昨日、ちょっとイライラしたことがありました。
娘となかなか連絡が取れなかったからです。

いえ、決していつも娘を監視・管理しているわけではないのですあせる
ただ、用があって連絡したのに、いつまでもLINEが既読にならないとか電話がつながらないと、これまでの習慣でつい、
「また寝てるのでは!?ゲッソリ
と疑ってしまうのです。

特に今は、睡眠外来の先生から
「23-7時睡眠を守り、昼寝はしないように」
と言われているだけに、尚更です。


そして・・・ やはり 母の勘は畏るべし、でした。(自画自賛ゲラゲラ


ようやく連絡のついた娘はこんなことを。

 





そういえば娘は生理の1日目と2日目だけが異常に眠いと、以前からずっと言っていました。

これまでは
「ホルモンバランスのせいだろうから、仕方ないね」
と済ませてきましたが、今は違います。

なぜなら今はモディオダールを飲んでいるからです。

 


? 医療用覚醒剤といわれるモディオダールでさえ、太刀打ちできないほどなの??
 

 


――そんなすごい眠気は何なのか、そもそもなぜ生理だと眠いのか、気になったので少し調べてみることにしました。




月経(生理)中に眠くなる理由は、はっきり解明されているものからそうでないものまで、いろいろあるようです。
その中からいくつか拾い出してみました。

まずは・・・


●月経中に眠くなる理由その①


(この画像はこちらから引用させていただきました)

 


上の図のように、排卵後~月経直前の黄体期は、エストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)という2つの女性ホルモンの分泌が盛んになるそうです。

このプロゲステロンには「体温中枢に作用し、深部体温を0.5~1度上昇させる」作用があります。
黄体期に基礎体温が上昇するのは、そのためです。

また、プロゲステロンは体温を上げるだけでなく「体温リズムの振幅を低下させる」作用もあるそうです。

私たちの体は、2/12の〈いただいた薬について調べてみた〈ロゼレム編〉〉でも書かせていただきましたように、夕方から始まる体温の低下により睡眠が誘発され、また夜間の体温が低いほど睡眠が深くなるようにできています。

そのためプロゲステロンがたくさん分泌されている黄体期には、入眠困難(なかなか寝付けず)、中途覚醒(眠りが浅いため途中で目が覚めてしまう)といった不眠症状が出現し、睡眠不足となるため、昼間に眠くなってしまうと考えられているのだそうです。

また上記のようなプロゲステロンの作用で、黄体期は1日の中での体温の変動が少なく、体温が高めの状態が続くため、いっそう日中ボーっとしやすくなるとも言われています。


●月経中に眠くなる理由その②
このプロゲステロンは、脳に対する直接的な鎮静および催眠作用も有しているそうです。

作用機序としては、プロゲステロンの代謝産物であるallopregnanoloneがGABA受容体作動薬として作用するのだとか。
しかもヒトに対する研究では、ベンゾジアゼピン系睡眠薬とほぼ同等の効果があることが分かっているそうです。
(*GABA作動薬、ベンゾジアゼピン系睡眠薬についても先ほどと同じこちらの記事で少し触れさせていただいてますケド・・・「同等の効果」って、すごくないですか!?)


●月経中に眠くなる理由その③
また別の研究では、黄体期は卵胞期に比べ1日のメラトニン分泌量が減少することが分かっています。

メラトニンといえば、同じくこちらでも触れさせていただきましたように、ヒトの概日リズムを調節する「睡眠ホルモン」です。
(*娘が飲んでるロゼレムは、メラトニンとして働く作用を持っています)
黄体期はこのメラトニンの量が減少するため、夜間の睡眠の質が低下し、代わりに日中眠くなる可能性があるといわれています。

 




なるほどーガーン



ですがここで気が付きました。

上記の説明で「黄体期」に日中眠くなってしまう理由は理解できました。
でも、娘が眠くなるのは「月経1日目と2日目」であって、「月経前の黄体期」ではありません。

・・・どういうこと??
 

