群青と真紅⑧【チョン伯爵の屋敷】 | Yoっち☆楽しくグテを綴る♡

Yoっち☆楽しくグテを綴る♡

テテとグクの Me Myself写真集にインスピレーションを得て【群青と真紅】をブログ内で執筆中です️

新年一発目のキム公爵とヴァンパイア、チョン伯爵の物語の続きでございます😊


今年も宜しくお願い致します☆


前回のお話

https://ameblo.jp/136405/entry-12781346726.html 



✦✧✦✧✦✧✦✧✦✧✦✧✦✧✦



【再び庭園のアフタヌーンティー】


エジンバラの離宮での催しが終わり、招待客が各々お城を後に帰ってゆく

キム公爵とチョン伯爵は最後に庭園を一緒に散策し、あの水瓶を持つ泉の女神の噴水の縁でアフタヌーンティーを楽しんだ


「今回はキム公爵にすっかりお世話になってしまいました。」

「いや、私の方こそ、、お気付きの通り、こういった集まりは苦手でね。あなたのお陰で楽しい滞在になりましたよ」

「それを仰るなら私の方も同じです」

二人は顔を見合わせて笑った


しばらくお互いに紅茶を楽しんでいたが、チョン伯爵がティーカップをソーサーに置いて言う

「私はしばらくしていなかった乗馬を始めないといけませんね」

「どの位乗られてないのです?」

「2年くらい・・でしょうか」

「勘を取り戻すには決して遅くはない期間ですよ」

キム公爵はそう言ってチョン伯爵の肩をポンと叩いた

それを受けてチョン伯爵は

「国王陛下の為にポロ競技の足手まといにならないように致します」

と返事をした

「そんなに気負わなくても大丈夫。あなたが楽しめたらよいのです。陛下もいつも心から楽しんで競技に出ていらっしゃる。その陛下に合わせて楽しむのが1番ですよ」

キム公爵があまりにも気軽に言うのでチョン伯爵は思わず吹き出して笑った


二人が紅茶を飲み終えた頃合いを見計らって、お互いの従僕達が迎えに来る

離宮の玄関前にはキム家、チョン家それぞれの家紋が飾られたタウンコーチ型の自家用馬車が既に停車していた

着替えを終えてキム公爵とチョン伯爵がそれぞれの部屋を出て、馬車が待つ玄関に向かう

キム公爵が一足早く馬車に乗り込もうとしていた

玄関から出て来たチョン伯爵に気付くと被っていた中折れ帽を右手で軽く掴み、額の位置までずらして挨拶をする

チョン伯爵はそれに応えて帽子を胸にあててお辞儀をした

キム公爵はさらりと軽く馬車に乗り込むと従僕のスミスが後について乗り込んだ


そして御者が扉を締めると御者台に上がり、手綱を上から下へ叩いて2頭の馬が走り出した

キム公爵を乗せた馬車を引く2頭の馬の蹄鉄の音が軽やかに離宮の玄関前の広場に鳴り響く

それはやがて門を超えると小さくなった


チョン伯爵は遠くなる蹄鉄と車輪の音を聞きながら、キム公爵の馬車が見えなくなるまで見送った



【騎乗の貴公子】


エジンバラの離宮がら戻ってきて1週間程が経った

ある日チョン伯爵は屋敷の敷地内にある厩舎で、自身の馬の体にブラシをかけていた

するとそこに門番が慌てた様子で走って来る

「どうしたのだ?」

門番は息を切らしながら伝えてきた

「も、申し上げます。・・キム公爵が、お越しでございます」

「え?」

門番の後ろに目をやると、馬に騎乗した人影がこちらに近付いて来るのが見えた


段々と近付いてくる馬上のその人影がハッキリと見えてくる

乗馬服に身を包んだキム公爵だった

「やあ、やってきてしまったよ」

陽の光に包まれた美しい顔がにっこり笑ってチョン伯爵に声を掛けた

チョン伯爵は一瞬息を呑んで見惚れてしまった

キム公爵は馬から降りると馬丁がすぐにやってきてキム公爵の馬の手綱を預かった


「ではわたくしめはこれで」

やっと息が戻った門番がキム公爵とチョン伯爵に頭を下げて足早に戻っていく

「ご苦労だった」

キム公爵が門番の後ろ姿に声を掛けた

門番が立ち止まりくるりと向き直って頭を下げるとまた足速に立ち去って行った


呆然としていたチョン伯爵だったがすぐに我に返り

「今日はどうされたのですか?」

と、キム公爵に声をかける

「あなたに会いたくて来たのですよ」

キム公爵は今度は先程とは違う涼しい笑顔で答えた

チョン伯爵はドキッとする

するとキム公爵はフッとほくそ笑み

「チョン伯爵が乗馬を久しくしていないと仰っていたので、今日は一緒に遠乗りに出ようとお誘いに来たのです」

と続けて言った

「わざわざ申し訳ございません。」

「よいから、早く着替えて来てください」

「では、それまでの間屋敷でお待ち下さい」

チョン伯爵はキム公爵を自身の屋敷に案内した


厩舎の方から歩いてくる二人の姿をチョン伯爵に家督を譲って隠居した父親であるセオドラ卿が見ていた

「あれがキム公爵か」

「立派な公爵におなりあそばしましたなぁ」

執事のハンスがセオドラ卿の後ろで一緒に外の二人を眺めながら感慨深げに答えた


このセオドラ卿と執事のハンスの目に映るキム公爵の姿はある人の面影を思い出させるものなのだか、、、

それはまた後の話へ続くことになる


チョン伯爵の屋敷では突然の公爵の来訪で騒がしくなっていた





※ 画像お借りしました