Yoっち☆楽しくグテを綴る♡ -38ページ目

Yoっち☆楽しくグテを綴る♡

テテとグクの Me Myself写真集にインスピレーションを得て【群青と真紅】をブログ内で執筆中です️



前回の物語
物語の続きが始まります✨✨✨


【内輪での祝膳】


暖炉の前で、テヒョンとジョングクはパックスと遊んでいた。今回はパックスがテヒョンの宮殿に初めて《招待》されたのだ。この仔もいずれジョングクと一緒に、王族の仲間入りをすることになる。
「テヒョン様が遊んで下さっていたので、パックスは落ち着いて過ごす事が出来るようになったと、ハンスが申しておりました。」
「僕の方こそパックスに癒されていたんだよ。」
話しながらパックスに手で合図を出すと、座ったりお手をしたり伏せをして見せた。
「いいぞ、パックス。本当にお前は賢いな。」
ジョングクは息の合ったテヒョンとパックスを愛おしそうに眺めていた。

こうして二人はリラックスして一緒の時間を過ごしていたが、数日前までは大変な忙しさだった。
テヒョンとジョングクの婚約発表の後、親類縁者や首相や大臣達からお祝いを受け、各国の大使達からもお祝いの挨拶を受けた。
更には新聞記者達が多数集まって、宮廷での記者会見もあったのだ。
それらの対応で、なかなか二人きりで過ごす事は難しかった。
ここへきてやっと落ち着いて、二人で過ごせる時間が持てたのだが、残りの休暇が半分を切った。

「婚約発表だけでこんなに忙しくなるとはな。」
「でも国民からも祝って貰えて安心致しました。」
「うん、確かに国民から祝福して貰える事は一番の幸せだな、、、」
テヒョンはジョングクに寄り掛かっていたが、その肩に頭を乗せた。ジョングクは背中に腕を回して抱きしめて、髪に優しく唇を当てた。
パックスはそんな仲睦まじい、二人の主人の間に潜り込もうとした。


テヒョンとジョングクの結婚式は、テヒョンが王位継承者である為、国事扱いとなる。したがって結婚式以外にも婚礼に関わる行事等は全て、国の王室担当機関が担うことになっている。
これから結婚式までの準備に国は奔走することになるのだ。
この所暗いニュースばかりが流れていただけに、久しぶりのおめでたいニュースのおかげで、国中が明るい活気に溢れていた。

「殿下、デイビスでこざいます。」
ノックと共に声がした。
「入って良いぞ。」
パックスが扉まで駆けて行く。扉が開くと廊下から、
「まぁ!可愛らしいワンちゃんですこと。」
と聞き慣れた女性の声がした。
「殿下、ジョンソン男爵ご夫妻でございます。」
見ると、トーマスとフランシスが入口に立っていた。
「おお、二人とも久しぶりだな。」
テヒョンとジョングクは同時に立ち上がり扉まで急いだ。

「テヒョン様、ジョングク様、この度はご婚約おめでとうございます。」
夫妻が揃って祝辞を述べる。
「あ〜、、挨拶などよいから。」
フランシスがカーテシーで挨拶しようとするのを止めて、すぐにソファに座るように促した。
「皆が羨むほどの素敵な殿方のお二人に、こうして手を取られるだなんて、とても光栄ですわ。」
トーマスが少しむくれたような顔をした。それに気付いたテヒョンは、
「トーマスがふくれているぞ。」
とフランシスに耳打ちした。するとフランシスはペロッと舌を出して首をすくめた。ジョングクはこの戯けた様子を見て、フランシスは本当にテヒョンとよく似ていると思って心の中で笑った。

貴公子二人に介助されて、フランシスはふぅ~と深く息を吐きながら、ゆっくりソファに座った。
「少し見ないうちに大きくなったな。」
「はい。来年の2月までには生まれてきてくれるはずですわ。」
大きくなったお腹を両手で大事に包み込む姿は、すっかり母親としての貫禄を感じさせる。
「陣痛の痛みを思うと、、今から物凄く緊張致します。」
トーマスが自分の腹を両手で押さえた。
「なんでトーマスが緊張するのだ?出産に挑むのはフランシスではないか。」
言われたトーマスのキョトンとした顔にどっと笑いが起こった。

