Yoっち☆楽しくグテを綴る♡ -40ページ目

Yoっち☆楽しくグテを綴る♡

テテとグクの Me Myself写真集にインスピレーションを得て【群青と真紅】をブログ内で執筆中です️



前回の物語


物語の続きが始まります✨✨✨


【二人の未来への展望】


朝、人の温もりを感じながら目が覚める

いつものジョングクは、なかなか覚醒しない寝起きの悪さであるのに、この日だけはその幸福感に包まれて目が覚めた。幸せな気持ちで、まだ隣で安心して眠っているテヒョンの額にそっと唇を寄せた。
テヒョンと迎える朝は、何度もあったが今朝のこの充足感はなんだろう。
そしてこの達成感はなんだろう、、、
全ての答えは夕べ《あった》ことに集約される。
『テヒョン様は、もう完全に私だけのお方になられた・・・』
改めて思うと胸が熱くなり、力が湧いてくる感覚を覚えた。

ジョングクは上半身を起こすと、脱いだままになっていた寝間着を取って着た。そしてベッドから降りて、端に置いておいた、テヒョンから脱がしたガウンコートを羽織ると厚いベッドカーテンを引いて、テヒョンが見えないようにした。
するとすぐに、
「・・・ジョングク・・」
と呼ぶ声がした。ジョングクはすぐにベッドカーテンをめくり、テヒョンのそばに寄ると、
「はい、ここにおりますよ。」
と言って口づけをして髪を撫でた。
自分を撫でる手に触れてフフフ、、とテヒョンが笑う。夕べの余韻がまだ残った感じの色気に、ジョングクは煽られそうになる。

「じきにスミス殿やデイビスが参りましょう。もう起きられますか?」
テヒョンは答えずにジョングクの首に両手を回すと、グイと自分の方へ引いて深く口づけた。
それに応えるように、まだ素肌のままのテヒョンの背中に両手を忍ばせて抱きしめると、更に深く口づけた。
触れてしまったら、もう離れることが出来ない。二人はしばらくベッドの中でじゃれ合っていた。
「さぁ、本当にそろそろ起きませんと、、、」
「うん、、、仕方ない。」
そう言ってはみたものの名残惜しさがお互いに隠せない。
起き上がっても最後の最後まで指先はお互いを離そうとはしなかった。

意を決して立ち上がると、ジョングクはテヒョンの寝間着を拾い上げて着せるのを手伝った。そしてテヒョンお気に入りのガウンコートを脱ぐとその肩に返した。
袖に腕を通す様子を見ながら、テヒョンがずっと気に入って愛用してくれている事に嬉しさが増す。
「ずっと愛用して下さっているのですね。」
「ん?ああ、このガウンコートか?貰った時からずーっと、君の温もりを感じているよ。」
その言葉の可愛さのあまり、ふわりと後ろから抱きしめる。テヒョンはホッと安らぎを受け止めて、
「君もまだ着ている?」
と甘えたような声で訊いた。
「はい。お揃いを喜んで下さいましたので私も毎日着ています。あなた様はもうお休みになられたのだろうか、、と思いながらいつも袖に手を通しておりますよ。」

二人は幸せを共有し合う。テヒョンは抱きしめられたままジョングクの胸に寄り掛かった。
ここでとうとうノックの音がしてしまう。
二人はやっと本当に離れた。
ジョングクが扉を開けに行く。
「おはようございます、ジョングク様。テヒョン様もお目覚めてございますか?」
「おはようございますスミス殿。テヒョン様は既にお目覚めですよ。」
スミスはニッコリ笑って頭を下げた。
「おはようございます。失礼致します。」
入口で声を掛けて部屋に入った。
後から来た女中達が一礼をして続くと、部屋中のカーテンを開けていく。 

