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Yoっち☆楽しくグテを綴る♡

テテとグクの Me Myself写真集にインスピレーションを得て【群青と真紅】をブログ内で執筆中です️

今日、明日と錦糸町で開催の

BlueBunnyさんのグクの展示会に行ってきました😊💜


明日行く予定の方、ネタバレ⚠️です



今回このマスターさんの展示会は初めてでした😊



まず会場の雰囲気



チケット特典

⬆️の写真にはないけど、ボトルもありましたよ (紅茶 or ジャスミンティー)
私はジャスミンティー頂きました
このボトル、展示会に行く度に頂くので、家に数個ありますよ(笑)

これはラキドロの景品と販売グッズの一部




これ、一番好きなグクでした😍💕

このグクもラブ飛び出すハート


パッと見テテに見えるグクです
他のアミさん達も言ってました
これが一番似てたなチュー



そして

グクの代名詞

💖キュルキュル💖



色々撮ってはきましたが、私のお気に入りの写真をアップさせて頂きました😊


ちょっと待ったぁーーーー🖐️❗❗
追記
ラキドロやった結果載せるの忘れてた💦

3回やって(300円✕3)
左から3等、4等、5等でした🎯
キーリング、ポストカードセット、ボールペン
ここまでが追記でございました🙇

12月にはSorteニムのテテの展示会があるみたいですねお願い
残念ながら私は申し込みに間に合わなかったので泣

行かれる方、レポートお待ちしております🙏


そうそう
展示会に行く前に新大久保へ寄ったのね
大好きなソトクソトクを食べたくて
ジョンノ屋台村新大久保駅前店へ行きました爆笑飛び出すハート

今回初めて
チーズソトクソトクに挑戦💨
めちゃくちゃ美味しいんだけど
チーズが伸びる伸びる💦💦
チーズを途中で、歯で噛み切らないと
全部びろ〜んて付いてくるわけ😱❗❗

またさ、寒いから固まるのも早い🤣
一人格闘してました(笑)www

食べ終わったらさっさと移動して
(土曜日だからめちゃ混みよ😅)
歩いて新宿駅に向かいました
ドングラミさんでボール型チュロスは食べたけどね

てなわけで

次回は
群青真紅でお会い致しましょう✨✨✨



お待たせ致しました😊

久しぶりに時間が掛かりました💦💦

すっかり寒さがやってきていますが、皆さんお元気ですか❓
インフルやコロナがジワジワ流行り出しています😱
気を付けて下さいね

巷ではグクがパリ🇫🇷にいるとか、いや、韓国にいるはずだとか。。。
情報が錯綜しておりますが

とにかくテテもグクも元気でいてくれたら、私は二人がどこにいてもいいと思ってます💜💙❤️

グクのインスタの時間が 6:21 で
テテのWラの時間が 18:21 (6:21)で

ひっくり返せば126ってことで
グテペン界隈が湧いてたのが楽しかったな😍


さて、前置きはこの辺で、、、



前回の物語

物語の続きが始まります✨✨✨



【審議会前夜】

新しい年を迎え、ジョングクの審議会目前となったある日、キム公爵家にソレンティーノ伯爵とアンジェロが、新年の挨拶にテヒョンを訪ねてやってきた。
「お久しぶりですテヒョン様、お元気でいらっしゃいましたか?」
アンジェロは、ジョングクの療養以来の再会に、テヒョンを慈しむように抱擁した。
「審議会の準備で忙しい中、よく来てくれました」
「今日はジョングクがこちらに居ないというので、狙ってご挨拶に来ましたよ。お二人が一緒じゃない日もあるのですね」
アンジェロが誂ったので、テヒョンは笑いながら肩を叩いて、二人をソファに案内した。

「失礼致します。お茶をお持ち致しました」
丁度デイビスが茶器を運んできて、お茶の準備を始めた。
「伯父上もアンジェも、年を跨いでのお越しで、大変でしたね」
「いや、もう審議会が開かれるのは承知しておりましたし、軍務を司る家ですから、新年の休暇がなくなるのは、私もアンジェロも心得ていますよ」
「あいつはもうすっかり、元の身体に戻っているのですか?」
ジョングクが車椅子に座っている姿のまま、母国に帰ったアンジェロは、今の状況が気になっていた。

