小泉純一郎元首相が原発の「即時ゼロ」を唱 え、注目を集めている。

その発信には、さすがと思える部分がある。小 泉氏は放射性廃棄物の最終処分場もないのに原発 を進めるのは無責任だ、というところから始めて いるからだ。

脱原発の議論は、「放射能が怖い」とか「日本 は被爆国なのに核を持つのはおかしい」といった 感情論・抽象論からスタートする人が多い。

しかし、それでは、本来の議論にはならない。 現実に核のゴミは生じていて、その行き先が決ま らない状態が続いている。世界中を見ても、今 もって解決策は見つかっていない。その現実に向 き合うことを出発点とすべきだ。

私は2011年10月、議員連盟「原子力バッ クエンド問題勉強会」を設立してこの問題に取り 組んできた。核燃料サイクルは、フィクションで しかない。そこに目をつけた小泉氏の着眼点、方 向性は正しい。小泉氏もやっと気づかれた。私も 引き続きバックエンド問題に取り組んでいく。

だが、小泉氏の発言には「嘘」がある。

「即時ゼロ」と言っても、国内には、既に1万 7000トンに上る原発の使用済み核燃料があ る。これは、すぐにゼロにはならない。だからこ そ、民主党のマニフェスト(政権公約)では「2 030年代に原発稼働ゼロを可能とするよう、あ らゆる政策資源を投入する」と書いている。

確かに民主党の公約はわかりにくいかもしれな い。「2030年代に原発稼働ゼロ」という将来 の目標と、「あらゆる政策資源を投入する」とい う目の前の政策という、2つのことを訴えている から、どうしても説明調になってしまう。

小泉氏はワンフレーズで「即時ゼロ」と言う。 不正確だが、わかりやすいし、ワンフレーズが一 瞬にして物事を動かすこともある。安倍晋三首相 が経済政策を「アベノミクス」と言ったり、福島 第1原発の汚染水問題について「状況はコント ロールされている」と説明したりしたのも、小泉 流を意識してのことだろう。

民主党もかつて、ワンフレーズ・ポリティクス の発信を行い、その後、塗炭の苦しみを味わっ た。子ども手当しかりだ。その怖さを知ったがゆ えに、民主党は説明調になった。

私はそれでいいと思う。

もちろん、分かりやすく伝える努力は必要だ が、受け狙いはやらなくていい。「それじゃ票は 取れない」と言われるかもしれないが、無理にワ ンフレーズで説明せず、丁寧に実直に政策を訴え ていく。それが民主党の生きる道だ。 (民主党 選対委員長)



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安倍晋三首相はNHKの公共放送としてのあり 方に不信感を持ち、NHK改革にこだわってい る。第1次政権下でもNHKを所管する総務相 だった菅義偉官房長官と改革に着手した。しかし 退陣で道半ばに終わっており、改革断行は「悲 願」といえそうだ。

首相は月刊誌「WiLL」の平成21年8月号 に寄稿し、NHK批判をこう展開したことがあっ た。

「NHK職員は公共放送の責任をよく自覚する 必要がある。自分の主義や主張、イズムを放送を 使って拡大させようとするのは間違っている」

放送法に基づき政治的に公正で、事実を曲げな い報道を行い、意見が対立する問題は多角的に報 じるよう強く求める内容だった。

首相は、NHKから放送法に反するような「偏 向番組」がなかなかなくならないとみているの だ。

首相は第1次政権時代、慰安婦問題で昭和天皇 を一方的に裁いた民間法廷を取り上げた13年の 教育テレビ番組の放送などを問題視。経営委員長 に懇意の古森重隆氏(現・富士フイルムホール ディングス会長)を任命し、ガバナンス強化に取 り組んだ。

NHKはしかし、首相も古森委員長も退任した 後の21年4月、看板番組「NHKスペシャル」 で日本の台湾統治のマイナス面ばかりを強調し た。このため、取材した台湾の先住民らから抗議 を受けた。