「テヒョン様、ご入浴の準備が出来ております。ジョングク様は少しお待ち下さいませ。」
「ああ、私は一人で行くから、ジョングクを案内してやってくれ。」
「デイビスを待たれますか?」
「いや、いい。一人で行ける。」
「はい。ではお支度はこちらに。」
スミスはタオル等の入浴の支度をベッドの上に置いた。
「ではテヒョン様お先に行かせて頂きます。」
「うん。ゆっくりな。」
テヒョンは笑顔を向けた。
ジョングクは目で挨拶をすると、スミスを伴って浴室へ向かった。女中達も一旦退出する。

独りになったテヒョンは、ベッドへ戻ると仰向けに寝転んだ。そして深く息を吐いて天蓋を見つめ、夕べここであった事に思いを巡らせた。
両手で身体を包むと、ジョングクの唇が触れた身体中のあちらこちらを追いかけた。指先で記憶を辿るとまた熱が帯びてくる。
これから暫く触れることができない人の、残してくれた甘美な印と交わった汗をまだ流してしまいたくなかった。
テヒョンはジョングクから情熱的に求められ、激しく応えた自分の身体を愛おしく思った。


入浴を済ませたテヒョンとジョングクは、朝食の為に食堂へ向かった。
今朝は長いテーブルの真中辺りに席が用意されていて、二人は隣り合って座った。しばらくして大公が入ってくる。テヒョンもジョングクも起立をして迎えた。
「おはようございます。父上。」
「おはようございます。大公殿下。」
「おはよう。二人ともよく眠れたか?」
「はい、良い目覚めでございます。」
テヒョンがそう答えてジョングクをチラリと見た。

大公は『正直な二人だ』と思って笑いながら二人の顔を見る。
「食事の前にお前達に確認したい事がある。」
「はい。」
二人は背筋を伸ばした。
大公はテヒョンとジョングクを交互に見て訊いた。
「二人は想い人として交際をしているであろう?」
急に尋ねられてパッと顔を見合わせる。恥ずかしそうに笑みをこぼしながら、
「はい、そうです。」
とテヒョンが答えた。

「実は、お前達の《同士婚》を考えておってな。」
《同士婚》とは結婚制度の一つで、主に王侯貴族が使う制度だ。
家同士で強固な繋がりを持つ為に、生殖を伴う男女婚が行えない場合に、同性同士でも結婚が出来るよう用いられた。
この制度では世襲に拘る事なく、跡継ぎを決めることが出来た。
後継者問題で戦争にまで発展した、過去の負の教訓を踏まえて出来た法制度で、政略結婚で人質のように身柄を拘束させない為に、結婚する当事者の意思が尊重されたこの国独自の結婚の形だ。

「結、、婚でございますか?」
テヒョンはジョングクを見た。
「なんだ、二人共考えてはおらんのか?」
テヒョンもジョングクもびっくりした顔をした。
「はい、、、考えも及んではおりませんでした、、、。ジョングクとも勿論話をした事もございませんし。まぁ、色んな事がございましたし、、、」
「なるほど、そうであるか。」
大公は笑った。

「結婚を急かす訳ではないが、今後の事として考えてみてはどうだ?私はセオドラ卿と話をしてみるつもりでいる。テヒョンが王位継承権を持つ身ゆえ、いずれは決めなければならぬ。」
「そうなると、直系の跡継ぎは持てなくなりますが、、、」
「それを私に訊くのか?」
大公が笑って言った。
「ああ、、、そうでございましたね。」
テヒョンも笑った。大公はジョセフ王子を亡くした瞬間に、実質的な直系の嫡子は失っている。テヒョンはその事実を忘れるほど、大公との直系に負けずとも劣らない強い親子関係が結ばれていた。



朝食が終わりジョングクは帰る身支度をする。テヒョンはソファに座ってじっとその様子を眺めていた。
「私の背中に穴が空いてしまいそうです。」
「僕の視線を感じてる?」
「はい、痛いほどに。」
ジョングクは最後にクラバットを結ぶと、テヒョンの方へ振り返った。
「いつ行くのだ?」
「明日の朝には出発致します。」
「そうか・・・」
テヒョンはふと窓の外へ視線を逃がした。涙が湧いたのを感じたのだ。寂しい気持ちが目に現れてしまったのを見られたくなかった。