「ええ。普通に歩いて走れますし、馬にも乗ってすこぶる元気ですよ」
「そうですか、良かった。審議が終わるまでは、顔も見れませんから心配で」
「分かります。ジョングクも審議会が終わった後、アンジェに再会する事を楽しみにしているようです」
デイビスがティーカップをそれぞれ配り終わると、静かに部屋を出た。
それを見計らって、アンジェロが切り出す。

「叔父上から聞いたのですが、ジョンが血清を受けたいと、国王に申し出たと言うのは本当ですか?」
「ええ。フランスからの帰国の途中で、ジョングクから打ち明けてきました」
「テヒョン様も同様に、血清を受けられるとか」
「私は最初から彼への棒血が終わったら、血清を受けるつもりでした」
「そうですか、、、一旦陛下預かりになっているということですが、チョン家はヴァンティーダの総本家。その長が血清を受けるとなると、個人の問題だけで処理する事は、難しいですな」
ソレンティーノ伯爵が飲んでいたティーカップをソーサーに戻した。
「テヒョン様はジョンから理由は聞いているのですか?」

「彼は、自分の中に《悪魔》を見付けてしまったと____ 」
「悪魔?」
「ジョングクはアルテミエフの首に歯を刺、食いちぎったと話していました」
「その事をあいつは、テヒョン様に話したのですね」
「ええ。残酷な内容で驚きましたが、いずれにしてもジョングクの血清については、陛下がどうご判断なさるのか、それを待つしかありません」
「確かに」
「逆にアンジェに詳しく教えて頂きたい。戦場でのジョングクの様子を」
アンジェロがソレンティーノ伯爵の方を見た。伯爵は黙って頷く。
「アルテミエフに何をしたのかは、お聞きになっているのだから、処刑に至るまでの詳細を話して差し上げろ」

そこでジョングクの何を見たのか、アンジェロは起きた事をありのまま、言葉を濁すことなく話した。
「ジョングクは片手でアルテミエフの首を掴むと、そのまま持ち上げ締めつけました」
部屋の空気が一気に張り詰める。
「アルテミエフも身体が大きい男です。その者を片手だけで持ち上げながら首を締め付けるなど、尋常な力ではありません」
首に噛みつき食いちぎる前に、そのような事があった事を知り、ジョングクの凄まじいアルテミエフへの怒りを感じた。容赦なく続いた攻撃の話に、テヒョンはそれでも動じる事なく、言葉を聞き逃さないように集中して聞いていた。

「アンジェは、それを目の当たりにしたのですね」
微動だにすることなく、落ち着きを保った言葉で訊かれて、アンジェロもソレンティーノ伯爵も少し驚いた。
「はい、目の前で見ておりました」
「フランスで療養中、ジョングクは夜にその悪夢を何度も見たようです」
「あれは、、、あの姿には正直私も恐怖を感じました。ジョンの姿とは到底思えない恐ろしさでしたから、本人が悪夢に苛まれるのは、仕方がなかったでしょう」
ジョングクは敵だけではなく、自分の中にいる《悪魔》とも戦わなければならなかったのだと思うと、胸がぎゅっと締め付けられる思いがした。

「あの時、ジョンソン大尉が居合わせなかったのが幸いでした。彼はアルテミエフから解放された皇太子をジョンに言われて、部屋の外へ連れ出しておりましたから」
いくら軍人として訓練を受けているとはいえ、ニュウマリー族である彼が、あのジョングクの姿を見たなら、恐怖心を拭えなくなってしまっただろう。

