礼致します」
従僕がテヒョンの書簡を持って部屋を離れた

「テヒョン様、新しい紅茶をお淹れ致しましょう」
「うん、ありがとう」
テヒョンは、もう1通の書簡を開封した
一通り目を通すと、スミスに呼びかける
「スミス、父上が来週お帰りになるぞ!出迎えに外務大臣と共に、ジョングクが向かうそうだ!」
「そうでございますか!いよいよお戻りになられるのですね。ジョングク様は要人帰還のお出迎えとは、大役でございますな」
「貰った手紙にも、緊張していると書いてあった。次の休暇にこちらに来たいそうだから、大役を喜んでやらねばならぬな」
テヒョンはとても嬉しそうに話した
ジョングクに会える嬉しさと、そのジョングクが、自身の父親に関わる役目を担ってくれる事への、二重の喜びを感じていた



数日後の朝、テヒョンは早く目を覚ました。すぐにベッドから出ると、ガウンコートを羽織り、窓辺に向かうと窓を開けた
冬の冷たい空気がテヒョンの顔を覆う
テヒョンは、そのまま大きく深呼吸をした。そしてその後ガウンコートの襟を両手で掴むと、両頬を包み込んだ

しばらく外の冷たい空気に触れていると、部屋をノックする音がした
「入ってよいぞ」
テヒョンが応えると、『おはようございますテヒョン様。失礼致します』とスミスが入って来た
「ご指定されておりました、お着替えでございます」
今朝はいつもより早目の朝の支度だった。スミスはソファに、テヒョンが指定していた衣装を広げ置くと、開け放たれていた窓を閉めた

テヒョンは、いつも欠かさずスキンケアをしているのだか、昨夜は入念に手入れをした。今朝も洗顔後にはフランシス嬢に教えてもらい、取り寄せた保湿クリームで整える
着替えをしてからは、何度も鏡を見てはクラバットの結び方を整えたり、髪型を整えたりと、身なりを気にした
そして、テヒョンはハッとして鏡に映る自分の顔を見た
そして、ふっと笑った。他人が見栄えばかりを重視していることをいつも揶揄していた自分を思い出したのだ
『僕が今していることはなんだ?ジョングクに綺麗に見てもらいたいと思う、この気持ち・・・僕が否定していた見た目を気にする事も《恋》故なのだろうか・・
恋とはなんと厄介で、未解な心情なのだろう』
テヒョンは、未だ知ることがなかった自分をジョングクによって、これからも沢山知っていくのだろうと思った

支度を終えたテヒョンが、窓辺に向かう。テヒョンの部屋の窓から見える並木道に、馬にまたがる紳士の姿が見えた
その姿ははっきりとは見えないが、ジョングクだと確信した
テヒョンは書き物机に向かい、しまっておいた、お礼のメッセージカードが入った封筒を取り出すと、ジャケットの内ポケットに入れた
そして、もう一度窓辺に行って、馬が庭園に差し掛かった所を確認すると、足早に部屋の扉に向かう

扉を勢いよく開けて廊下に出ると、長い廊下を走り、階段に辿り着くと駆け降りて、正面玄関まで向かう。既に息がかなり上がっていた。走っているせいなのか、ジョングクを想うときめきのせいなのか、もう分からなかった

やっと玄関まで来ると、走ってくるテヒョンに、ジョングクを迎える準備をしていた従僕が驚いて、慌てて挨拶をする
「おはようございます、殿下・・」
言い終わらないうちに、テヒョンは玄関を飛び出した

玄関を飛び出すと、ちょうど馬が玄関前に到着する所だった
馬の蹄の音を間近に聞いたテヒョンは、一瞬怯んだ
「テヒョン様!」
馬上のジョングクは、テヒョンの様子を見て、ポンチョをひるがえし、慌てて馬から降りた。そして待機していた馬丁に手綱を預けると、テヒョンの所に行った
「大丈夫でございますか?」
ジョングクの優しい声に、テヒョンは笑顔で応えた
「おはよう、ジョングク」
ジョングクも笑顔で応える 
「おはようございます、テヒョン様。・・・今朝も一段とお綺麗です」
テヒョンが満面の笑みになる。ジョングクは、こういうテヒョンが本当に可愛らしいと思った

