今日は、4年連続の留年という、娘の人生で過去最長の停滞かつ危機的状況に際しましての、家族それぞれの反応を紹介させて下さい
*
まず息子(娘の弟)ですが。
11/4の記事でもチラッと触れさせていただきましたように、第1回卒業試験の前くらいに、娘が元気かどうかを気にして、
「元気なら良かった。 もう贅沢は言わないから、生きててさえくれたら、それだけでいいわ」
と言っていた息子に4回目の卒留決定を伝えましたところ、
「えっ、またダメだったん ・・・まあ、生きてるんなら、それだけでいいわ」
と、またしても同じことを申しておりました。
社会人2年目がもうすぐ終わろうとしている息子は、多少なりとも世間の荒波に揉まれたせいか、もはや達観――いえ、諦観の域に達しているのでしょうか。
あるいはあまり姉のことは考えたくないか・・・?
いっぽう、次女の反応は少し違っていました。
「えっ、また落ちたの ありえない
」
と呆れかえり、ただ一人、怒(いか)っておりました
親という監督者不在の環境で娘と二人暮らしをしている次女は、娘のADHD特性に由来するる被害を最も受けているようです。
実家に住んでいた頃は普通に仲良しだったのですが、二人で暮らし始めてからは関係は徐々に悪化し、
「親にこんなに迷惑かけて、それでも生活態度も改めず努力もしないなんて、人として終わっている」
とまで言い出すようになりました
・・・それはそうですよね。
片付けもほとんどしない、調味料やトイレットペーパーを自分が最後に切らしてもそのまま、三きょうだいの長女にして一人だけいつまでも学生で、学校にもろくに行かず、昼夜逆転の生活をし、ゲーム三昧で、悪びれた様子もなく、むしろ楽しそうにしている。
(*ここだけ読んだら、娘は本当に最低の人間ですね)
そんな姿をまぢかで見てきている次女は、とうとう堪忍袋の緒が切れたようです。
「もう待てない。今年こそは一緒に住むのをやめる」
と、ついに宣言されてしまいました。
本当は3年前に、娘がストレートで卒業できた時点で同居を解消するはずだったのですが、卒業そのものが叶わず・・・
もし次女が側にいなくなると、娘の様子を教えてもらったり、試験など大事な日に朝娘を起こしてもらうことができなくなるので、私たちから次女に何とか頼みこんで、この3年間、娘の見張り役として同居を続けてもらっていたという経緯があります。
がしかしその状態が一年、また一年と延び延びになり、とうとう次女の我慢の限界がやって来てしまった、というわけです。
「これだけまわりに迷惑をかけておきながら、まったく反省していない」
「私なら耐えられなくて、死ぬ気で何とかするわ」
「こんな最悪の人間おらん」
と、かなりキツい言いようです
このセリフだけ聞きますと、まるで次女が冷たい人でなしのように思えますが、そんなことはないんです。
むしろ今までよく我慢してくれたと思います。
悪いのは次女ではなく、次女に重荷を負わせてしまった私たちに他なりません。
たとえば、発達障害に関する記事がネットに上がったりすると、発達障害の人たちの生きにくさやつらい体験が書かれた内容であるにもかかわらず、コメント欄は
「本人は発達障害を言い訳にするけど、被害に遭ってるのはまわりの人たちの方だ」
「以前一緒に働いたことがあるが、みんな困り果てていた」
「さんざん迷惑をかけられた挙げ句尻ぬぐいまでさせられて、こっちが精神的に病みそうだった」
「そういう人が一人でも職場にいると大迷惑だ」
などの意見で溢れかえっていて、いつもとても悲しくなります。
だったら、発達障害の人は健常者に迷惑をかけないよう、発達障害の人たちだけの社会で生きていくしかないのでしょうか・・・?
それとも社会の厄介者として息を潜めて生きていけと・・・?
人種や性別(ジェンダー)と同じように、発達障害というのは自分ではどうすることもできない、持って生まれた特性です。
そのことで人を差別するのは間違っているし、恥ずべきことだ、と誰もが気付いてくれる世の中になったら、ネットのコメント欄に発達障害の人に対する不満や非難が溢れることもなくなるのでしょうか。
とはいえ娘とは血のつながっている次女ですら、娘に対してこれほど批判的なのですから、現実は厳しそうです
私はまずは次女に理解してもらえるよう、努力しなくてはなりませんね。
そしてそのためには、まずは次女を姉のお守り役から解放してあげなければ・・・と思うようになりました。
私たちがいなくなった後も含めて。
(*以前のことになりますが、発達障害の方のごきょうだいとしての体験談を通してコメント欄からアドバイスを下さった方、本当にどうもありがとうございました。なかなか行動には起こせずにいますが、胸に深く刻ませていただいています)
―― というわけで、次女は自分の力で一人暮らしをするために、新しい住居を探し始めることになりました。
必然的に娘も今の2部屋からワンルームへの引っ越しが必要になります。
「新年度が始まったら勉強しないといけないから、いつでも引っ越せるよう、2月中に片付けておきなさいよ。どうせいらない物ばかりなんだから(*経験談です)、どんどん捨てること! 断捨離!! 断捨離!!!」
と娘にハッパをかけておりますが・・・それができる娘ではないことが分かっておりますので、不安しかありません
ちなみに私の両親も、初孫の行く末にものすごく心を痛めております。
( しかも毎年毎年エンドレスですからね・・・ )
先日電話で話しておりましたら、母もいまだにショックから立ち直れていないらしく、
「最近あまりよく眠れない。夜中に目が覚めると胸が締め付けられて痛くなる」
と申しておりました。
人生も終わりにさしかかった母に、いまだに孫娘のことでそこまで心配をかけているのだと思うと、申し訳ない気持ちしかありません
が、よく訊いてみますと、「よく眠れない」 とか言いつつ 「4-5時間寝たら目が覚める」 らしいのです。
「夜中に目が覚めてトイレにも行くのだから、70代半ばで続けて4-5時間眠れてるなら、そこそこ十分なのでは? どこが不眠?」
と訊ねますと、
「だけど今までは目が覚めた時に胸が痛かったことはないから、自分としては寝た気がしない~」
と言い張るのです
不謹慎だとは思いましたが、言い分がいかにも母らしくて可笑しかったので、娘に報告しましたら、こんな返事が返ってきました。
↓
そして私の父は、こんなことを言っておりました。
「これだけ頑張っても合格できないのだから、社会に出てもおそらくまともにはやっていけないだろう。もう無理をさせるのはやめて、親の翼の下でこの先ずっと保護し続けていく覚悟をした方がいいのではないか」
私の父は読書家で、新聞も毎日隅々まで読み、定年退職後の今はボランティアにいそしんでいます。
娘のことを 「発達障害では?」 と最初に気が付いてくれたのも、この父でした。
(*2020年1月9日の↓の記事で触れさせていただいております)
空気の読めないディスり名人の母と違い、私はこの父に一目置いておりますだけに、父の言葉の中にずっしりと重い "真実" を感じずにはいられませんでした。
「そうだね、きっとそうなると思うわ・・・。だけどそれを受け入れる境地にたどりつけるまでには、もう少し年月がかかりそう・・・」
先日は図らずも娘が"放校"を通告される瞬間の疑似体験も致しましたことですし、
(*こちらの記事です↓)
こうして私に心の準備をさせながら、運命はある1つの結末に向かって着々と進んでいる気しかしないです