「テヒョン様、もう一つお話することがございます。___アンジェロ、あの事をお話しして差し上げろ」
「はい。実はアルテミエフは、テヒョン様がヴァンティーダの血を受け継いでいる事を知っていました」
「本当ですか、、、?」
「ジョンはあの者がテヒョン様を利用して、良からぬ事を企てていた事を知り、それで豹変しました」
「ああ・・では私の存在が、ジョングクの中に潜む悪魔を起こしてしまったのではありませんか!」
テヒョンは愕然とした。

「いえ、そうではありませんよ!」
アンジェロは動揺しているテヒョンに、どう説明したらよいのか分からず焦り、ソレンティーノ伯爵に助けを求めた。
「息子の説明が足りずに申し訳ありません」
「いえ、、、しかし、発端は私ではありませんか!」
ジョングクの悪魔のような所業が、自分のせいだと思ったテヒョンは、かなり混乱した。
「どうか落ち着いて聞いて下さい。我々ヴァンティーダは、ジョングクが言う悪魔のような、残酷な気性を併せ持っております。しかし、通常はコントロール出来るのです」

「では、、、ではジョングクがコントロール出来なかったのは何故ですか?」
ソレンティーノ伯爵は席を立つと、テヒョンの目の前にしゃがんだ。
「それは、ジョングクが《素直で純粋》過ぎる気性だからでしょう」
伯爵が言わんとしている事が、釈然としないテヒョンだった。
「素直で純粋というのは、良い方向だけでなく、危険な方向にも作用してしまうということです」
アンジェロも席を立つと、テヒョンの横に来て続いて話す。

「ジョンは貴方様を守りたい一心でした。アルテミエフが犯してきた悪事を思えば、絶対に生かしておいてはいけないと必死だったはずです。だから貴方様が原因などではありません。あいつが優しさと残酷さとは、対であると気付くべきなのです。それが自身のコントロールの基本概念ですから」
「テヒョン様はご存知ですかな。子どもの頃にジョングクが、仲間を殴ってえらく怪我をさせた事がありました」
「はい。セオドラ卿から伺いました。聖歌隊に居た頃のお話ですね」
「では事情も知っていらっしゃいますね。あの時のジョングクと同じでございますよ」

「あいつにとって自分の事より、大切にしている人を傷付けられる事は、何よりも許せない事なのです」
「自分の中に凶暴性がある事を今回の戦争で、いやというほど突きつけられ、苦しんだのでしょうな」
テヒョンは両手で髪をかき上げ、落ち着きを取り戻そうとした。ソレンティーノ伯爵は立ち上がると、テヒョンの肩に手を置いて、
「覚醒している今の貴方様の中にも、荒ぶる魔性がいらっしゃるのですよ」
と言った。その時テヒョンはニールの首に刃を突きながら、激昂した時の事を思い出した。
「もしかしたら、私はその魔性というものを覚醒前に出していたかもしれません」

「まさか、そんな事がおありだったのですか?では覚醒の有無は関係ないという事か」
ソレンティーノ伯爵とアンジェロは顔を見合わせた。
「後にも先にも周りの者達を驚かすほど激昂したのは、その時だけだったのですが、、自制出来たのはニュウマリーの血があったからなのでしょうか?」
「いや、分かりません。しかし興味深いお話ではありますな」
「相手を殺めず、少量の血を流すだけで済みました」
「えっ、、、少量の血は流されたのですか?」
アンジェロがギョッとして言った。

「ええ。剣先を喉元に突き当て、強く押しましたので」
「これは__殺められるよりも恐ろしい所業かもしれませんな」
ソレンティーノ伯爵は笑い出した。
「その者はその後どうなったのです?」
「元々能力がある者ですから、我が領地の土木責任者として、今大きな事業に携わっております」
「なんと懐の大きい!」
二人はテヒョンの寛大さに、驚きを隠せなかった。
「ジョングクはそのような貴方様のそばにいられたら、きっと自身の魔性のコントロールも出来るようになるでしょう」

