あとがき
夏の甲子園、数々の話題がありましたがその中で準々決勝で敗れた大社高校応援団が勝者の神村学園の校歌の際に手拍子を送り、甲子園球場を爽やかな空気が包みました。
準決勝で敗れた神村学園は関東一高に、決勝で敗れた関東一高は京都国際にそれぞれ手拍子を送りリレーされていきました。
ただこれはこの先「やらなければ」というものにはなって欲しくないですね😅
あれは大社高応援団の方も「よくやった‼️」「いい試合だった」という充実感から自然発生したもんじゃないかな、と思います。
早実の和泉監督の三回戦敗退後の大社ナインへの振る舞いも同じかと思います。
やらなければ、ってものじゃなく自然と出てしまうものだと思うんです。
どこかの記事で読んだら2017年大会の青森山田🆚彦根東の試合でも敗れた彦根東応援団から青森山田に手拍子が送られていたそうです。
彦根東、赤鬼軍団と呼ばれるアルプスを真っ赤に染める応援も壮観でした。
👇以下の二人の監督さんの言葉がまるで選手の父親のように特に愛情が滲んでいて印象的でした。
◇石橋・福田博之監督
もう子供たちが本当にね……120%を出してくれた。よく頑張って……。本当に頑張ってくれたと思います。ナイスゲーム。本当にうまくなったなと。
正直、どの学校も部員集めに大変だと思う。そこで高校野球が私学さんだけになってしまうとなんかドラマというか、青春、夢がなくなっちゃうと思います。野球好きな子っていっぱいいると思うんです。
ただ、そんなにうまくなくて私学から声が掛からない子も、やっぱり頑張ればもしかするとこういうチームがあるので、俺たちもできるんじゃないかと。そういった他の学校に勇気を与えられたらうれしいなと思います。
◇掛川西・大石卓哉監督<目に涙が浮かんでいます> 本当にここに来るまで支えてくれた方が多くて期待もいただいていた。応援に来た方に選手たちの輝いている姿や諦めない姿を見せたいと思っていて、それが体現できました。 本当に頑張った。プレッシャーもあったと思うが、選手たちにとっては初めての甲子園。この舞台でこんな野球ができるくらいたくましくなったなと思います。
やっぱりちゃんと見てもらえてるって選手たちも嬉しいですよね。
甲子園に出る前からプロ野球選手を輩出したりと、話題ではあった京都国際の育成方法。
困難はまだあるだろうけど、願わくば野球のみでなく人間としても今まで以上に育てられる学校であってほしいです。
甲子園にも出場した某元ドラ1ではありませんが戦力外通告のあとに「野球しかやってこなかったから」という言い訳をさせないよう、野球部員である前に高校生として、社会に出る前の準備もしっかりしてあげてほしいな、と思います。
この先、なにかあれば嫌でも「2024年夏の甲子園優勝校」とつけられてしまいます。
ここからがもっと大変だと思います。
さて、甲子園決勝で関東一高に競り勝った京都国際高校の選手の言葉も少しnumberの記事から抜粋しました👇
「こういう学校なんで、(韓国に)興味あるんだろうみたいに思われるかもしれませんけど、正直、特別な意識はないです。僕は野球をやりにきているんで」(京都国際高校・金本祐伍)
「歌っていると、何かされるんじゃないかなと思っちゃうんで」
長田いわく、なぜ韓国語の校歌なのかという外野の批判的な声は嫌でも目や耳に入ってきてしまうのだという。
「応援されていないような気分になってきてしまいます……」
「昨日ぐらいから、みんなで『優勝したら撃たれないかな』って心配してたんです。校歌を歌うときも最後なんで全力で歌おうと言ってたんですけど、『撃たれへんよな』みたいな感じで。怖かったんですけど、全力で歌えたんで、いつもとは違う校歌でした」(京都国際高校・長田塁)