「トーマスを見ていると、君達がとても幸せな夫婦である事がよく分かるよ。」
トーマスの妊娠を体現しているような可笑しな言葉の中には、身重の妻に対しての敬意と心から寄り添う思いが溢れて見えた。
テヒョンとジョングクは笑い合う二人を見ながらお互いも自然に寄り添った。
フランシスもまた、貴公子二人の寄り添う姿を微笑ましく見ていた。

パックスは人が多いことに喜んではしゃいだ。トーマスをえらく気に入ったようで、おもちゃを次から次へと咥えて持ってきた。
「なんだか、トーマスがパックスに遊ばれているようだな。」
「本当ですね。それに初対面とは思えない懐き方です。」
遊んであげているのか、遊ばれているのか分からない位楽しそうな《二人》だ。
パックスの存在のおかけで、フランシス以外の紳士達は皆、絨毯に座り込んでいた。

「テヒョン様。」
フランシスが静かに呼んだ。テヒョンがフランシスが座るソファまで移動した。
「その体勢で身体は大丈夫か?クッションをもっと重ねる?」
「いいえ、充分快適でございます。」
「そうか、ならよかった。」
フランシスはテヒョンの左手の薬指に光る指輪を見ながら言う。
「私、お二人の婚約発表を耳に致しました瞬間、嬉し泣きをしましたの。」
「え、本当に?」
フランシスは笑顔で頷いた。

「トーマスはお二人のご様子には全く気付いていなかったようで、凄く驚いておりました。」
「そうか、、いや、普通はそうであろう?フランシスの勘が良すぎるのだ。」
「いいえ、お二人共お気持ちがお顔に現れておりましたよ。トーマスが鈍感なだけです。・・・でも、、」
「ん?どうした?」
「彼が鈍感な人でよかったですわ。人様をやたら詮索することも致しませんから。それに夫もお二人のご婚約をとても喜んでおりました。そういう素直で朗らかな所があの人の良い所です。」

「トーマス!夫人からお前の惚気話を聞かされているぞ。」
テヒョンが大きな声で言う。
「ああ、おやめ下さい、テヒョン様!」
フランシスが慌てて止めた。
「よいではないか。夫婦がいつまでも想い人同士でいられるのは良いことだ。
私達もそれを目指したい。な?ジョングク?」
「はい、私にはその自信が充分にございますよ、テヒョン様。」
ジョングクの言葉にテヒョンが嬉しそうに笑った。
「まあ!お二人の方が惚気ていらっしゃいますこと。」
「僕達も負けないようにしなければね?フランシス。」
「こういうのは勝ち負けではありませんのよ。」
フランシスの一言でまた笑いが起きる。


「これはこれは賑やかてございますね。ノックが聞こえませんでしたかな。さぁ皆様お茶をお持ち致しましたよ。」
スミスが部屋に入ってくると、従僕達がアフタヌーンティーの支度を始めた。
「ジョンソン夫人、疲れませんか?」
「いいえ、ちっとも。今日はお二人のお祝いに、どうしてもお伺いしたかったのですもの。」
「テヒョン様、ジョングク様、ジョンソン夫人がお祝いのお菓子を作って持参して下さいましたよ。」

「それはありがたい!フランシスのお菓子は久しぶりだ。」
フランシスはホールケーキを焼いて持って来てくれた。
スポンジケーキの間に、フルーツジャムとクリームがサンドされた伝統的なケーキだ。
「スミスも一緒にお茶にしよう。」
テヒョンが誘った。
「若い方々のお仲間に入っても宜しいので?」
「勿論ですわ。スミスさんはお仲間ですもの。是非ご一緒に。」
スミスはにっこり笑うとフランシスの隣に同席した。