首相周辺は「NHKには『表向きだけ取り繕っ ておけば大丈夫』というところがある」とその体 質を疑問視する。会長人事を通じ、NHKのあり 方を根本的に変えることができるかが問われる。 (桑原雄尚)



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北京の天安門前での車両 突入事件に続き、山西省太 原市の共産党委員会庁舎前 で連続爆発事件が発生する など、中国で異変が起きている。共産党の重要会 議、第18期中央委員会第3回総会(3中総会) は厳戒態勢下で行われ、何と治安ボランティアと して中学生まで動員されたという。

過去、独裁政権はその末期に、少年までも動員 して延命を図ろうとしてきた。最近のニュースを 見ていて、私は「中国で王朝交代が近づいている のでは」と感じる。

「中国4000年の歴史」と言われるが、わが 国の「万世一系」の皇室・皇統とはまったく異な る。統一王朝が成立しても、官僚腐敗の蔓延、地 方の反乱などで分裂し、異民族が、皇帝およびそ の一族を殺戮(さつりく)することによって、新 しい王朝の皇帝になる血生臭い易姓革命を繰り返 してきた。そして、その度の動乱・粛清で人口は 激減した。

現代の王朝・共産党一党独裁政権も、利権を握 る官僚や軍幹部らの腐敗・賄賂で貧富の格差を拡 大させている。

昨年の中国人民銀行の調査によると、1990 年代半ば以降で官僚や国有企業幹部の国外逃亡は 1万6000~1万8000人という試算があ り、彼らが海外に不法に持ち出した資産は約十兆 円とある。

環境汚染も深刻化している。

有害な微小粒子状物質「PM2・5」の大気中 濃度などが上がり、一部地域で視界10メートル 程度という猛烈なスモッグが発生。工業化や都市 化の影響で水不足や水質汚染も著しい。党や企業 が環境破壊を無視して目先の経済成長を追い求め た結果といえる。

改革開放を進めた●(=登におおざと)小平は 「先に豊かになれる者から豊かになれ」と語った というが、これは「沿岸部から豊かになって、内 陸部にも波及させて、最終的に国全体が豊かにな る」という意味だった。それを曲解し、一部の官 僚や軍幹部だけが富を独占し、民衆の生命を脅か す環境汚染を放置していれば、年間十数万件もの 暴動が発生するのも当然だろう。

国内不満を外に向けさせるため、江沢民政権以 来、中国では「反日教育」「反日報道」を徹底的 に続けてきた。仮想敵国を外部に作って、国内を 結束させる目的だ。13億人を超える国民が教育 や報道で「南京30万人大虐殺」や「釣魚島(尖 閣諸島の中国名)を盗まれた」と信じ込んでいる のだから、恐ろしい。

私は、共産党政権の矛盾が限界に達して中国が 内乱状態になったとき、「反日」で洗脳された民 衆の支持を集めるため、日本たたきの競い合いが 行われ、より過激な勢力が支持を得る可能性があ ると思う。沖縄や尖閣諸島への侵攻だけでなく、 核兵器をチラつかせて日本に強硬な要求を突き付 けてくる恐れもある。

断末魔にある中国では現在、「日本との戦争が 近い」という話が広まっているという。日本人の 感覚では笑い話だが、日本人と中国人の思考回路 はまったく違う。油断してはならない。

一刻も早く、日本人はこの現実を理解しなけれ ばならない。中国の王朝交代(=共産党政権崩 壊)によって日本に害が及ばないように、民族の 歴史に誇りと自信を持てる国づくりをして、中国 の暴発に対処できる備えをすべきである。

■元谷外志雄(もとや・としお) 石川県小松 市生まれ。信用金庫勤務後、27歳で注文住宅会 社を創業し、その後、ホテルやマンション、都市 開発事業などを手がけるアパグループを一代で築 き上げる。同グループ代表。国内外の多くの要人 と交友関係があり、政治や経済、軍事に関する知 識も豊富で、社会時評エッセーも執筆する。著書 に「誇れる祖国『日本』」(幻冬舎)、「報道さ れない近現代史」(産経新聞出版)など。



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