 


ある海外の研究によると、成人女性の40%が月経によって睡眠に変化が起こり、その90%以上が月経前(黄体期)の過眠症状を訴えていること、またこの過眠傾向は月経期にも引き続き認められること、が報告されているそうです。

別の日本の調査では、成人女性の41%が月経に関連して睡眠に変化があり、そのうちの1%は月経前不眠、43%は月経前過眠、51%は月経時過眠、5%は月経時不眠を訴えていた、ということでした。

 

 

 

ちなみに、プロゲステロンもエストロゲンも、受精卵が子宮内膜に着床、すなわち妊娠した場合は、下図のように妊娠末期までたくさん分泌され続けます。
しかし妊娠が成立しなかった場合は、ちょうど2週間で分泌量が急激に低下し、その結果「月経」が起こるしくみになっています。




 

このように、28日間の月経周期のうち「黄体期」(上の図では排卵期+黄体期)から月経直後までの期間は、体内のホルモンバランスが急激に変化するため、自律神経をはじめとして心身にさまざまな変化(不調)が起こります。

たとえば・・・
・身体的症状:腹痛、頭痛、腰痛、むくみ、お腹の張り、乳房の張りなど
・精神神経症状:情緒不安定、イライラ、抑うつ、不安、眠気、集中力の低下、睡眠障害など
・自律神経症状:ホットフラッシュ(のぼせ)・ほてり・発汗・食欲不振・過食、めまい、倦怠感など

この、月経前の3~10日の間続き、月経開始とともに軽快ないし消失する精神的あるいは身体的症状は「月経前症候群(premenstrual syndrome:PMS)」と呼ばれています。
(最初の図にもあります)

また、特に精神状態が強い場合は「月経前不快気分障害(premenstrual dyspholic disorder :PMDD)」と、上のPMS症状の中にある「睡眠障害」は「月経関連過眠症(月経前過眠症)」と呼ばれています。



このPMSの発生機序ははっきり解明されていませんが、黄体期の後半に卵胞ホルモンと黄体ホルモンが急激に低下し、脳内のホルモンや神経伝達物質の異常を引き起こすことが原因だと考えられているそうです。
(*更年期障害と同じ機序だから症状も同じなわけですねびっくり


脳の性中枢と睡眠中枢は隣接しているとのことですので、娘のような「月経開始1日目と2日目の眠気」については、プロゲステロンの量そのものの影響ではなく、ホルモン環境の急激な変化が関係している可能性が高い、と考える方が妥当かもしれません。
(これに関する文献は私が調べられる範囲では見つけることができませんでした)

 

特に娘は昔からODがあり(ADHDによるOD症状だと今は考えていますが)、自律神経のバランスが崩れやすい方だと思いますので、PMSや月経関連過眠症の症状が強くあらわれてしまうこともあり得るのでは・・・と推測しています。←●月経中に眠くなる理由その④(仮説)



また、夜間のメラトニンの分泌を減少させるものとして、β–ブロッカー(高血圧や不整脈、心不全の方が飲む薬)、ベンゾジアゼピン(言わずと知れた睡眠薬です)、非ステロイド系抗炎症薬、カフェインなどの薬物、電磁波などが知られているのだとか。

このうち非ステロイド系抗炎症薬(NSAIDs)について、娘は生理痛がめちゃくちゃひどく(いわゆる「月経困難症」)、特に生理の最初の頃はロキソニンなどを必ず服用します。
もしかしたらそれにより夜間の睡眠の質がいっそう低下し、日中の強い眠気につながっているかもしれません。←●月経中に眠くなる理由その⑤(仮説)




・・・といろいろ調べてはみましたものの、娘がなぜ(月経前ではなく)月経1日目と2日目にだけそんなに眠いのか、はっきりした理由はよく分かりませんでした。

ですがそれでは対策を立てようがありません。

 


モディオダールを飲んで初めて気が付いたのは、
「これまでは日頃だけでなく試験中ですら眠い上、集中できていなかった」
ということでした。


だけど、そのモディオダールですら勝てないほどの眠気が起こる月経初日と2日目が、今後試験当日と重なってしまったら・・・いったいどうなるのでしょうかガーン


――そんなことを考えて、今、青くなっています滝汗






……といいつつ、良いことを2つ思いつきました!

 

その①:PMSによると思われます片頭痛に「加味逍遥散」が効果があったと、以前コメントで教えていただきました。この眠気がホルモンの急激な減少によって起こっているなら、もともと更年期障害に有効とされる「加味逍遥散」が娘にも効く可能性もあるのではないでしょうか? ち(*ゆりこさん、どうもありがとうございました!)


その②:そういえばモディオダールは1日3錠まで増量が可能だそうです。

(*これもコメントで教えていただきました。うにらいさん、どうもありがとうございました!)
娘は今1錠しか飲んでいないので、月経の時だけ2錠に増やすと、もしかしたら眠気がマシになるってことは・・・ないでしょうか。


何だか、ひとすじの希望キラキラが見えてきた気がします。
今度の睡眠外来で先生に訊ねてみたいと思います筋肉