フランシスの美味しいお菓子の効果も相まって、この日のティータイムは、とても和やかなものとなった。
テヒョンとジョングクの婚約と、ジョンソン男爵夫妻の出産を控え、おめでたい雰囲気が幸せ一杯広がっていた。
「スミスさんは、テヒョン様とジョングク様の事は、いつお気付きになられましたの?」
フランシスがスミスに投げ掛けた質問の内容に驚いて、テヒョンがふり向いた。
「お二人の事でございますか?」
スミスはテヒョンとジョングクを交互に見て、
「ハッキリと確証したのは、テヒョン様が事故で落馬をなさった直後の頃でございましょうか・・・」
と言った。

「え?そんなに早い時期にか?」
テヒョンが驚いたように言う。
「はい。ですがお二人共、なかなか進展はなさらなかったと思います。」
「えーー、私など全然気付きませんでしたよ。」
トーマスが残念がった。しかし皆はそれには反応しなかった。テヒョンとジョングクは顔を見合わせる。
「やはりスミスさんもお気付きでしたのね。」
「はい。分かりやすい方々でございますからね。」
「あーーもう勘弁してくれ、恥ずかしいではないか!」

「よいではありませんか、テヒョン様。おめでたい事でございますから、お二人の馴れ初めのお話や、お惚気を聞かせて下さっても少しも恥ずかしくなどございませんよ。」
スミスが真剣な顔で言う。
「私はそれが出来るようなタイプではない事は分かっているだろう?」
テヒョンの言葉を聞いたフランシスとスミスは、顔を見合うと眉を上げて笑った。
恥ずかしくて、どうにも調子が狂っている様子のテヒョンに、ジョングクが優しく微笑むとそっと背中に手を添えた。

「君は恥ずかしくならないの?」
「なぜでございます?あなた様を射止めた自慢が出来る、絶好の機会ですのに。」
テヒョンは目を丸くして、降参したように笑った。
「これはジョングク様の方が、一枚上手でございましたなぁ。」
スミスの言葉にまた笑いが起きた。
テヒョンの私室は久しぶりに明るい笑い声が反響した。
スミスは居合わせる皆の顔をゆっくり眺めていた。ジョングクの遠征でなかなか二人でいる事が難しい中、婚約という一つの形をこのタイミングで取ったことで、テヒョンもジョングクも乗り越える糧ができたのだ。またこうして、信頼のおける友人達から祝福を受けて、心から幸せを感じることの大切さをスミスは確信する。

「ところで、、社交界では当然ながらご婚約のお話で持ちきりなのですけど、、、良家の淑女達が、お二人の妻になる夢を絶たれたショックで寝込んだりなさってる事は、お二人共ご存知でいらっしゃいます?」
フランシスから訊ねられた二人はお互いに『知っていた?』と問い合うように目配せをした。
「噂で耳にはしたが、、大袈裟に言っているだけではないのか?」
テヒョンが怪訝な顔で訊ねた。
「いいえ!物凄い大騒ぎになったのですよ。お二人共に社交界では一二を争う見目麗しい貴公子でございますからね。そのお二人が結ばれたともなれは、望みが全て絶たれたのですもの。」

「年頃の娘を持つ、特に貴族の家ではそれは衝撃だったようですな。」
スミスも話に加わった。
「テヒョン様もジョングク様も世間では一番有名な方々でいらっしゃいますもの。特にテヒョン様は世界中の王室でも注目の的でいらしたと、私の父が申しておりました。」
テヒョンは肩をすくめた。
「なにしろ、結婚自体に関心がなかったからな。世間と私の感覚の差が開き過ぎていたのだ。」
「運命のお相手に巡り会うまでは・・ということですのね。」
フランシスがジョングクに視線を向けてそう言った。

「それも、私がお膳立てをしなければ、この二人はいつまで経っても結婚の《け》の字も出なかったであろうな。」
「父上!」
大公がいつの間にか部屋に入って来ていた。
皆が立ち上がりお辞儀で迎える。
「フランシスはそのままでよい。」
「ありがとうございます、大公殿下。」
大公はよい、よい、というように頷くとテヒョン達のテーブルに座った。そして皆にも座るように手で合図をすると、話を続けた。
「しかし、淑女達の騒ぎも直に静まるだろう。だが言ってみればお前達はあの者達の《争奪戦》を蹴って結ばれたのだから、必ず幸せになり納得させねばならぬぞ。」