「ほんとに、今、ここに立っているのが夢みたいで、あの……ほんとに、あの……ほんとに夢みたいで、頭が真っ白といいますか、ほんとに言葉が出てこないです」
「京都国際に入ったのは、小牧(憲継/監督)さんのもとで野球がしたいという思いだけでした。なので入ってから、いろいろ言われていることを知りました。(校歌のことだけでなく)僕たちのことを言われていることもあったので、そこは辛かったんですけど、小牧さんだったり、応援してくれた方々に感謝の気持ちを伝えるには勝つしかなかったので、絶対に勝ってやろうと思っていました」(京都国際高校主将・藤本陽毅)
まだまだ高校生の選手たち、オブラートになど包まず、けっこう思ったことを言ってしまう年頃かと思います。
ストレートに「野球やりに来た」と言ってしまってますし😅
選手にこういう言葉を出させてしまう環境が不憫にもなりますが、その分負けん気は強く育まれたのかもしれませんね。
「ていうかね、そもそもの話が、(京都)韓国学園のときの校歌なんです。僕らが言われたのは、お金がないから変えられない、と。なんていう理由やと思った。京都国際はトリリンガル教育(3つの語学教育)をうたってるんやから、今風にね、韓国語と英語と日本語を混ぜてつくるとか。その方が今どきの世代の子には合うんじゃないかって提案してるんですけど、もみ消され続けてるので。もう学校とは関わりません。僕は正直、学校は嫌いなんで。それは書いてもらっていいです」(京都国際高校・小牧憲継監督)
もうここまでくるとドロドロの韓国ドラマの悪の上司と熱い部下のような世界ですね😅
間違っても学校の経営陣に「自分たちの手柄」とは言わせないでほしい💦
全員が主役でした
一年の力を蓄え、ひと夏に全てをかけて咲き誇る花のように
参加3441チーム全員が主役の夏が幕を閉じました。
第106回全国高等学校野球選手権大会・決勝
決勝戦は史上初の延長タイブレークまでもつれこみ、延長10回表、押し出しの四球と犠牲フライで2点を先制した京都国際が、その裏の関東一の反撃を1点で食い止め、2-1で試合終了。
京都国際が初優勝、京都代表としても68年ぶりの優勝を飾りました。
今大会を象徴するように、本当に一点の重い、ちょっと悪い言い方をすれば打者が目立たない試合となりました。
決勝戦で無得点のまま延長戦というのは1989年、帝京・吉岡と仙台育英・大越の投げ合い以来35年ぶりのことでした。
栄光と挫折を何度と繰り返そうと
これからも共に歩み止めることなく
変わらない想いを強く込めた
湧き上がる希望の唄よ
未来と繋ぐ標となれ
京都国際アルプスから何度となく鳴り響いた「バファエール」
元々はオリックスバッファローズの応援歌ですが、いいメロディーでした。
決勝戦、アルプスを満員に埋めた応援団になんだか安心してしまいました。
国がどうの、校歌がどうの・・
もうこの期に及んでやめていただきたい。
今大会は近年まれに見る印象深い大会となりました。
ネット時代を象徴するようにXやTikTok、Instagram、YouTube等によって数々の話題が瞬時に配信され、スマホの中でその情報を得ることが簡単にできます。
それによって勝敗に関わらず、誰もが主役となるような大会でした。
各校の大応援団、特色のある応援も今大会はこれまでにも増して話題となりました☺️
掛川西、石橋、大社・・アルプスを満員にした模様は壮観でした。
滋賀学園の荒井君、もう固有名詞で検索できてしまいますね😆
もし大会MVPを選ぶとしたら、選んでしまいそうです☺️
ベンチ入りは出来なかったけど、応援団としてここまでやり切るって、この先の人生にとってものすごい大きなことだったと思います。企業が欲しがる人材じゃないでしょうか☺️
自分が高校生の時、ここまで全力でやり切れたか・・💦
