無事に娘の生理も終わり、これで第3回本試験に重なる心配が完全になくなりました
こんなプライベートなことにまで言及するのはよくないのかも・・・とも思うのですが、これまで何度か書かせていただきましたように、娘の月経(*医学的には"生理"ではなくこう呼ぶそうですので、ここでも基本的にはそのように記載してみたいと思います)と眠気は密接な関係があり、最大の敵 といっても過言のない相手です。
娘の場合、月経の1日目と2日目はありえないくらい眠気がひどくなります。
そのため普段であれば朝0.5錠+昼1錠で服用しているナルコレプシーの治療薬モディオダールⓇ(一般名:モダフィニル)を、月経開始1日目と2日目は朝2錠+昼1錠に増量し、何とか眠り込まずにすんでいるそうです。
モディオダールⓇの最高用量が1日3錠ですから、もうギリギリの後がない量をすでに飲んでいることになり、いろんな意味で心配です
過去の記事を書く際にいろいろ調べてみましたところ、月経に関連して眠くなる理由はさまざまなところで見つけることができました。
それらをまとめさせていただきました記事はこちらになります↓↓
ですがいずれも「月経開始前の黄体期」の眠気であって、そのメカニズムから考えますと、理論上は月経開始とともに軽減ないしは消失するはずなのですよね・・・。
たとえば PMS(月経前症候群)のように。
つまるところ娘のような「月経開始1日目と2日目」の眠気についての説明としては当てはまらないものばかりでした。
しかしながら日本の調査では、成人女性の41%が月経に関連して睡眠に変化があり、そのうちの1%は月経前不眠、43%は月経前過眠、51%は月経時過眠、5%は月経時不眠を訴えていたそうです。
現実問題として成人女性の約20%、つまり5人に1人が娘と同じように月経時過眠を抱えていることになるのですから、さすがに何か理由があるはずです。
なのにその理由が分からず、モヤモヤモヤモヤ・・・
この数ヶ月の間に、以前このブログのコメント欄から教えていただきました加味逍遥散という漢方を試してみました。
すると確かに月経痛も眠気も、全くないのを0、最大を10としますと、10→9くらいには楽になったと申しておりました。
ですがまだまだ十分とは言えません。
そのため、同じくここで教えていただきましたピルも試してみました。
(*薬はなるべく最小限にしたい派なのですが、痛みにも眠気にもとても困っておりますので仕方がありません)
※余談ですが:
日本では「女性のホルモン剤=ピル、 ピル=経口避妊薬」というイメージが強いですが、それは最初に厚生省がそのように紹介してしまったためで、海外ではむしろ女性のホルモンバランスを調整して卵巣機能を休ませ、月経に伴う子宮内膜症などの疾患やPMS(月経前症候群)やPMDD(月経前不快気分障害)などを予防・治療するために用いられていることの方が多いのだそうです。
正式には、ピル、すなわち2種類の女性ホルモン(エストロゲンとプロゲステロン)の合剤のうち、
・避妊を目的とした薬剤をOC(Oral contraceptive,経口避妊薬)
・月経困難症や子宮内膜症の治療などを目的に用いる薬剤をLEP(Low dose estrogen-progestin,低用量エストロゲン-プロゲスチン)
と区別して呼ぶそうです。
日本では最初のピル=経口避妊薬のイメージが強いため、服用に抵抗感を感じる方が多く、長い間治療薬として浸透しませんでした。
しかし最近では、"LEP"としてピルを服用する方が若い女性にもとても増えているそうです。
(LEPとして服用した場合も、薬剤としてはほぼ同じですので、OC(経口避妊薬)としての効果も持っています)
――つまり娘が試したピルは正式にはLEPなわけですが、
この薬によって痛みと眠気の強さは10→8程度にはなりましたものの、やはりまだまだらしいです
ただピル(正式にはLEP)を服用しますと、
・月経周期がきっちり28日になり、時期の予測やコントロールが可能になった
・月経期間がこれまでの7日前後から3日に短縮されたため、痛みや眠気で苦しむ期間が短くなった
という利点は明らかだったみたいです
そしてピルを服用したことにって、娘はあることに気が付きました。
それは・・・
「生理の出血量💉と痛みと眠気
は比例してる気がする」
――あれ これって何だか重要なヒントのような気が・・・。
というわけで、今度は「月経の出血量と痛み」の観点から、眠気との関係を調べてみたいと思います。
(*関係が見つからずに終わってしまったら申し訳ありません・・・)
*
■「月経困難症」とは
月経に伴って起こり、下腹部痛のほか、腹部膨満感、腰痛、頭痛、下痢、発熱、悪心嘔吐、疲労感、めまいなど、日常生活に支障を与えるような病的症状を、一般的な月経痛と区別して「月経困難症」というそうです。
月経困難症には
・機能性(原発性)月経困難症・・・器質的な異常を伴わない
・器質性(続発性)月経困難症・・・器質的な異常を伴う(=もともと婦人科系疾患があり、
その一症状として月経困難症が起こる)
の2つがあり、下の表のような違いがあります。
↓
(この画像はこちらから引用させていただきました)
ちなみに:
娘、痛み止めを飲んでも動けなくなるくらい腹痛がひどいらしいです。
もともとある眠気も下痢のしやすさも、月経中はさらにひどくなるとのことです。
ですので、娘に「月経困難症」があることは間違いないとして、
・子宮内膜症などの基礎疾患がないこと
・20歳前後からひどくなってきたこと
・月経の1~2日目に症状が強いこと
などより、娘はまさに「機能性(原発性)月経困難症」に当てはまっていると思われます。
■プロスタグランジンって何?