大公の言葉にフランシスやスミスやトーマスも同意した。テヒョンとジョングクはお互いを見て頷く。
誰もがこの仲睦まじい二人の幸せを心から願った。
「ところで、この美味しそうな焼き菓子は私の分もあるのか?」
「勿論でございます!是非お召し上がり下さいませ。」
「すぐに紅茶もご用意致します。」
テヒョンの部屋は、大公も加わって更に賑やかになった。


キム公爵家では、夕方になると更にセオドラ卿が加わって小宴会が催された。
宮廷では先立って、公式の宴会があったのだが、こうして気心の知れた身内や友人達との会食は緊張がなく心から楽しむ事が出来る。
また、この日は招待をされたパックスも専用のクッションが用意され、テヒョンとジョングクの足元で食事をする事が許された。
こうして公爵家、伯爵家の両家と友人達との会食は終始笑い声が絶えなかった。


楽しいひと時を過ごした後、ジョンソン夫妻がフランシスの体調を思い、キム公爵家の宮殿を後にする。
馬車留までテヒョンとジョングクがパックスを連れて見送った。
「今日は皆様とご一緒に楽しい時間を過ごすことが出来て、とても光栄でございました。」
「こちらこそ、手作りの焼き菓子まで持って来てくれて、嬉しかったありがとう。少し疲れたのではないか?」
「大丈夫でございます。お腹の子も喜んでいたはずですわ。」
「今度会う時は、出産のお祝いになるのだろうな。」
「その時には、私が真っ先にテヒョン様とチョン大佐にお知らせに参りますから!パックス殿もまた会いましょう。」
トーマスはしゃがみ込んでパックスにも挨拶をすると、クンクンと喜んで手を舐めた。

「知らせを楽しみに待っているぞ。」
テヒョンが言うとトーマスは深々とお辞儀をした。
「あ、その時には慌てずに来るのだぞ。」
「はっ!」
最後にジョングクにも言われると、軍人らしく敬礼をした。
フランシスが会釈で挨拶をすると、トーマスが介助をしながらゆっくり馬車に乗せ、自分も乗り込みフランシスの隣に座った。ジョングクが馬車の扉を閉めてやる。トーマスとフランシスが窓越しにテヒョン達に頭を下げた。そして馬車はゆっくり走り出した。
しばらく見送った後テヒョンとジョングクは宮殿内に戻った。

また食堂に行くと大公とセオドラ卿が、ワインを飲みながら話をしていた。
「良い所に戻ったな。二人ともこちらに来て座りなさい。」
大公が二人を呼ぶと、給仕係がすぐにグラスを2つテヒョンとジョングクの目の前に置いた。そして、ワインを注ぐと一礼をしてその場から離れた。
「今後の話をしよう。その前に改めてお前達二人に祝杯だ。」
大公がグラスを上げると、テヒョンとジョングク、セオドラ卿も乾杯をした。

「お前達の婚姻の儀式は来年になろう。宮廷では、ジョングクの遠征も落ち着いた頃を予定している。その前に、、」
大公は座り直すとテヒョンに向いて続けた。
「お前達の結婚を機に、私は陛下のいらっしゃる宮廷に居を構えることになるだろう。ま、これはお前が誰と婚姻関係を結んでもそうなる事だったのだがな。」
「はい。」
「そしてジョングクは、テヒョンが王位を継承する身分ゆえ、王室に婿入りすることになる。」
「はい。」
ジョングクは背筋を伸ばし返事をした。

「チョン伯爵家の家督はそのまま保ったまま婿入りするのだ。セオドラ卿は嫡男の王室入籍により、同じく王族の扱いとなる。その為新たに爵位が与えられるだろう。」
「息子に爵位を継がせたので、隠居を楽しむつもりでいましたが、、、なかなか休ませては頂けないようですな。」
セオドラ卿の冗談めいたぼやきに皆が笑った。
「テヒョンもジョングクも王族としての責務、公爵家、伯爵家としての責務、ジョングクについては軍人としての責務まであるのだから、今まで以上に多忙になるぞ。」
「はい、心得ております。」