「訓練に行くだけですよ、テヒョン様。戦地ではありませんから。」
ジョングクはテヒョンの前にしゃがむと、両手を取って諭すように言った。
「それでも、、、やる事は同じだ。危険と隣合わせだろう?」
ジョングクはちゃんと分かっていた。心配をしてくれている事、《人殺し》の加担をさせたくないと、心から思ってくれている事。
だからこそ、そんな尊い想い人を《守りたい》と強く思うのだ。ジョングクはテヒョンの両手に唇を寄せた。
「あなた様は私の大切なお方、、、。どうかお健やかに待っていて下さいませ。」

テヒョンはジョングクを見つめた。
その凛々しい表情を見ているだけで、愛おしいという想いが溢れてくる。
「先ほど父上が申された・・」
言い掛けた時、テヒョンの口をジョングクの指が押さえて、
「それは私から申し上げたいと思います。」
と言うと、にっこり笑って跪き上体を正した。
「もしも、許されるのでしたら、あなた様を私の伴侶にと、、、」
「では君は、僕の伴侶になるつもりがあるということか?」

一瞬の間を置いて二人は笑いだした。
「父上がいきなり同士婚の話を始めた時は驚いたな。」
「そうですね、、私はやっとあなた様と結ばれた至福に舞い上がっておりましたので・・・」
昨夜の情景が一気に蘇る。テヒョンは顔が紅くなったのを感じた。それを見たジョングクは、
「・・・なんて可愛らしい、、、」
と言って見つめた。
「・・言うな!」
テヒョンは恥ずかしくて横を向いた。
「なぜです?本当に可愛らしいのですから、何度でも申しますよ。」

「バカ!」
その場から離れようと、立ち上がった。すかさずジョングクがその身体を受け止める。
「怒らないで下さい。どんなお姿のあなた様であっても、私には大切な情熱で宝物です。」
テヒョンは広い背中に両手を回した。
ジョングクも応えるように抱きしめ返して、
「本当に、あなた様が可愛くて、可愛くて仕方がありません。」
と柔らかい肌に頬ずりをした。

「テヒョン様、、、」
「ん、、、」
「同士婚のことでございますが、この長い訓練が終わったら、改めてあなた様に求婚したいと思います。」
「うん。じゃあ僕も君を待って求婚しよう。」
二人は強く抱きしめあった。
未来の約束となる《求婚》の二文字が、これからの二人の励みになることだろう。

慣れ親しんだ温もりに、香りに、息遣い。お互いを見つめる優しい瞳と笑顔、、、残り少なくなった二人だけの時間を惜しむように、テヒョンとジョングクはその全てを心身に記憶する。
最後に唇を重ねると、甘美な口づけを記憶に焼き付けた。

テヒョンの部屋を出る前に、二人はお互いに贈りあった指輪とブレスレットを見せ合って、離れていても心はすぐそばにある事を確かめ合う。

二人は揃って宮殿の玄関口に着いた。
スミスが気付いて声を掛けた。
「お支度は大丈夫でございますか、ジョングク様。」
「はい大丈夫ですよ。身体一つでこちらに参りましたので。」
玄関口にはオルブライトもいて、ジョングクに近付く。
「大公殿下より、セオドラ卿への親書がございます。どうぞチョン伯爵からお渡し頂きますよう宜しくお願い致します。」
「はい。お預かり致します。」
ジョングクは封書を受け取ると胸ポケットにしまった。

外に出るとジョングクは、テヒョンの手を取りその甲に唇を寄せた。
「では、行って参ります。」
「うん。気を付けてな。」
二人は見つめ合って頷くと、繋いでいた手をゆっくり離した。
外にはアルミラージが馬丁と一緒にジョングクを待っていた。
「お待たせ!アルミラージ。」
声を掛けるとそのままひらりと騎乗する。馬上の上からテヒョンに向かって一礼すると、ゆっくりアルミラージを歩かせ家路に向かった。見送るテヒョンに一気に寂しさが押し寄せてきた。