上の表を見ますと、機能性(原発性)月経困難症の定義は
" プロスタグランジンの過剰分泌 "
だと書かれています。
ザッと調べてみますと、 「プロスタグランジン」はホルモンに似た働きをする生理活性物質で、子宮内膜から分泌され、子宮筋に作用して子宮を収縮させ、はがれ落ちた子宮内膜を血液と一緒に排出させる――つまり月経を起こさせる働きがあるそうです。
※子宮内膜については下図をご参照下さい↓
(この画像はこちらから引用させていただきました)
プロスタグランジンには血管を拡張したり、胃腸を強く動かしたり、痛みに敏感にさせるなどの作用もあるので、頭痛や腰痛の原因にもなるようです。
(この画像はこちらから引用させていただきました)
(この画像はこちらから引用させていただきました)
実際、生理痛(月経痛)のある女性では、子宮内膜や経血に含まれるプロスタグランジンの量が生理痛のない女性より多いことが分かっていのだとか。
そしてこのように生理痛(月経痛)がひどくなる=プロスタグランジンの作用が強くなる原因は、大きく3つあるそうです。
①子宮の出口(経管)が狭い場合
はがれた子宮内膜をなかなか押し出せないため、いつまでも子宮にプロスタグランジンがとどまり、結果的に強く長く子宮を収縮させ続けてしまうことになるのだそうです。
ちなみに最初の表の中にあります
「妊娠分娩を経験すると症状の改善、消失を見ることが多い」
という特徴は、妊娠分娩を経ることによって子宮の頸管が広がるためのようです。
②子宮の血流が悪い場合
子宮内膜で産生されたプロスタグランジンは血管に入り、全身へと回っていきます。しかし血流が悪いと①と同様にプロスタグランジンが長く子宮にとどまってしまうことになり、強く長く子宮を収縮させ続けてしまうのです。
血流が悪くなる原因としては、主に冷えや便秘、姿勢の悪さ、ストレス、自律神経の失調 などがあるそうです。
(*娘ではないですか!!)
そのほか、子宮の収縮自体でも血管が圧迫されて血流が悪くなります。
つまり①→②、②→②という悪循環が起こるわけです。
③子宮内膜が厚くてプロスタグランジンが多く作られる場合
子宮内膜が厚いと、必然的にプロスタグランジンの産生量も多くなります。
プロスタグランジン分泌が多いと子宮の収縮が過剰になり、陣痛のような下腹部や腰の痛みを引き起こします。
(実際、出産の際にもプロスタグランジンが大量に分泌されます)
最初の表の「特徴」の欄に
"排卵性月経に伴って起こるので、無排卵性月経では通常起こらない"
とありますのは、無排卵の場合は子宮内膜があまり厚くならないからです。
同様に好発年齢が"10代後半~"となっているのは、初潮から間もない10代前半のうちはホルモンバランスが未成熟で、無排卵のことが少なくないからだそうです。
(※ついでに言うと「特徴」の欄にあります"月経の1~2日目に症状が強い"のも、はがれ落ちる子宮内膜の量がその時期がもっとも多いからのようです。)
機能性(原発性)月経困難症の治療にピル(LEP)が用いられるのも、排卵が抑えられて子宮内膜が厚くならないので、プロスタグランジンの産生量も月経の量も少なくなるからというわけなのです。
さて。
こうして娘が機能性(原発性)月経困難症で、その原因がプロスタグランジンの過剰分泌であるらしいことが判明しました!!!
しかもその特徴に”月経の1~2日目に症状が強い"とあり、
娘の過眠症が悪化する時期と見事に一致しているではありませんか
これは偶然でしょうか。
それとも・・・
――引き続き調べてみたいと思います。