ジョングクはテヒョンと婚姻を結び婿入りすると《殿下》の称号が与えられる。
また、貴族なので今まで公人として見られていたのだが、王族ともなれば公人の中の公人になるのだ。これからはその一挙手一投足が《常に視られる》立場になる。
「臆するな、今まで通りの君でよいのだ。」
王族への心構えに神妙な表情をしているジョングクに、テヒョンはそっと話し掛けた。
「それと、二人の婚礼衣装について、世界中のデザイナーが宮廷に候補に申し出ているそうだ。陛下も婚礼に携わる担当者もお前達二人が決めればよいという事になっているようだぞ。」

「もうそんな話になっているのですね。」
「何を申すか、一年などあっという間だぞ。しかし、衣装の採寸が済んだら体形を維持せねばな。」
大公はそう言って笑った。
「まったく、父上は変な心配をなさいますな。」
「大事な事だぞ。衣装が合わなくなれば、幸せ太りと揶揄されかねないからな。」
「それでしたら、ジョングクの方が心配です。軍隊生活で筋肉がどんどん着いてきていますから。来年はどうなっているか、、、」

「そうか、、ジョングクの細かい身体の変化は、お前にしか分からぬものな?テヒョン。」
大公がニヤリと笑う。テヒョンはその意味に気付いて顔を紅くした。
ジョングクの事になると、ついつい発言する内容がひやかされる材料になった。
そんな恥ずかしさを取り繕うとするテヒョンが、本当に可愛くて仕方がないと思うジョングクだった。
「では、私の身体の隅々をしっかり見て頂かないといけませんね。」
テヒョンは照れ隠しに、ジョングクの肩をバシッと強目に叩いた。


【忘却のヴァンティーダ】


テヒョンとジョングクが先に食堂を出ると、大公とセオドラ卿がまだ話し込んでいた。
「テヒョンはジョングクの前では、あのように恥じらいを見せるので驚いた。」
「ジョングクにしても同じでございます。表情に全てが滲み出ているので分かりやすいのです。」
二人の父親は嬉しそうに笑った。
「しかし、ヨーロッパで拡がりつつある戦闘が気になりますな、、、」
セオドラ卿が静かに言った。
「王位継承権の略奪陰謀に潜むものが何なのか、未だ解明がされておらぬ。」
「早急に洗い出す必要がございますな。」
「このままだと、我が国に連合軍としての出兵要請が出るかも知れぬぞ。」
大公とセオドラ卿は口には出さなかったが、戦況次第では、いや、この度のP国王位継承権略奪を図った背景によっては、ジョングク率いる特殊部隊が出動する可能性がある。
大公もセオドラ卿も最終手段に着手する前に鎮圧する事を願った。


テヒョンとジョングクはテヒョンの私室で、就寝の準備を済ませて寛いていた。
「悪いな、ゆっくりさせてやれずホットココアまで頼んで。」
「いいえ、あなた様の喜ばれるお顔が見たい、、、という、私の欲求もあるのでよいのですよ。」
ふふふと幸せな笑みで見つめ合う二人をホットココアの甘い香りが包み込む。
「厨房でシェフからスコーンを頂きました。」
ナプキンの上に出されたスコーンは、まだ温かく湯気が立った。
「このままだと、僕達は確実に太るな。」
「では、太ってから衣装の採寸をするべきでしょうか。」
「お、いいアイデアだな。」
二人は笑いながらスコーンを頬張ると、ホットココアを一口飲んだ。



そろそろジョングクの休暇が終わろうとしていた。
パックスと共に殆どテヒョンの宮殿で過ごしたジョングクは、自分の屋敷に戻る為、テヒョンの部屋での最後の朝を迎える。
二人の間に横たわって寝ていたパックスが、一番乗りで目を覚ました。テヒョンとジョングクの顔を交互に舐める。
「う・・・ん、分かった、分かったよ。」
ゆっくりと上体を起こし、ベッドを出ようとしたテヒョンの腕をジョングクが自分の方へ引っ張った。