伯父の言葉にようやく心が落ち着いた。
しかしテヒョンは懸念を感じていた。
先程聞いた自身の出生について、アルテミエフが知っていたということだ。
何処でどう漏れたのかが気になったのだ。
「テヒョン様の出生の秘密をアルテミエフが知り得ていた事が、気になっていらっしゃいますか?」
テヒョンが黙り込んだので、アンジェロが察して言った。
「ええ。最高機密事項と聞いているだけに、それが漏れたとなれば、国家運営の危機や国際問題に発展しかねません」
「はい。既に陛下は調査を始められたと仰っておりました。大公殿下のお耳にも入っております」

戦争の後処理が、多岐にわたることになっている現状に、テヒョンは憤りというか、やるせなさのようなものを感じた。
「良いお顔をなさっていらっしゃる」
ソレンティーノ伯爵は、1点を見つめ苦悩の表情を浮かべるテヒョンに言った。
「実は父も私もジョングクの審議会の事で、テヒョン様が気をもんでいらっしゃるのではないかと思っていたのです」
アンジェロが紅茶のお替りを入れて、テヒョンにカップを手渡しながら言った。
「どうやら我々の思い過ごしだったようですな。貴方様は既に腹を据えていらっしゃる」

「大切な人が命を落とすかもしれないという、私にとっては自分の死よりも恐ろしい状況を経験しました。あの苦しみよりも心が痛むことなど、今の私にはないのですよ」
テヒョンは、柔らかい笑みを浮かべながらそう語った。
「そういえば、大公子として今回のジョンの審議について、声明を出されていらっしゃいましたね」
「確かに。もうそこにテヒョン様の意思がはっきりあらわれておりましたな」

審議会にかけられるジョングクについて、色々と議論が繰り広げられ動揺する国民に向け、テヒョンが出した声明はこういった内容だった。

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これは連合軍、第三陣野戦部隊の指揮官であるチョン大佐の審議について、
英国国民に対し、大公子の意見を表明する公式声明である。

チョン大佐に対して行われる審議会は、あくまでも秩序を念頭に、彼の取った行動について、指揮官として問われるものであると捉えています。
混乱をきたす戦場だからこそ、規律を守る事は重要であり、無駄に命を落とさない為のものです。
チョン大佐は全て承知しており、審議を受ける事についても当然の事であると、自身の言葉で表明しています。
私は彼のその姿勢に賛同し見守る立場を取っています。
そして私は側近であり、婚約者である彼の今般の戦争での功績は、当然讃えられるものであるという事も最後に申し上げます。

キム・テヒョン

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「正義とは移ろうものです。戦勝した側がかざす正義も、時の経過と共にその時代の価値観で検証し直されるでしょう」
「そうでしょうなぁ。絶対的な正義などありませんから」
「勿論、アルテミエフの犯した罪は、人道的に許されるものでは決してありませんが、この先、あいつの思想を受け継ぐ者が出ないとは言えません。それがその者にとっての正義でしょうから」
「何事にも、俯瞰で物事を見ることを忘れない事です。特に我々王室側にいる者は」
テヒョンは自らにも諭すように語った。


【審議会】


ジョングクの審議会は、宮殿の近く官庁が立ち並ぶ中にある、軍総務庁の中の大会議室で行われた。
そこはテヒョンが以前、大公と共にジョングクの騎馬連隊の訓練を見学に行った、陸軍近衛師団の庁舎の隣の建物だった。
審議会自体は事情聴取のような形ではなく、報告会のような形式で聴取をし、問題となった事項について審議する形式で行われた。出席者は関係者だけを召集し非公開だった。
英国軍最高司令官である国王が、直接ジョングクと向かい合って審議が行われた。勿論、陸軍元帥もヴァンティエスト側の最高責任者である、セオドラ卿も同席している。
テヒョンは国王の後ろに設けられた傍聴席で、大公と共に見守っていた。
ジョングクはチラリとテヒョンの方へ向くと、二人は目が合ってお互い静かに頷いた。

裁判ではない為、会の進行はゆったりと進んだ。
審議の要はチョン大佐が単独で、罪人であるアルテミエフに攻撃を仕掛けた事だった。この件については、証人として召喚されたアンジェロ、トーマス、現場に居合わせたヴァンティエストから証言がされた。

