当工房はブログタイトルにもある通り、
丈夫でシンプルなランドセルを作っているのですが、
代表的な各パーツの主な製造方法は他メーカーとほぼ同じだと思います。
ランドセルの構造と並びに縫製工程は大きく分けまして、
◆カブセ箇所
◆横マチ箇所
◆前段・仕切り箇所
◆バンド箇所
◆背裏箇所
の5か所(5工程)です。
今回はその中から前段・仕切り箇所の構造と縫製工程をご紹介します。
☝カブセを開けたら見えるネームが入っている所が前段箇所です。(画像はミニランドセルが上に乗っています)
☝前段箇所~横マチを縫製した完成画像です。
【裁断前~】
☝前段用の生地です(スムース牛革素材)
☝裏にタフテルを張ります。
※タフテル:㈱クラレが開発した繊維樹脂と紙でできたランドセル用の骨組み素材。
軽くて強いです。
【関連記事】目立たない箇所で活躍している素材(ランドセル内蔵芯素材:タフテル)
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※前段箇所説明の途中ですが・・
ランドセル作りの縫製工程でよくある作業が「生地を折ったり曲げたりする作業です。」
生地裁断の後、縫製前にしておかなければならない作業がへり漉き(ヘリスキ)です。
☟へり漉き機械です。
パーツごとに薄く加工した方が縫製しやすい箇所もあるので、
各パーツごとにへり漉き機で薄く加工します。
☝画像中央右の光っている丸い金属が
ドラム型の刃です。
☝生地を左から右へ、定規で合わせたミリ分生地が平行に薄く漉けます。
裁断から縫製に移る前に、必要な分、工程を省かず(はぶかず)こういう手間をかければかけるほど後の縫製がしやすくなるという訳です。
今回の前段箇所に限らず全箇所でへり漉き機械は活躍します。
※パーツによっては加工しないパーツもあります(カブセなど)
※こういう工程を当工房では下仕事と呼んでいますが、下仕事はへり漉きだけではありません。
またいずれ他の工程をご紹介することもあると思います。
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前段・仕切り箇所の構造と縫製工程の続きです。
☝ファスナーポケットの箇所でもありますので
ファスナーを含むチャックマチの工程もここで縫製していきます。
細かい箇所ですがここのパーツに腰がないと出来上がった時にファスナーが開きにくくなるので先ほどの前段本体縫製と同じく裏はタフテルで補強します。
☝ファスナーとチャックマチを縫製したパーツです。
☝ネームアドレス名刺の窓を空けた前段箇所本体(スムース牛革)とファスナーを接合縫製した後☟
☝中仕切り素材(タフテル)と縫製します☟
☝チャックマチ側(ファスナー箇所)に中仕切り
を縫い合わせていますので☟
☝残り三方を整えれば完成です。
タフテルを貼り合わせて丈夫に加工したチャックマチを使用している為、広くて開きやすく丈夫なファスナーポケットが出来上がるという訳です。
以上、今回はランドセル前段-中仕切り箇所の構造と縫製工程をご紹介しました。
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◆工房よりお知らせ◆
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入学用ランドセル販売中です。
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