「テヒョン様、今から一緒に馬で散策致しませんが?」
「・・・馬で?」
「どうしても、貴方様に見せたいものがございます」
「見せたいもの?」
「あの馬で私と一緒に乗って頂きますので、大丈夫でございますよ」
玄関先にはいつの間にか、スミスが来ていた。ジョングクはスミスに挨拶をした
「おはようございます、スミス殿」
「おはようございます、ジョングク様」
「テヒョン様と一緒に馬に乗り、散策にお連れしたいのですが、宜しいでしょうか」
ジョングクはスミスに承諾を願った
「テヒョン様が宜しければ、私は何も異存はございません」
スミスは、ジョングクに任せるつもりで応えた
ジョングクは再度テヒョンを誘った
「テヒョン様、私がしっかりお守りしておりますよ」
ジョングクのその言葉に、テヒョンは自分の心に根付く、馬への恐怖心の克服を託してみることにした
ジョングクが乗ってきた馬は、ジョングクの愛馬アルミラージではなく、二人乗りが出来る馬だった。既に鞍は二人乗り仕様になっている

「ジョングクと一緒に出掛けるよ」
テヒョンがそう応えた。
「でも、そのお姿では、寒すぎますね」
テヒョンはコートも手袋も持たずに飛び出していた
「ジョングク様、こちらを」
スミスが持ってきていた、テヒョンのコートと手袋をジョングクに渡した
「テヒョン様、こちらに手を通して下さい」
ジョングクがテヒョンにコートを着させた。そして、手袋も渡したのだが、テヒョンは手袋をコートのポケットにしまってしまった

「それではテヒョン様、お掴まりください」
ジョングクと馬丁がテヒョンの騎乗を手伝った
無事に騎乗が出来た事を確認すると、素早くジョングクがテヒョンの後ろに騎乗する
手綱を馬丁から渡されたジョングクは、テヒョンにも一緒に持つよう促した。そして、手綱を握ったテヒョンの手が手袋をしていないので、ジョングクも着けていた手袋を外して、自分の手のひらをテヒョンの手に被せて、一緒に手綱を握った
スミスはずっと目を離さずに、テヒョンを見守っていた
ジョングクが、そんなスミスを見て笑顔で言う
「それではスミス殿、テヒョン様を散策にお連れ致します」
「宜しくお願い申し上げます。どうぞお気をつけて」

「では、テヒョン様ゆっくり参りましょう」
ジョングクはコンと優しく馬の腹に踵を当てた。すると馬がゆっくり歩き出した
緩やかな振動が、テヒョンの体を揺らした。久しぶりに感じる乗馬の感覚だった
「お寒くはありませんか?」
ジョングクはそう訊ねたが、テヒョンからの応えを待たずに、一旦馬を止めると羽織っているポンチョで、後ろからテヒョンを包み込んだ。その瞬間、ふわりとジョングクの身につける香りがテヒョンを包んだ
テヒョンの心拍数が上がった。そしてテヒョンは、緊張して力が入っていた体をそっとジョングクにもたれ掛けた
そうすると、自然に体から力が抜けていくのを感じた

馬が再びゆっくりと歩き始める
ジョングクは、テヒョンの両手をギュッと力を込めて握ると
「テヒョン様、貴方にとてもお会いしたかった・・・」
と、テヒョンの耳元で静かに言った
テヒョンは胸にこみ上げるものを感じながら
「僕も、君に凄く会いたかった・・」
とジョングクに振り向きながら言った
ジョングクは振り向いたテヒョンの頬に、自分の頬を重ねる
お互いに、それ以上言葉が出なかった
二人を乗せた馬は、ゆっくりと庭園を抜けて、奥の森林に入って行った