「なんだ、、起きてたの?」
引っ張られるままジョングクの胸の上に胸を重ねた。お互いの素肌が温かく、心地よくて起きるのが躊躇われる。
「もうしばらく、こうしてあなた様の温もりの中にいたい、、、」
普段なら絆(ほだ)されてしまう甘い言葉になるのだが、遠征地のスコットランドに戻る前の大切なひと時だ。また暫く離れ離れになる二人には貴重な触れ合いだった。
言葉を交わすわけでもない。
ただお互いの温もりの中で息づかいや脈打つ胸の音を聞き、そして懐かしい香りに包まれるだけでこの上なく幸せだった。

自然と二人の唇が重なる。パックスは諦めてベッドから降りた。そして暖炉の前に置いてあるクッションに落ち着いた。 
テヒョンとジョングクの甘い息づかいが部屋の中に満ちていく。
カーテンの隙間から真っ直ぐ差し込んでくる朝陽は、まだしばらく開放されるのを待たされることになった。


こうして名残惜しい二人の時は過ぎて、
ジョングクはパックスと一緒に、伯爵家に帰って行った。

「父上、ただ今戻りました。」
「良い所へ戻った。少し気になる情報が入って来たのだ。国王陛下のお耳に入れる前に、お前に話しておきたい。」
セオドラ卿はそう言ってジョングクを座らせた。
「私の父が特殊部隊を率いて《ヴァンティエスト》として戦地で戦った事は知っているな?」
「はい。お祖父様が反乱を起こしたガヴェレナ系ヴァンティーダの長を幽閉までに追い込み、その力を封印させたお話でございますね。」
セオドラ卿は深く頷き一息間を置いて、ジョングクの目を真っ直ぐに見つめるとこう話した。

「幽閉されていた長は既に亡くなっているのだが、その一族を郭まっていた者がよからぬ画策を企てておるようなのだ。」
「それは、どういう事なのですか?」
「一族の処刑は、たとえ超霊力を持っているとはいえ、戦争法規に反するとなった。だから皆生かされたのだ。」
「それがまずいことになっているのでしょうか、、、」
「いや、詳細は査察隊がまだ追っている最中だ。だか、ヴァンティーダの超霊力は血清で抜いてあるので、例え子孫を作っても悪用は出来なくなっている。」
ジョングクはじっと父親の目を見据えていた。

「ただ、、、」
セオドラ卿はそこまで言って、言葉を止めた。
「父上、まだ何かあるのですね。」
「これは私の憶測に過ぎぬが、血清で超霊力を抜かれても、再び正当なヴァンティーダの血を体内に入れれば覚醒する。それを狙っている可能性がある。」
「まさか、そんな。」
「ただし、ヴァンティーダであれば誰でもよいわけではない。」
「誰の血であればよいのですか?」

「正当なヴァンティーダの血筋を受け継いでいるアイゼナ系は、我々チョン家と、イタリアのソレンティーノ家になる。その中の覚醒しているヴァンティーダの血液であれば、誰のものでも可能だ。」
ジョングクは静かに聞き入っていた。
「ただ、もっとも有力なのが、《普通の人間の血液》を半分受け継いでいるヴァンティーダの血液だと言われている。」
「え?」
ジョングクはドキッとして思わず拳を握った。その様子に気付いたセオドラ卿は、その拳に手をかけた。

「ただ、その血液を合わせ持ったヴァンティーダは今までには一人もいないし、ましてや仮説としてあるだけで、立証はされていないのだ。」
「・・・父上、ですが、、、」
「うん。お前が今思うことは分かっておる。その前にP国の王位継承権を巡って暴動が始まった事と、今回のガヴェレナ系の一件が裏で繋がっているのではないかと私は睨んでいる。」
「それが本当だとしたら、、大事になります!」
「我々側も慎重に動かねばならん。」
「父上、先程仰っていた仮説ですが、今可能性があるとしたらテヒョン様という事になります。テヒョン様の生い立ちを知っているのは我々だけでございますか?」

