群青と真紅㊵【真冬の朝】 | Yoっち☆楽しくグテを綴る♡

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アラフィフの生活や周辺で起きたことを書いています☆
そしてときどき
終活のガイドをさせていただきます

現在、BTSの底なし沼にハマり浸かっております
ガチガチのグテペンです
現在、テヒョンとジョングクをモデルに小説を執筆中☆

グクの SEVEN 熱に、ここの所の猛暑で
🔥燃え萌え💕な毎日をお過ごしのことと思います😊
色んな意味でグテ見え隠れ・・・
熱くならないわけがありませんよね


物語の二人も、静かに、、、炎を燻らしております
また、今回の物語は、ストーリーの構成上1話だけになっております短くてゴメンネ

前回の物語



物語の続きが始まります✨✨✨


【二人の朝食】

「そろそろ宮殿に戻りましょうか」
ジョングクがそう言って、テヒョンの騎乗を手伝おうとした
「いや、一人でやってみるよ」
テヒョンはそう言って、ジョングクから手綱を受け取ると『よしよし』と、馬の首を撫でてやった
ジョングクがテヒョンの側でガードに立つ
テヒョンは深く息を吐いた。そして、左手で手綱と馬のたてがみを掴み、左足を鐙に掛けると、右足で地面を蹴ってヒラリと騎乗した
思いの外上手くいって、テヒョンは安堵する
馬上からジョングクを見下ろすと、笑顔になった
「お見事でした。もうご心配なさることはございませんね」
「ありがとう、ジョングク。君のおかげだ」
「いいえ、私は何も特別なことは致しておりません」
ジョングクはそう言って、テヒョンの後ろに騎乗した。そしてテヒョンの手の上に自分の手を重ね、一緒に手綱を握った

「では参りましょう」
すっかり明るくなった敷地内を宮殿へと戻る。目覚めた小鳥たちの囀る声が、あちらこちちらから聞こえてくる
テヒョンは緊張が解けて、久しぶりに乗馬の醍醐味を味わった
馬の方もテヒョンの緊張感が抜けた為か、それ程鳴かなくなった
「テヒョン様、次は是非アーサーとアルミラージで散策に参りましょう」
「そうだね、あの2頭もとても相性がいいし、仲が良いよね」
「・・・あの2頭、、も?」
ジョングクがわざと聞き返した
テヒョンはフフフと笑うと
「僕達のようにね」
と、躊躇することなく応えた
ジョングクは、一緒に手綱を取っているテヒョンの両手を、ギュッと優しく握った

二人を乗せた馬が森林を抜けて、庭園まで戻ってきた
フランス式庭園の、幾何学的な平面模様が目の前に広がる
テヒョンの部屋からも見える、いつも見慣れた風景だが、今はなんだか違う世界に来たように感じた

「ジョングク、僕は今日のこの日を生涯忘れないだろうと思う」
テヒョンが唐突に、静かに言った
「はい、私も生涯を掛けても忘れることなど出来ません」
ジョングクも静かに低い声で応える
神秘的なあの景色の中で、心を結ぶことが出来た二人にとって、この日の事が、この先に起こる事に対して、大きな心の支えとなるのだった


宮殿に近付くと、すでに馬丁が待っており、テヒョン達の姿を確認すると、玄関の中にいる従僕に『殿下のお戻りでございます』と告げた
従僕が呼び鈴の紐を引いて、執事室にいるスミスに知らせる
スミスが玄関まで降りてきた頃、テヒョン達も玄関口に到着した
「ただ今戻りました」
ジョングクがそう言いながら馬から降りた
「ただいま」
テヒョンが続けて馬から降りる
ジョングクは手綱を馬丁に渡し、馬を任せた
「お二人とも、お帰りなさいませ」
スミスは、出迎えながらテヒョンが普通に、一人で馬から降りたので驚いた
「テヒョン様、もう乗馬は大丈夫そうでございますね」
「うん。最初は緊張したし、馬もそれに反応してなのか、よく鳴いていたから余計に緊張したけど、ジョングクがずっと補佐をしてくれていたし、とにかく楽しかったのだ」
「それはようございました」
スミスは嬉しそうに言いながら、ジョングクに目配せをした
ジョングクはそれに気付いて頷いた

「さあ、中にお入り下さい。早朝の散策はかなり冷えましたでしょう。ホットミルクをご用意しておりますから、お二人とも食堂へお越し下さい。朝食もすぐお召し上がり頂けますよ」
テヒョンとジョングクはスミスに促され、宮殿内に入って行った

食堂では朝食の支度が整っており、主人が席に着いたらすぐに給仕が出来るようになっていた
テヒョンとジョングクは向かい合って上座に座る。するとすかさずスミスが
「どうぞ、温まりますよ」
と、ホットミルクをテヒョンとジョングクに淹れて持ってきた
二人は同時に一口飲んだ。ホットミルクが喉を通るとじわじわと体に暖かさが染み込んだ
スミスがそれを見届けると、給仕の者に合図をする
すると、テヒョンとジョングクのテーブルに素早く朝食が乗せられた