※ 画像お借りしました



最近、記事を遡って読んで下さる方がいらして嬉しいです😊
で、ですね、記事ごとにコメント欄見ましたらお返事抜けてる方が結構いらっしゃって😱めちゃくちゃ焦った私です
ホント、ごめんなさい🙏💦💦💦

取り急ぎ、ここでお礼とお知らせをさせて頂きます✨🙏✨

お一人、お一人、コメントへのお返事を書いておりますが、私まだもらってないって方がおりましたら、お手数ですが記事名含めてお知らせ下さいねショボーン🙏


かわい子ちゃん二人残していきますね



※ 画像お借りしました


テテがフランス🇫🇷へ出国して、ボゴムさんも1日遅れて出国しましたよね
今、パリでは警察官の銃撃で一人の少年が亡くなった事への抗議活動から、暴動や略奪へとエスカレートして大変な騒ぎになってますね😱💦
テテの安全を願うばかり🙏🙏🙏
物語の中では、ヨーロッパ各地にみられる暴動に、フランスにいるテヒョンの父が国王から帰国命令を出されてますからね😭←私的には現実と物語がリンクしてしまいました



前回の物語



本文注記
【ボンボン菓子、ボンボニエール】

ボンボン菓子フランス宮廷に輿入れしたマリー・ド・メディシスに随伴したイタリアの菓子職人ジョヴァンニ・パスティッラが作った砂糖菓子が「ボンボン」と呼ばれるようになったのが始まりとされる

ボンボニエールボンボン菓子を入れるための容器がボンボニエール(bonbonière)である

Wikipediaより




物語の続きが始まります✨✨


【キム公爵家のボンボン菓子】

執務室に戻ると、既にテヒョンの朝食が運ばれていて、食事が始まっていた
スミスはティーポットに紅茶葉を入れながら、そっと視線をテヒョンに向ける。しかし食事をしている姿は、いつもの様子に見えた
「スミス、礼状へのサイン入れも、もうじき書き終わりそうだぞ」
「そうでございますか、では後の仕上げまでも急ぎませんといけませんね」
「うん、頑張って仕上げてくれ。それはそうと返礼品は届いているのか?」
「はい、大丈夫でございます。礼状の仕上がり待ちでございますよ」
「そうしたら、次は公爵のすべき仕事を片付けて、クリスマスの買い物へも心置きなく出掛けることが出来るな!」
テヒョンが嬉しそうに言った
無理矢理明るく振る舞っているようでもなく、スミスは少しホッとした
「では、ご予定も早速前倒して組みましょう」

テヒョンは朝食を食べ終えると、早速礼状へのサイン入れを再開させた
しばらくすると、昨日の従僕達も執務室に集まり、一気に作業が進んで行った
そして
「よし!最後の一枚が終わった。後は頼んだぞ」
と、ついにテヒョンが最後のサイン入れを終えた
スミスや従僕達が作業をする横で、テヒョンは休むことなく、机の上を空けて次に領地内から届いた書類を取り出した

始めに、書類の1つづつ丁寧に目を通す
テヒョンは没頭すると一気にそこに自分の世界を作って周りを圧倒する。いい意味で周囲に刺激を与えるのだ。従僕達がそれに気付いて、テヒョンの神々しいまでの真剣な眼差しと、姿勢に心奪われていく

従僕達の手が止まったことに気付いたスミスが顔を上げた
「こらこら、手が止まっているぞ」
「スミス様・・・殿下の素晴らしい姿をご覧下さい」
「ああ、テヒョン様のあの様な真剣なお姿を間近で見ることは、なかなか出来ないからのぅ、眼福であろう?」
スミスと従僕達はしばらくテヒョンの姿を見ていた。が、スミスが現実に引き戻す
「さあさ、続けますよ。せっかくテヒョン様が早くに仕上げられたサイン入れであるからな」
従僕達はスミスに促され、名残惜しそうにしながら作業に戻った

テヒョンは周りのざわつきも我関せず、ひたすら報告書類に目を通し、時々何かを書き込んで、書類の右上の角を折ったりしていた
そして、申請書類にも目を通すとサインを書き込んだり、または何かを書き入れて報告書類と同じように書類の右上の角を折っていった