少しずつ小さくなっていくその後姿を見えなくなるまで見送る。
そのテヒョンの姿をオルブライトとスミスが静かに見守っていた。
ジョングクは一度も振り返ることなく視界からいなくなった。



【調印式】


ジョングクが帰ってしまった後、テヒョンは暫くそこに立ち尽くしていた。
声を掛ける事も出来ずにオルブライトとスミスもその場にいた。
「さぁ!調印式の準備を始めるぞ。」
振り返ったテヒョンの表情には既に寂しさの面影はなく、威厳に満ちた公爵の顔に変わっていた。
テヒョンは少し笑みを浮かべ、オルブライトとスミスの前を颯爽と通り過ぎた。
オルブライトとスミスはほっとしたように顔を見合わせると、テヒョンの後に続いて宮殿の中に入って行った。


3日後に迫る調印式を前に、ニールはキム公爵家の領地プロスペクトニーの責任者であり、養父であるゲインズと共にロンドンに入った。
到着してすぐに、二人は揃ってキム公爵家の宮殿に挨拶の為に訪問する。
「テヒョン様、ニールとゲインズが到着致しました。ご挨拶に参っております。」
スミスがテヒョンの私室に報告に来た。
「うん、では私の執務室に通せ。」
「かしこまりました。」

執務室に入るとニールとゲインズが起立をしてお辞儀をした。
「やぁ、久しぶりだな二人とも。」
テヒョンは明るく二人を迎えた。
その後に大公も続いた。
「ご苦労だな、二人とも。」
「大公、大公子両殿下にはご機嫌麗しく。」
「お久しぶりにございます。」
「挨拶はこれくらいに。さ、二人とも座って。」
テヒョンが執務室のテーブルにニールとゲインズを促した。

執務室では大公を交えて、調印式の打ち合わせをした。工事が行われる現地での内容は全て報告を逐一受けていたので、新たな情報はなく確認作業だけになった。
夜にはニールとゲインズは公爵家の食卓に招待された。
「こちらが誰もが羨む、キム公爵家のシェフのお料理でございますね。」
ニールが洗練された食卓に感嘆した。
「定期的な会議に出席していれば、うちの食事に馴染んでいたのだぞ。な?ゲインズ。」
「はい。」

「悔やんでも悔み切れない私の落ち度でございます。」
ニールの残念がる言い方で食堂に笑いが響いた。
「これはまるで、ジョングクのような素直さだなテヒョン。」
大公が笑いながら言ってきた。
「確かに。」
ジョングクの名前を耳にして、テヒョンは愛しい笑顔を思い出した。
「そういえば、チョン伯爵は訓練で遠征に出られていらっしゃるのですね。」
ゲインズがテヒョンに聞いた。

「うん。もう現地に着いた頃ではないかな。」
努めて明るく答える。
ジョングクが率いる師団は少佐と歩兵隊、砲兵隊、騎馬隊の順で遠征に出発していた。中佐と大佐であるジョングクは一番最後に出発し、体調不良等で脱落者がいないか確認しながら進むことになっていた。
ニールは食事をしながら、黙ってテヒョンの表情を窺った。
テヒョンはまさか今この席で、ジョングクの話題になるとは予想もしていなかったので動揺した。
少しでも気が緩めば、否が応でも心が全て想い人で占領されてしまうのだ。



ニールとゲインズは公爵家で振る舞われたの食事の後、宿に帰って行った。
テヒョンは部屋に戻ると、デイビスに手伝われながら就寝の支度を始める。
「デイビス、ワインをグラスでくれるか。」
「はい。かしこまりました。」
テヒョンが着ていた衣装を腕に取り、一礼をして部屋を後にする。
独りになり窓辺のカーテンを少しだけ開けた。漆黒の秋の夜に点々と街の灯りが浮かんで見える。