こうして応援団にも注目を浴びる大会、高校野球は最たるものでしょう。
下馬評を見事に覆して、あっと驚く結果もありました。
試合以外の振舞いに賞賛が集まることもありました。
今回甲子園に集まった49代表以外にも各地の地方大会で様々な試合がありました。
参加チーム全ての熱、力が集約したものが「夏の甲子園」だと思います。
選手・監督だけでなく、スタンドの応援、御父兄関係者なども含めて「ワンチーム」
日本が誇れる高校野球文化ではないでしょうか。
どのチームが欠けても成り立たなかった、全員が主役の大会も終わり、もう来年夏に向けて新たな戦いは始まっています。
しばらくのロスを感じながら、また一年高校野球を追いかけていきたいと思います😅
最後に、大相撲のような三賞を個人的に😅
複数選んでますがご了承下さい🙇♂️
殊勲賞🎖️大社(島根)
報徳学園、創成館、早実と破りベスト8、大会をより熱いものにしてくれました。
敢闘賞🏅新潟産大付(新潟)石橋(栃木)掛川西(静岡)岐阜城北(岐阜)滋賀学園(滋賀)
岡山学芸館(岡山)宮崎商(宮崎)
新潟産大付、石橋は初出場ながら堂々の夏一勝
掛川西は私学にも引けを取らない野球を展開してくれました。
岐阜城北は智弁学園をあと一歩まで追い込みながらも涙を飲みました。
滋賀学園は応援もさることながら打撃型のチームで夏初のベスト8
岡山学芸館は初戦、二回戦と僅差のゲームを連続完封で初の夏二勝
宮崎商は中京大中京を相手に一時はリードを奪い地力を見せつけました。
技能賞🏆小松大谷(石川)霞ヶ浦(茨城)
小松大谷は初戦で明豊を破り甲子園初勝利をあげると、二回戦では大阪桐蔭相手にマダックス完封勝利で甲子園を驚かせました。
霞ヶ浦も智弁和歌山から甲子園初勝利。スローボールを巧みに使い智弁和歌山打線を翻弄しました。
いよいよ決勝
いよいよ夏の甲子園は決勝を迎えます。
関東一🆚京都国際
東京🆚京都の決勝は史上初。両校共に過去最高のベスト4を超えて創部初の決勝進出です。どちらが勝っても初優勝、夏の甲子園では63校目の優勝校が誕生します。
ちなみに東京が東西代表に分かれた1974年以降
東東京代表決勝進出は3回で優勝二度
東東京時代の早実は荒木大輔を擁した準優勝、帝京が二度の優勝を果たしています。
京都代表の決勝進出は4回で優勝はありません。
思えば京都代表と決勝、相性悪いです💦
京都商、平安、成章、外大西・・
僕は例年観ていて「夏は打力がなければ」という一種の固定観念が生まれてしまっていたのですが
「低反発バット導入元年」の今年、風物詩のように見られた乱打戦、点の取り合いという試合がほとんど生まれていません。
1チーム10点以上の得点が生まれた試合も準決勝終了時点の47試合中わずか2試合
滋賀学園10-6有田工
西日本短大付13-0菰野
大会ホームラン数も準決勝を終えた時点で7本
※2017年最多記録の時で68本、昨年2023年で23本
むしろ一点を争う展開が繰り広げられ、勝ち上がりの学校もそういう展開をくぐり抜けて勝ち残ってきました。
(関東一高)
二回戦 🆚北陸 7-1
三回戦 🆚明徳義塾 3-2
準々決勝🆚東海大相模 2-1
準決勝 🆚神村学園 2-1
(京都国際)
一回戦 🆚札幌日大 7-3
二回戦 🆚新潟産大付 4-0
三回戦 🆚西日本短大付 4-0
準々決勝🆚智弁学園 4-0
準決勝 🆚青森山田 3-2
打たなければ点は取れない、ながらもこれまでのように多少芯を外れても飛んでしまうような打球が見られなくなった中、しっかり守り、作ったチャンスを確実にモノにする展開が多くなった感があります。
守備や走塁にもスポットが当たる場面、たくさんありましたね。
どの試合も楽しんで観れました。
決勝もおそらく1点がとてつもなく重いヒリヒリしたゲームになると予想します☺️