「チョン家、ソレンティーノ家と王族の方々だけの極秘事項となっておる。
しかし、、それでも完璧とは言えまい。人の口に戸は建てられぬし、噂が出れば尾ひれが付いて広がる。それに、ヴァンティーダが王室と縁組をすることで、向こうも探りを入れてくるだろう。」
セオドラ卿の話を聞いていたジョングクは、この先テヒョンに危害が及ぶことだけは、絶対にあってはならないと心の中で念じた。
「まだ案ずるな、テヒョン様は覚醒をされてはいらっしゃらない。」
そうだった。それだけがまだ救いだった。

「ジョングク、もしもこの度の事件にガヴェレナのヴァンティーダが関わっていたならば、特殊部隊としてお前が出動せねばならなくなる。その覚悟だけはしておくのだぞ。」
「はい、父上。」
きな臭い話が真実味を帯びて、もうすぐ目の前で起こりそうな気配にジョングクの眼光は揺らぎ始めた。



ー 第1話 【終】ー






いつも群青真紅をご愛読下さり
ありがとうございます

2022年12月8日から連載を続けて参りました物語も、沢山の方々に愛され❤️可愛がって頂きまして💙間もなく2年目に突入致します🎉


本当〜にありがとう✨😭✨

スマホと長時間向き合い、かすみ目になりながらもコツコツ打ち込んで
もう2年かぁ・・・入隊してたら既に転役している位の時間の経過なのかぁ
とか思いながら感慨にふけっております



そして、いよいよ



次回の投稿をもちまして、群青真紅

79章
第1話
最終章
となります
※ 来週中にはアップする予定でおります
そんな大文字でお伝えするまでもありませんが😅💦


さあ・・・

2話に入ってくわけでございますが


まぁ〜〜辛い😭😭😭
辛すぎる💦💦💦
私はスコーンと映像で降りてきたものを文字に起こしているわけですが
作者の私が涙を堪えるのが一苦労


【試練】と【決断】


その連続になるかもしれません
大公子テヒョン伯爵ジョングクがどのようにして時代の波を乗り越えていくのか、、実は作者の私も分からない キョロキョロえっハッ

と、とにかく💦皆様と共に見守っていきたい👍



本当はね、しれっと(言い方💦)79章を投稿して、最後の結びに
【第1話〜終〜】としようかと思ったのですが

いきなりはダメやろ〜〜真顔皆こんな顔になるよね

と、思って79章の前にこうしてお知らせを挟ませて頂きました

ファンミもね、第1話が終わった後でやると、タイミング的にいいかな〜と思って投げ掛けてみたのてへぺろ





ここまで長く描き続けられたのは
他でもない、テテとグクのおかげ✨
そしてご愛読下さる皆様の愛のおかげでございます😭😭😭
心から感謝致します🩷🙏🩷

そして引き続き2話も是非ご期待下さいませ❗❗

2024年11月9日


※ 画像は V 、Jungkook それぞれの
Me Myself 写真集よりお借りし、加工致しました








今日、同じ会社のグテペンチングから

おばんざいおててっていう名前のテテペンさんがやってる

居酒屋があると教えてもらいましたラブ



https://ichigaya.keizai.biz/headline/3682/


新大久保のボラカフェとか
バンタンオンリーのお店はあるけど
テテペンさんが店主ってのがいい👍

群青真紅の読者さん達とここで
キム公爵 &チョン伯爵のファンミ出来たらいいかしら✨😍✨❓
なんて、ちょっと思ったのよね😋

これから本格的にストーリーが大きく動くので、ちょっとね、、書いてる私のメンタルがシンドいの😂💦💦←独りじゃコワイ

読者さん達に今までの物語について、直接の感想も聞いてみたいし←いや、ドキドキ💓するけど好奇心が先(笑)

は〜い❤️やりたい🖐️って方が、一人でもいらっしゃれば


やってみる❓