「それでは我々はこれで失礼致します」
スミスの声に給仕の者たちが一礼をして先に食堂を出ていった
「私がいなくても大丈夫でございますね」
テヒョンとジョングクが怪訝な表情でスミスを見た
「大丈夫とは?」
テヒョンが訊いた
「こちらのメニューでしたら、給仕のお手伝いは必要ございませんね、という事でございます」
スミスは、やたらニコニコしながら応えた
「大丈夫ですよ、スミス殿。必要であれば私がやりますので」
ジョングクがそう言うと、スミスは、その言葉を待っていました、というような顔をして
「ありがとうございます、ジョングク様。あ、でも何かございましたら必ずお申し付け下さいませ」
と、言って深々と一礼をすると、そそくさと食堂を出て行った

「何なのだ?スミスは」
テヒョンは、まだ訳がわからないという顔で言う
ジョングクは笑って
「私達がゆっくり食事が出来るように、気を使って下さったのだと思いますよ」
と、言うと、テヒョンはハッとして、なんだか照れくさくなってしまった
『・・・そんな気を使うなど、しないでよもよいのに、、、』と、照れ隠しにボソボソ言った
ジョングクは、そんなテヒョンを見て可愛らしいと思った

今まで知ることがなかった表情を無防備に見せてくれるほど、信頼を寄せてくれる事が、ジョングクは本当に嬉しかった
「テヒョン様、冷めないうちにいただきましょう」
「うん、そうだな」
二人は食事を始めた

「ジョングク」
食事をしながら、テヒョンがジョングクに話し掛ける
「はい」
「年が明けたら、僕は旅行がてら領地巡りをする予定なのだが、時間が合うようであれば一緒に行かないか?」
テヒョンが、ジョングクを旅行に誘った
「私がご一緒しても宜しいのでしょうか?」
「当たり前じゃないか、君は僕の側近だろう?君が軍務に就いていても、僕の側近であることには変わらないよ」
「ありがとうございます。お誘い、とても嬉しいです。近衛師団庁に登庁致しましたら、予定を確認して参ります」
「うん、そうしてくれ」
テヒョンはジョングクが喜んで誘いを受けてくれて、益々領地を巡る旅行が楽しみになった
ジョングクの方も、公爵家の大事な領地訪問への同行の誘いを受けて、本当に嬉しく思っていた。それも実情は旅行である
「ところで、どちらまで参られるのですか?」
「それなんだけど、実は療養中に領民からお見舞いで、農産物が届けられてね。多忙極まりない中、届けてもらったから、顔を見てお礼がしたくなったんだ。ただ、一気に周ることは出来ないから、冬の間は近隣から周るつもりでいる」
「そうだったのですね。直接顔を見てお礼がしたいとは、テヒョン様らしいです」
ジョングクにそう言われて、テヒョンは少し照れた

「あ、そうだ!君は今度僕の父上の迎えに行ってくれるんだったね」
テヒョンがジョングクの大事な務めを思い出して言った
「はい。大役を仰せつかり、大変光栄でございます。また、テヒョン様のお父上とは初の御対面でもありますので、凄く緊張しております」
「父上はとても気さくな方だから、そんなに気を張らなくても大丈夫だよ」
「そうは申されましても、私は大公殿下の肖像画しか拝見したことがありませんので・・・」
ジョングクは、本当に緊張しているようだった。テヒョンは急に人見知りを覗かせるジョングクの様子に驚いた
「君は本当に人見知りをする性格だったのか?」
「はい、そうです」
「わざとそうしているだけだと思っていたよ」
「テヒョン様とお会いしてから、私は随分社交的になったと思っています」
「そうなのか?」
「はい。テヒョン様を通じて、新しく築いた友好関係もございましたから」
「そうだな、それは僕も同じだ」
テヒョンはジョンソン男爵とフランシス嬢の事を思い出した。
ジョングクと共通の、大事な友人が持てている事も、テヒョンには嬉しい事だった。だから、尚更自分の父親とも友好的な関係を築いて欲しいと思った
「ジョングクには僕の父上とも、是非、良好な関係を築いて欲しい」
「ご期待に添えるよう努力致します」
ジョングク自身もテヒョンの父親とは、親しい関係を築きたいと、心から願っていた

「僕も君と一緒に父上をお迎えに上がりたかったよ。しかし、今回のご帰還は軍務に関わるご公務だから仕方ないね」
テヒョンは少しだけ残念そうにそう言った
ジョングクはそんなテヒョンに、ニコッと笑うと席を立った
そして、茶器が乗ったワゴンまで行くと、ティーポットに紅茶葉を入れ、お湯を注いだ
「当日は晴れるとよいのですが」
紅茶葉を蒸らすのを待ちながら、ジョングクが呟くように言った
「冬の港は海風が強くて大変であろうな。風邪を引かないように気を付けて行くのだぞ」
「はい、心得ておきます」

ジョングクは紅茶を注ぐと、ティーカップをソーサーに乗せて、テヒョンの前に置き、自分の分はテヒョンの隣に置いてそこの席に座った
「距離がある向かい合わせよりも、やっぱりこうしてテヒョン様のお隣にいる方がいいです」
そう言って、体ごとテヒョンに向いて隣で笑うジョングクに、テヒョンの胸がトクトクと弾けた
テヒョンは、胸の高鳴りを逃がすように、ジョングクの手首に手を伸ばして触れた。そして、二人の目が合う
「今日はゆっくりしていける時間はあるのか?」
「はい、次の登庁は明日の昼からでございますので」
「では今夜は泊まっていけ。君に話したいことが沢山あるし、君の話も沢山聞きたい」
ジョングクは、返事をする代わりに、手首に触れているテヒョンの手に、自分の手を重ねた


※ 画像お借りしました