お昼近くになり、全ての返礼の書簡が仕上がり、返礼の挨拶状が整った
最後の一箱が執務室を出て、宛名を書く部屋に運ばれて行った
スミスと残りの従僕が後片付けを始める

さて、返礼の挨拶状が仕上がると、返礼品と共に各々配達されていくのだが
キム公爵家の贈り物への返礼品は、フランスから伝わる砂糖菓子のボンボンと決まっていた。それをテヒョンの紋章が描かれたボンボニエールに入れて贈られるのが習わしになっていた
ボンボンの中にはショコラや柑橘のジュレが入っている
今回は、キム公爵家にお見舞いが届き始めたのを見て、早目に注文を入れていた為、早い段階で準備が整った

そして、テヒョンの仕事の方は、読み進めていた書類を更に精査し、承認などは黙々と処理がされていった
すると仕事の途中で突然、テヒョンは思い出してこう言った
「スミス、年明け位から領民のもとに挨拶に参ろう。仕事や公務のない時期を旅行を兼ねて回れたらいいと思うのだが」
「テヒョン様が療養中に仰っていた、農産物のお見舞いのお礼でございますね」
「うん。それと、自分が治める領地を一度きちんと見ておきたいのだ」
「ようございますな。私も体が動くうちにテヒョン様と遠出をしてみたいものでございます」
「ははは、スミスは年をいくら重ねても達者であろう?」
「テヒョン様!」
テヒョンとスミスと従僕達もみんなで笑った

「お片付けが終わりましたので、私どもは元の職務に戻らせて頂きます」
「うん、ご苦労だったな」
従僕達はテヒョンに挨拶をすると、執務室を出た
従僕達が部屋を出た後、スミスが旅行の話の続きを始めた
「テヒョン様、旅行ともなりますと色々先立って計画を立てねばなりませんな」
「最初は近いところから参ろう。寒い時期の遠出は雪に阻まれてしまうからな」
「そうでございますね」
「・・・ジョングクも行けるといいのだがな」
テヒョンがボソッと呟いた
「お誘いになってみては如何でございますか?」
スミスの言葉に、テヒョンは少し考えていたが、ぱっと笑顔になった
「うん、そうだな、そうしよう!」
『なんと、まあ、ジョングク様のことになると、テヒョン様はこんなにも無防備で、可愛らしい表情をなさる』と、スミスは思った
そして、テヒョンの心弾む想いまでもが、手に取るように感じられた
「さて、早く片付けてしまおう!」
それからのテヒョンの仕事の処理スピードが一段と速くなった


【テヒョンの想い】


報告書の確認と申請書類の処理も一通り終わり、テヒョンの仕事の方も一段落がついた
「スミス、この耳折をしている書類は、不備があるものだ。不備箇所にメモ書きをしてあるから、再考するように伝えて欲しい。それぞれの責任者に戻して、再提出させるように」
「はい、かしこまりました。ではお預かり致します」
スミスはテヒョンから渡された書類を書類ケースにしまった
「では、直ぐに各責任者に返却するよう手配して参ります」
「うん、頼んだぞ」
スミスが部屋を出ると、テヒョンも自分の部屋に戻った

部屋に戻ったテヒョンは、書き物机に向かう。そして机の一番上の引き出しから、スミスに頼んだ後、すぐに手元に届いたカードを取り出した
そして、椅子に座ると二つ折りになっているそのカードを広げ、ジョングクへのガウンコートのお礼のメッセージをしたためる
他のお見舞いに対する礼状より先に書こうと思っていたが、やはり落ち着いた時に、じっくり言葉を選んで書き留めたいと考えて、しまっておいたのだ

