8月27日、ブルネイで米国のヘーゲル国防長官がシリアへの軍事介入について、「われわれの準備は整っている」と述べ、早ければ29日にもミサイル攻撃がなされる可能性が報道されました。

シリアへの軍事攻撃開始は「秒読み段階」と見られ、日本でもマスコミ報道が活発化して来ました。

しかし、軍事行動を共にするとみられていたイギリスでは、8月29日、軍事介入についての是非を議会に諮ったところ、反対が多数となり、キャメロン首相が「国民の意見を反映した議会が、英国の軍事行動を望まないことは明らかだ。政府はこれに従って行動する」と述べ、軍事介入不参加を表明しました。(8/30 朝日夕刊)

これに対して、オバマ米大統領が8月31日に軍事介入を決断したことを発表しましたが、これに先立ち、フランスのオランド大統領とは電話会談を行ったのに対して、英国のキャメロン首相は事前に連絡を受けていなかったと言われています。

また、英国キャメロン首相は議会の同意がなくても介入を決断することも可能だっただけに、オバマ大統領とキャメロン首相の信頼関係にも疑問符が残ります。

そもそも、「キャメロン首相は本気で軍事介入に参加する気があったのだろうか」という疑問の残るところであります。



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先日のHRPニュースファイル「中国艦艇が日本一周航海――中国海軍の太平洋侵出と日本列島の危機」の中で、7月に中国の海軍艦艇が日本を一周する形で航行したことをお伝え致しました。⇒http://hrp-newsfile.jp/2013/888/

6月の米中首脳会談で習近平は、オバマ米大統領に「太平洋には米中両大国を受け入れる十分な空間がある」と語りましたが、これは「中国とアメリカとで太平洋を分割して支配しよう」とアメリカに提案した形です。

その行動の手始めとして、中国艦艇が日本一周航海をすることによって、「尖閣・沖縄のみならず、太平洋側を含む日本列島は既に中国の支配ターゲットに入っている」ことを意思表示したわけです。

日本は、これまでも沖縄近海を航行し、西太平洋・沖ノ鳥島海域で行われた中国海軍の軍事演習を「公海上であり、問題がない」として、全く抗議すらしていません。

しかし、中国の「戦略的辺疆論」を知れば、日本が抗議しなければ、日本は暗黙の内に、中国の「辺疆」に組み入れられることを了承したと受け取られかねません。

日本の独立と尊厳を守り抜くためにも、安倍政権は中国の太平洋侵出に抗議すべきです。(文責・政務調査会 佐々木勝浩)
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「辺疆」を現代戦争の戦略として進化させたものが「戦略的辺疆論」です。

これは1987年、三略研究院高級顧問の少将・徐光裕が中国軍機関誌に発表したものです。

「戦略的辺疆論」に基づいて、陸ではなく海に展開したのが下記の「海軍発展戦略」です。

【第一段階】2000~10年:「第一列島線」(鹿児島~沖縄~尖閣諸島~台湾~フィリピン~ボルネオを結ぶ線)の内部の制海権確保。つまり「南シナ海、東シナ海」を支配する。

【第二段階】2010~20年:「第二列島線」(伊豆諸島~小笠原諸島~グアム・サイパン~パプアニューギニアを結ぶ線)の内部の制海権確保。つまり「西太平洋」を支配する。

【第三段階】2020~40年:太平洋、インド洋で米軍と制海権を競う。つまり、南シナ海、東シナ海、そして西太平洋を段階的に「中国の海」にしていく戦略です。

現在、【第二段階】の西太平洋の支配の段階に入っています。

中国は2008年より、西太平洋上の沖ノ鳥島周辺海域で海軍の軍演習を行いましたが、その回数は年々増え、中国は今後、同海域での軍事演習を定例化すると発表しています。

こうして中国は、日本を含めた西太平洋を新たな「辺疆」にしようとしているのです。

こうした戦略を実現するために、数年内に西太平洋で中国空母艦隊の軍事演習が行われることは間違いありません。

これまで中国海軍の西太平洋進出は空母艦隊の陣形を取っていることから容易に予測できます。




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