指揮官の身に万が一の事が起きた時、統率が取れたかどうかについては、ジョングクが突撃をする際、後のことをアンジェロに一任した事が証言された。
人質の安全については、突撃直後に真っ先に保護がされたことと、その場から離すようトーマスに指示をした事が証言された。
また、同調圧力については、そもそも大佐が単独で突撃し、罪人の息の根を止めたのであって、逆に部下達は大佐の突撃を制止した事が証言で明らかになった。その為そのような圧力は無かったと判断された。

但し、大佐自身の身の安全を考慮することなく、単独で行動した事には軍法に抵触するとされた。
しかし、本人がその事を承知していることから、軍法上これ以上の処罰は無しとした。
それでもお咎め無しには出来ないという事由で、血清によってヴァンティーダとしての力を弱める処置を受けるよう命ぜられた。
会場にどよめきが起きた。特にヴァンティエスト達は衝撃を隠せない様子だった。

「ヴァンティーダが持つ激情が、今回の単独行動に走らせたと見れば、それをコントロール出来なかった責任は重い。
チョン大佐、何か申したいことはあるか?」
国王は静かに訊ねた。
「いいえ、何も申し上げる事はございません」
ジョングクは少し笑みを浮かべながら、国王を見ると深々と頭を下げた。

傍聴していたテヒョンは、罰として血清を受けるように命じた国王の機転に、感服した。
国王は最後にジョングクに語りかける。
「結果的には申し分ない、素晴らしい働きであった。軍法に抵触する恐れを知っていながら、命懸けの任務を遂行したのだ。よくやってくれた」
連合軍及びヴァンティエストの犠牲者を最小限に抑え、アルテミエフの処刑を遂行した功績を公式に認めた。
ここで会場から拍手が起こった。
こうして審議会は滞りなく審議が終わり閉会した。

「ジョングク!!」
閉会の後テヒョンはすぐにジョングクの元に駆けた。
「テヒョン様」
二人は肩を抱き合った。
「終わったな」
「はい。私の戦争がこれでやっと終わりました」
「うん、そうだな」
テヒョンは肩を叩いて労った。
「ジョン!!」
二人の背後から声が掛かる。
「アンジェ兄さん!!」
振り向くと証人席からアンジェロが走ってきて、ジョングクと握手を交わした。

「すっかり元気を取り戻したな」
「はい」
ジョングクの力強い姿に、アンジェロの瞳が潤んだ。
「まったく、お前のせいでやきもきしたわ」
「すみません。色々と___ 」
「いや、いいんだ。ただちょっと意地悪を言ってやりたかっただけだ」
アンジェロはそう言って、拳をジョングクの肩にコツンと当てた。いつもの《兄貴》らしさにジョングクの目尻がほぐれた。

「本当に二人ともご苦労さまでした。ところでアンジェは、この後予定はありますか?」
「いえ、今日の審議会の書類に証人のサイン入れをしたら自由の身です」
「では、忍びで打ち上げをしたいので、一緒について来てくれますか?」
「いいですね〜〜。お二人の邪魔にならなければ是非」
「おい、それに私も加えろ」
「父上!」
大公がテヒョンとジョングクの肩越しに顔を覗かせてきた。
「父上、忍びですから無礼講ですよ」
「勿論、かまわん。行き先も分かっておるぞ」
そう言ってテヒョンにウィンクをしてみせた。

「では四人で行きましょう。では後ほど宮殿の王族専用の馬車寄せで」
ジョングクとアンジェロは、署名をする為に会場に残った。テヒョンと大公は会場を出ると宮殿まで馬車で移動し、国王の執務室に向かう。
「これで一段落だな。ある程度ジョングクの肩の荷も下りるだろう」
「戦争というものが、いかに罪深いものであるのか、改めて考えさせられました」
「そうだな。誰一人として傷付かないという事はないからな」
「それも殆ど傷付くのは国民です」
「今回のように暴動を起こし、暴力で力を尊びとしたアルテミエフの下劣な思想は、今後再び起こしてはならん」
「そうですね、、、」