いつもなら真っ直ぐチョン伯爵家のある方角を眺めて、何をしているのだろうかと思い巡らせるのだが、今は二人の間に立ちはだかる遥かな空間を思い知らされる。
テヒョンはカーテンを閉めると、ベッドに座った。虚無感なのか何なのだろうか、心が《寂しさ》の核心に触れないように自制しているようだ。
そこに、丁度良くデイビスがワインを持って戻ってきた。

「ありがとう。」
グラスを受け取るとひとくち口にした。喉元を通り過ぎると一気に身体が熱くなった。この日はなぜか酔いが回るのが早い気がした。
「蝋燭の灯を落としてくれ、これを飲んだら寝るよ。」
「かしこまりました。ではお休みなさいませ。」
デイビスが常夜灯以外の蝋燭の灯を落とすと部屋を出た。

グラス1杯でほろ酔いになるとベッドに入る。心がジョングクを恋しがる方へ向き始めていたが、明日目が覚めれば気持ちのリセットが出来る筈だと自分に言い聞かせた。




調印式の朝はよく晴れていた。
起床して早くからテヒョンの支度が始まっていた。

土木工事についての設計立案、設計図、工事計画、現場責任者の選出等は既に大臣からの承認を得ていた。
事前に届けられていた膨大な資料は、その内容に基づいて各々の権利や、相互の領地使用の許容範囲など、両家の顧問弁護士団(事務弁護士達)が調査し、法的根拠の観点から整合性を評価していた。

というわけで、調印式は形式的なものなので式次第には難しい物は何もないのだが、国家事業扱いになった為、それなりに大きな行事として注目を集めていた。
「本日の調印式は、殿下の公爵家ご当主としての、大きなご使命となられますね。」
デイビスが自分の事のように、喜び興奮していた。
「デイビス、お前が興奮してどうするのだ。」
テヒョンが呆れて笑った。

「そう仰られますが、お仕えしているご主人様の晴れの舞台でございますよ!そのお支度に従事できるなど、従僕であれば皆が羨む名誉でございます。」
「しかし、本当の主役はニールであろうな。調印式の後に各所から取材を望まれているからな。」
「その取材に殿下は応じられないのですか?」
「私は当主としてサインをするだけだ。工事についてはニールしか答えられぬだろう。」
テヒョンは笑ってサンドイッチをつまんだ。

「おい紅茶をくれ。喉に詰まりそうだ。」
テヒョンが胸を叩きながら言うので、デイビスは慌ててカップに紅茶を注いだ。
「お待たせ致しました。大丈夫でございますか?」
テヒョンはカップを受け取ると、2口、3口飲んで流し込んだ。
「もう大丈夫だ。急いで食べるものではないな。」
「お気を付け下さいませ。」
テヒョンは少し緊張していた。デイビスがそれに気付いて珍しいなと思った。

テヒョンは公務で沢山のセレモニーに臨席し、また沢山の人々の前に立ってきた。それだけ珍しいことではないのに、調印式を迎えた今朝は何か違う気がした。やはりキム公爵家が関わる事となると、公務とは違った思い入れがあるのかもしれない。
「テヒョン様、馬車のご準備が整ってございます。」
スミスが呼びに来た。
「よし、参るか。」
テヒョンはデイビスと部屋を出た。

調印式にはスミスが同行することになっていて、書類鞄を持ってテヒョンに付いた。
「デイビス、後は任せましたよ。」
「はい、スミス様。殿下行ってらっしゃいませ。」
「うん。」
テヒョンとスミスが馬車に乗ると、すぐに出発した。
この日、宮殿で打ち合わせをしながら朝食を国王と摂ることになっていた。
大公も調印式には同席する事になっていて、後から宮殿に参内する予定だ。

宮殿に到着したテヒョンは、既に到着していたニールとゲインズ、同じく調印式に臨むサンドリア侯爵とその親族から出迎えを受けた。
特にサンドリア侯爵からは、今回の事業が今後の農業の発展に、大いに寄与出来る喜びが隠せない様子で、テヒョンとニールに謝意を惜しまなかった。
それほど今回の用水路工事に期待が掛かっている事がよく分かった。