Dearest Jeon Jungkook

✦✦✦素敵なガウンコートを
ありがとう
朝も夜も あたたかい君の思いに
包まれています
おかげで僕は身も心も
寒くはありません✦✦✦

Yours sincerely,
Kim Taehyung

テヒョンはこのカードを次にジョングクと会った時に直接渡そうと思った
どんなシチュエーションで渡そうかと、考えるだけで心が弾む
カードを見て笑ってくれるだろうか、また、その時の自分に向けてくれるであろう、ジョングクの笑顔を思い浮かべるだけで、胸が熱くなった
テヒョンはジョングクへの想いを巡らせながら、書き上げたカードのメッセージを何度も読み返していたが、カードを閉じると封筒に入れた
封印はテヒョンのプライベート用の《KT》のイニシャルが刻印されたシーリングスタンプが押される。シーリングワックスが固まるのを待って、それを元の引き出しにしまった

『ジョングクに会えるのはいつだろう』

テヒョンは椅子から立ち上がり、窓辺に立つと、広大な庭園の彼方先に見える雲を目で追いながら、ジョングクに会える日に思いを馳せた



『絵画の間』では、ついにテヒョンの元に届けられたお見舞いの贈り物が仕分けを終えて、全て集められた
「ご苦労だった、デイビス。種類別に分かりやすく並べてあるので、これは確認がしやすい。見事だな。あれだけの物をここまでに仕上げるのは大変であっただろう」
「ありがとうございます」
デイビスはテヒョンから直々に仕事を褒められ、更に労をねぎらわれ誇らしかった
スミスもデイビスを見て頷いた

「スミス、そろそろフランシス嬢に使いを出してくれるか?」
「かしこまりました。すぐに手配を致します」
テヒョンの指示でスミスがフランシス嬢の屋敷に使いを出した
そして、2日後にはフランシス嬢がテヒョンの宮殿にやって来てくれた
フランシス嬢の両親は、キム公爵家から直々に娘に使いが来た時には、何事かと驚いたようだ。だが、事情を知って、大いに公爵のお役に立つようにと激励されて送り出された

この日は特に寒い日だった
広い宮殿内も寒かったので、フランシス嬢を迎えたスミスがお部屋までは、そのまま入るように勧めた。しかし、フランシス嬢は宮殿の入口でコートを脱いで、手袋も外した
スミスは驕らない彼女の礼儀正しさに感服した

デイビスがテヒョンの部屋に、フランシス嬢の到着を知らせに来た
「殿下、フランシス・ルイーズ・ド・リオンヌ様がご到着でございます」
「そうか、ではスミスに『絵画の間』に直接通して差し上げるよう伝えてくれ。私は先に行っている」
「かしこまりました」

テヒョンは先に『絵画の間』に向かった
テヒョンがデイビスの仕事を絶賛したように、部屋の中には種類別に、沢山のお見舞いの品々が並べてある
それらを改めてゆっくり見回っていると、スミスがフランシス嬢を案内しながら、『絵画の間』へやって来た

「テヒョン様、フランシス嬢をお連れ致しました」
スミスの言葉を受けて、フランシス嬢が部屋の入口でカーテシーをしながらお辞儀をした
「よくいらしゃいました、フランシス嬢」
テヒョンが声を掛けながら近づいていく
「ご機嫌麗しゅう。キム公爵」
フランシス嬢が挨拶をすると、テヒョンは中に入るよう手で促した

「本日はお呼び下さり、ありがとうございます。御身体のお加減はもう宜しいのですか?」
「ええ、もう普通に仕事も始めておりますよ」
「まぁ、それはようございました。私の周りでも殿下を心配なさった方々がいらっしゃって、沢山私に尋ねられましたの。これで安心して、これ以上の心配は御無用ですと、伝える事が出来ますわ」
「そうお伝え下さると、私も助かります」
テヒョンとフランシス嬢は笑った

