前回の記事に関係しまして、不幸は3つで終わりかと思いきや(*ちなみに1つ目は交通違反で警察につかまったこと、2つ目はコロナワクチン2回目接種後に高熱で苦しんだことです)、昨日4つめの不幸が勃発して落ち込んでおります・・・
ちなみに娘の第3回本試験の結果はまだ届きません。
おかしいです・・・もう2週間過ぎましたのに・・・
こんな時は、昔からのクセで
「もしかして叱られるのが嫌で娘が隠してるのでは」
と、はるか遠方に住んでいるにもかかわらずつい疑ってしまうという・・・。
習慣とは怖ろしいものです
3つめ、4つめの不幸につきましては次回ご報告させていただきたいと思いますが、今日は忘れないうちに別の話題について触れさせて下さい
*
少し前の10/14の記事で、
「正真正銘の片頭痛持ちの息子が、頭痛専門外来を初めて受診して薬を処方していただいたら、びっくりするくらい良くなった」
ことに少しだけ言及させていただきました。
息子は社会人2年目の、非・発達障害のリア充実男子です。
小学校の時からずっとスポーツをしていて健康なはずですが、そういえば中学生の頃から時々頭痛を訴えてはおりました。
息子が言いますには、ズキズキして頭を揺らすと響くようないわゆる片頭痛っぽい頭痛は、よく考えてみたら中学生の頃からあったかも、とのことでしたが、小学生の時どうだったかは覚えていないそうです。
そんな彼が動けなくなるほどのひどい頭痛を初めて経験したのは、高校2年生の時のことでした。
何でも、最初は教科書の文字が読みにくいな、と思っていたら、見えない範囲がだんだん広がってきて、やがて視界がまるでライトなどの光源を凝視した後のように眩しく光って、ほとんど何も見えなくなったのだそうです。
ちょうど視界がハレーションを起こしたように。
その後だんだん気持ちが悪くなってきて、頭痛も起こりはじめ、吐き気とひどい頭痛とで動くことすらできなくなったらしいです。
目の症状が出はじめてから頭痛に至るまで、毎回だいたい約1時間。
こんな時は途中で吐き気止めや痛み止め(ロキソニンなど)を飲んでも、全く効かないそうです。
「頭痛の前に視界が眩しくなって、目が見えなくなる」
と突然言われた時は、
「なんじゃ、そりゃ」
とただただ首を傾げておりました。
そしたら息子が自分で
「どうやらこれは片頭痛の前兆の 『閃輝暗点』 らしい」
と自分で見つけてきたのです。
ただ、当時の私は娘のことで手一杯で、ふだん超元気な息子のことに気を配る余裕はなく、その時は
「ふーん」
とスルーした記憶しかありません。
まったくもってヒドイ母親です
閃輝暗点という前兆を伴う息子の片頭痛発作は、その後半年に1回のペースで起こっておりましたが、高3の受験前には頻度が増えていたようです。
不思議なことに浪人時代や大学生の前半はまったく起こらず、それなのになぜか大学生活の後半になって再びちょくちょく、それこそ以前の半年に1回よりも多い頻度で起こるようになっていきました。
その頃は娘が晴れて大学生になれており、しかも留年を始める前の人生で唯一平穏な時期でもありましたことから、私はやっと息子の状況に耳を傾けることができたのです。
で、普通の内科の病院を受診し、息子は娘が服用していたのと同じ予防薬(*詳細につきましては次回あたり触れさせて下さい)を服用するようになりましたが、効果はほぼありませんでした。
(*薬の効果を判定する際、本人が「よく分からないけど・・・効いてるような気もする」という時は、ほぼ効いてませんね。本当に効いている時は「明らかに効いてる!ぜんぜん違う!」と言うものだと、娘と息子の例から学びました)
それでも試験など取り返しのつかない状況で発作が起こることは幸いにもなかったことから、本腰を入れて治療をすることはなく、そなまま何となく年月が経っていったのでした。
が。
最近、つまり受診の1-2週間前から急に、週に3回という人生最高の頻度で片頭痛発作が起こるようになったのです。
(私はぜんぜん知りませんでしたが)