テヒョンと一同はそのまま国王の執務室に通され、打ち合わせをしながら国王と一緒に朝食を囲んだ。
その後、お茶を飲みながらしばらく談笑をしていると大公が到着した。
そして大公を交えた最終的な打ち合わせをすると、皆が調印式の会場へ移動を始める。
「今日の調印式が終わったら、本格的に工事が始まるな。」
テヒョンが後ろにいるニールに話し掛けた。
「はい。現場の皆も体調を整えて、いつからでも作業が始められるよう、意気揚々としております。」
ニールがにこやかに応えた。
作業員達の士気が上がっているのは、今回の用水路工事に携われる事を誇りに思っている証だ。


会場に到着すると、各大臣達とキム公爵家と、サンドリア侯爵家の顧問弁護士、そして新聞記者達が待っていた。
国王が入室すると会場に居る者達が一斉に一礼をして迎える。テヒョン達は後に続いて入室する。
会場の中央部には、長方形のテーブルが置いてあり、そのテーブルの真中には王家のエンブレムを挟んで、キム公爵家とサンドリア侯爵家のエンブレムが描かれたテーブルフラッグが置かれている。
更にテーブルには金糸の刺繍で飾られた紺色のベルベット地のテーブルクロスが掛けられていた。
整然と並べられた椅子の中央に調印を行う領主である、テヒョンとサンドリア侯爵が座り、両家の顧問弁護士が隣に座る。その後ろには国王を中心に大臣達、大公、スミス、サンドリア侯爵の親族、ニールとゲインズが着席した。

国王が右手を上げて合図を出すと、総務大臣の開会宣言で調印式は始まった。
出席者の紹介がされた後、ニールが用水路工事の必要性を話し、発案から計画立案までの説明を行った。
次に国家事業になったことへの経緯を土地開発に携わる大臣、農村地域に携わる大臣がそれぞれ説明し、総務大臣が今回の土木工事への支援、監査、国民への情報提供を行う旨説明をした。

そしていよいよ協定書に、用水路工事に該当する土地を所領する、テヒョンとサンドリア侯爵のサインが記される。
各大臣が革の表紙で装丁された、其々の協定書を持っている。両家の顧問弁護士に一冊づつ手渡されると、弁護士達はサインをするページを開き、テヒョンとサンドリア侯爵の前に置いた。
皆が見守る中テヒョンは《 Kim Taehyung R.F. 》と書き入れた。弁護士がブロッターで余分なインクを吸い取ると、次の協定書を開いて差し替えた。

合計して三冊の協定書にサインを書き終えると、テヒョンとサンドリア侯爵は席から立ち上がり、先ずはテヒョンから三冊の協定書をサンドリア侯爵へ手渡した。その後サンドリア侯爵からも協定書がテヒョンに渡されると、二人はにこやかに握手を交わした。会場からは拍手が起こる。
これでめでたく協定が結ばれた。いよいよ本格的に着工が始まる。
新聞記者達に工事についての詳細が、総務大臣から説明され、国王から総評がされると閉会宣言で調印式が全て終わった。

調印式が終わった後早々、ニールは新聞記者達から囲まれた。テヒョンはその様子を満足そうに見ながら会場を後にした。
顧問弁護士は協定書を持って先に宮殿に戻っていく。
「では大公子殿下、我々はこのまま失礼致します。」
サンドリア侯爵と親族が挨拶に来た。
「はい、ご苦労でしたね。これからお互いに忙しくなりますがどうぞ宜しく。」
「こちらこそどうぞ宜しくお願い申し上げます。これを機会に是非私どもの当地にもおいで下さいませ。」
「そうですね。一緒に工事現場を見て回りましょう。」
「お待ち申し上げております。」