「キム公爵、、、もしかして、こちらにあるお品物は、全て仰っていらしたお見舞いの品々でございますか?」
「はい、そうですよ」
フランシス嬢がくるりと部屋の中を見回した
「さすがでございますわ、、殿下の普段のお人柄の現れでごさいますね」
「自分では、なんとも言いようがありませんが、あなたかそう仰るのであれば、そのように受け止めておきましょう」
「本当に全て御寄附に回されて宜しいのですか?」
「ええ。ここに置いてある物は全て」
「少し見て回らせて頂いても宜しいでしょうか」
「どうぞ、ゆっくりご覧になって下さい」
「では、失礼致します」
フランシス嬢は並べられた贈り物に近付いて行くと、一つ一つゆっくり見て回った
「触れてみても宜しいでしょうか?」
「いいですよ」
フランシス嬢は布製品などは実際に手に触れてみたりした
じっくりと、またしっかり見て回り、テヒョンの所へ戻ってきた
「いかがですか?慈善に回せる物はありますか?」
「はい。コットンリネンなどは孤児院などの赤ちゃんに使える上質なものばかり。ツイードのお仕立て用の生地は、貧しく防寒着が持てない大人や子供の上着に仕立てて使えますし、紅茶や珈琲の茶葉や豆は無料で提供されるお食事会の時に、一緒に出す事ができますわ」
「お役に立てそうですか?」
「勿論でございます。普段身に着けることや、口にすることが出来ない高級品に触れて、幸せを感じて、生きることに希望を持ってくれたらと思っております。ただの施しは、貧しい者には心傷付くものですから、キム公爵の『頂いた物を役に立てる』というご厚意は、彼らに自信を持ってもらうという希望に繫がりますし、何より下さった方々のお品物が、人助けに生まれ変われる・・
私はキム公爵がそこまでお見越していらっしゃる事に気が付き、心が震えました」
「分かって頂けたようで、私も嬉しい」
「あの・・・それで、1つご相談がございます」
「ん?何でしょう」
「調度品などの贈り物ですが、、、お金に替える事になっても宜しいでしょうか?」
フランシス嬢は恐縮しながらテヒョンに訊いた
「なるほど、ではあなたのお考えを伺いましょう」
「はい。あのような素晴らしい彫金が施された置き物や、蒔絵の漆器などは最初は目の保養にはなるとは思うのですが、貧しい暮らしの中では、いずれ持て余してしまうでしょう。それに彼らの暮らす場所は、どこも治安があまり良くはないので、それを盗みに来る者も出て来る恐れもございます。命が脅かされる事にも繋がってしまいます
そこで、彼らの手で『商売』として自分で売買をして、収入に替える学びをして欲しいと考えております」
テヒョンは大きく頷きながら、フランシス嬢に応えた
「やはりフランシス嬢に相談をしてよかった。私もただ差し上げるのではなく、次の希望に繋がればよいなと、思っていたのです。実は私はお見舞いに対しての礼状を書いた時に、下さった方々のお品物を尊い行いに回すことへの承諾の願いも書き添えました」
「まぁ、そうでございますか。皆様ご納得されましょうか」
「贈った物が私への見舞いになり、更に活かされる使われ方をすると分かれば、納得して下さるでしょう」
「そうでございますね。・・・でも本当に驚きましたわ・・・これだけのお見舞いの贈り物は見たことがありませんもの」
「有り難いことには変わりないのですが、私にとっては正直驚異であり、恐怖でもございますよ」
テヒョンとフランシス嬢は贈り物の品々を今一度見回した

「早速ではございますが、いくつか相応しい慈善団体にお話を持っていこうと思っております。はっきりと行き先が決まりますまで、こちらに置いて下さいますか?」
「当然です。是非良い所に繋げて頂きたい」
「かしこまりました。ご厚意に添えるよう尽力致します」

「テヒョン様お茶のご用意が出来ております。お隣の応接の間にお越し下さいませ」
スミスが二人の話が一段落ついたのを見計らって声を掛けた
「ではフランシス嬢参りましょうか」
「キム公爵、私、今朝お菓子を焼いて持って参りましたの。先程スミスさんにお渡ししてますので、お召し上がり下さいませね」
フランシス嬢の言葉に、スミスがテヒョンにウィンクをして期待を煽った
「それは楽しみだ!早く参ろう」
「スミスさんもご一緒に召し上がって下さいませね」
「はい、これだけは遠慮は致しません」
3人は笑いながら、隣の応接の間に急いだ


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