さすがにこれでは仕事にも日常生活に支障を来たしすぎる ということで、ついに息子は頭痛専門外来を受診しようと決意したとのことでした。
ちなみに、片頭痛につきましては、2020年3月11日の記事でごくわずかだけ触れさせていただいたことがあります。
↓
片頭痛に関する最新の分類や症状・診断基準などのつきましては、2018年に 国際頭痛学会によって作成されました 『国際頭痛分類 第3版』 で詳しくまとめられています。
そのため、専門的な内容はそちらをご参照いただくとして、ここでは一般的なアウトラインだけをごく簡単にまとめさせて下さい
■片頭痛とは
簡単にいいますと、次のような特徴があります。
↓
・片頭痛には前兆のないものと前兆のあるものの2つのタイプがある。
・いずれもズキズキした側頭部の拍動性の頭痛が数時間~72時間持続する。
・多くは片側性(約60%)だが、両側に痛みが出る場合もある(約40%)。
・階段の昇り降りなど日常的な運動(体動)で症状が悪化する。
・吐き気や嘔吐症状が出たり、光と音に対して過敏になったりする。
・頻度的には2週間~1ヶ月に1回が多いが、もっと頻繁に起こることもある。
・このような頭痛を通常5回以上繰り返すと、片頭痛と診断される。
・前兆のある片頭痛は、視野が欠けたり(=半盲)、ギザギザした光が出る(=閃輝暗点)などの症状が5分~60分間持続した後に、ズキズキとした頭痛が出現する。
・半盲や閃輝暗点などの前兆は頭痛が始まる前に消失する。
・前兆のある片頭痛の場合、前兆を伴う発作が2回以上経験されると片頭痛と診断される。
片頭痛発作の症状経過を図示すると、以下のようになります。
↓
(*この画像はこちらから引用の上改変させていただきました)
■『閃輝暗点』とは
片頭痛の前兆症状には、次の6種類があります。
・視覚症状
・感覚症状
・言語症状
・運動症状
・脳幹症状
・網膜症状
(*具体的な症状は上の表をご参照下さい)
この中では"視覚性前兆"がもっとも一般的で、前兆のある片頭痛患者の90%以上に認められます。
そしてこの"視覚性前兆"の中で最も多いのが、『閃輝暗点』 です。
この『閃輝暗点』について、前述の「国際頭痛分類 第3版」には
”固視点付近にジグザグ形が現れ、右または左方向に徐々に拡大し、角張った閃光で縁取られた側部凸形を呈し、その結果、絶対暗点あるいは種々の程度の相対暗点を残す”
と記載されています。
・輝く部分と見えづらい部分が混在して、「水面の反射のような光が見える」、「水槽の底を見ているようにウルウルして見える」と表現されることも。
・光は目を閉じていても見える。
・通常10分~20分くらいで消えていき、症状が治まった後に片頭痛が起こる。
・片頭痛は、頭が重いという程度から、吐き気や嘔吐を起こすこともある。
ちなみに、
と息子は申しておりました。
■閃輝暗点が起こる機序
目を通じて網膜が受け止めた画像は、視神経を介して脳の後頭葉にある「視覚野」という部分で視覚情報として処理されます。
片頭痛発作時は、何らかの原因でこの後頭葉の血管(動脈)が痙攣を起こしたように収縮(=「れん縮」と呼びます)します。
すると視覚野への血流が現象し、神経細胞が酸素不足に陥ります。
その結果、画像処理が上手く出来なくなり、実際にはない光を感じたり、視野が欠けて見えたりすると考えられているそうです。
またいったん収縮した血管が拡張して元に戻る際に、脳への血流が一気に増えることによって片頭痛を生じるとされています。
(*この画像はこちらから引用させていただきました)
ちなみにこれは、いくつかある片頭痛の発生機序の説のうちの『血管説』に基づいて閃輝暗点を説明したものになります。
これとは別に、"大脳皮質神経細胞の機能不全が視覚野のある後頭葉ではじまり、徐々に周辺に広がる"という 『神経節』 に基づく考え方もあるそうです。
これらの説につきまして少し詳しく調べてみたいと思いますが――
少し長くなってしまいましたので、続きは次回とさせて下さい