サンドリア侯爵は深々と頭を下げると、国王と大公の元に挨拶に行き、親族と顧問弁護士と共に帰って行った。
「ゲインズ、ニールはしばらくは開放されそうもないから、我々と待っているといい。」
会場の中で記者達からの質問攻めに、臆することなく堂々と答えているニールを扉の所で見守るように見ていたゲインズにテヒョンは声を掛けた。
「ありがとうございます。」
「テヒョン様、陛下が私室に来るようにと仰せです。」
スミスがテヒョンとゲインズを呼びに来た。

国王の私室に入ると昼食の準備がされていた。
「皆、ご苦労だったな。これでいよいよ念願の工事が始まる。」
国王が安堵したようにテヒョン達を労った。
「ニールがまだ記者達につかまったままだが、先に食事を楽しんでくれ。」
ゲインズが国王の私室に通されてから、ずっと恐縮したままだった。国王がそれに気付くと声を掛ける。
「ゲインズ、明日の新聞の一面は今日の調印式だろうが、ほぼお前の息子のニールへのインタビューが主役になるだろうな。」
「はい!誠に誉れにございます。」

ゲインズの感無量を言い表した言葉に、皆がニールの生い立ちから今日までを思い起こした。
「さぁ、陛下から頂いたこの時を皆で楽しもう。」
大公が声を掛けると食事が始まった。
用水路工事への期待から、キム公爵家の領地プロスペクトニーが注目をされて、観光地のように賑わっている話をしていると、ニールが国王の私室に案内されてきた。
「遅くなりました。」
「待っていたぞニール!早く座って食事にしろ。」

国王に促されて席に着く。
「私のような者が陛下の私室になど、、、本当に宜しいのでしょうか、、、」
調印式より緊張気味のニールに国王は、
「私を愚弄していた勢いはどうした?」
と意地悪な声を掛ける。するとニールは、
「どうぞそれだけはもう仰らないで下さいませ、、、」
と余計に恐縮してしまった。
「陛下も相変わらず意地の悪い、、、」
テヒョンが言うと皆が笑って一気に場が和んだ。

ニールの前にも食事が運ばれて、これで更に食事の場が盛り上がった。
テヒョンは久しぶりに身内だけの和んだ食卓に好ましさを感じていた。
ただ、唯一人だけこの席に同席出来なかった《彼》を思うと、テヒョンの胸が静かに疼くのだった。



※ 画像お借りしました









生きておりますニコニコ

テルマではなく、研修のノルマに泣かされながら🤣🤣とっとと終わらせないやつが悪い


生存確認に来て下さった方々がいらして嬉しいです🙏💦💦
スットコドッコイな奴ゆえご心配おかけして申し訳ないっすホント、ごめんね

3月と9月は登録販売者の継続研修というもののテストの締め切りがあって、いーーーっつもギリギリになって慌てふためくを繰り返す、まったく懲りないアホです爆笑


と、いうわけで、、、


【群青と真紅】の続きも今しばらくお待ち下さいねニコニコ







久々にサンム作りました☺️


夏前までは私の常備菜になってたのですが、何しろ・・・


大根が高い😭❗


大根だけじゃなく野菜が軒並み値上がりしてるよね💦💦猛暑のバカ😡


だけどサンムといえばグクでしょ❗

サムギョプサル用に豚のバラ肉の塊も買ってあるしニコニコ



やっぱりサンム食べたい😆❗❗❗ってことで

大根半分買いました (213円😱)

1本の値段でも高いよ


HARIOの漬物用の容器も新たに買っちゃった🤣

満水容量 800ml 




全部入らなかったので、残った1/3 はジップロックのタッパーを緊急動員❗❗

半日過ぎるまで冷蔵庫へ👍


そうそうニコニコ

このサンムね、辛いものと一緒に食べると辛さが半減するよ


例えば

ヤンニョムチキンビビン麺と普通のビビン麺


私にはどっちも辛いのよ煽り


でもね、サンムで摘んで食べると食べられる😋👍今は敢えて食べないけど🤣

お酢が辛さを緩和させるからかな



前にもサンムの事を記事に書いたと思うんだけど、何にでも合うのでホントオススメです😍冷麺のトッピングにもね