執務室に入ると国王が最後の書類に、丁度サインを入れた後だった。
「ようやく終わったな」
侍従長に筆記用具を渡しながら、身を乗り出すと、
「テヒョン、私の裁定はどうであった?」
と訊いてきた。
「陛下のご英断には、感激いたしました」
「本当にそう思っているか?」
「ははは、、何をお疑いになっていらっしゃるのですか」
テヒョンが、国王の目を覗き込むようにして訊いた。
「私は陛下のご裁定は、良い抑止力になったと真っ先に思いましたよ」
大公が率直に述べた。

「私も父上と同じです。ヴァンティエスト達は皆、度肝を抜かれ動揺を隠せない様子でしたが」
「そうだな。あれだけジョングクが身体を張って任務を遂行したとしても、違反があれば、厳しく処罰されるという印象を与えただろうからな」
「叔父上の仰る通りです。手柄は手柄として讃えられ、罰を受ける所はジョングクが毅然として、責任を取る意思を示したのも大事な事でした」
「その形へと持っていかれた陛下に、私は改めてご尊敬の念を抱きました」
「あいつのパートナーであるテヒョンが、そう言うのであれば良かったということだな」
国王は満面の笑みで応えた。

「しかし、私も全ての罰が抑止力になるとは思ってはいない」
「価値観が色々ありますれば、仕方がありません」
「うん。だが各々の思想が人々の暮らしや命を脅かすようであれば、徹底的に治安を守らねばならぬ」
「単純な事でありながら、なかなか難しい課題でございますな」
大公の言葉に国王もテヒョンも、平和の真の意味を改めて考えた。


「改めまして、陛下。審議会でのジョングクへの計らいに御礼申し上げます」
「ハハハ、もうお前達はすっかり《フウフ》であるのだな」
テヒョンはニッコリ笑う。
「血を分けた相手でございますから、世間の夫婦よりも強く結ばれたと思っております」
言葉と共に、心の底から沸き上がるその深い笑顔には、試練に打ち勝った者の強さが光となって放たれていて、国王と大公は引き込まれた。


テヒョンと大公は、国王の執務室を出ると馬車寄せに向かった。
「デニスの店に行くのだろう?」
「はい。実は前もって貸し切りで予約をしております」
「そうだったのか。まぁジョングクは時の人になっておるから、お忍びであるなら貸し切りは賢明だな」
「流石父上、よくお分かりで」
「《お忍び》は一番得意分野であるからな」
テヒョンと大公の笑い声が廊下に響いた。
そうしている間に馬車寄せに到着した。

「楽しそうでございますね」
ジョングクとアンジェロが先に馬車寄せに着いていて、テヒョンと大公を待っていた。
「父上にはいつも笑わされるのだ」
「もうよい、もうよい、さ出発しよう」
大公が早く出掛けるよう促した。
用意されていた馬車は、民間の一般的なものだった。しかし、御者は近衛連隊の兵士が任され、後ろにも馬丁に扮した兵士二人が立った。
「これは面白い」
アンジェロが楽しそうに馬車を見回した。

「さぁ父上お乗り下さい」
大公は先に馬車に乗り込むと、楽しそうに、
「いいではないか!まさしく《お忍び》だな」
とニコニコして言った。そしてテヒョン達も乗り込んで、馬車は出発した。
「ジョングク、疲れていないか?」
審議会を終えたばかりの彼を気遣い、隣に座るテヒョンが声を掛ける。
「いいえ。清々しい気分ですよ」
にっこり笑って応えた。
「さて、どこに連れて行ってもらえるのでしょうか」

アンジェロが言うと、テヒョンとジョングクは見合って笑い、大公は窓枠に腕を掛けて、外の景色を見ながらほくそ笑んだ。
久しぶりに《自由》を満喫する為に、四人はそれぞれ車輪の音に思いを乗せ、楽しみに出掛けて行った。



つづく________