渚 カヲル -4ページ目

第拾壱話 静止した闇の中で

心を整理する為丸亀城の天守閣に行った。

初めは何となく気晴らしに行くだけだった。


けど、天守閣に着きまわりの景色を見ていると、今までの色んな思い出が脳裏に浮かんでは消えたりしていた。


悲しい思い出


楽しい思い出


過ちを犯した思い出

幸せな思い出


それが自分の足跡。

この22年間生きてきた証。



決して誇れる証ではないけど、それがあって今の自分が存在する。




正直今は苦しい…辛い…寂しい。


けど、弱音を吐いてる場合じゃない。

これからの未来を見据えないと…。




やりたい事もまとまった気がした。


まだ経験してない事も沢山あるけど…

とりあえず時給がよくてすぐ稼げる仕事をする考えは捨てて

今やりたい事…雑貨屋の仕事をやろう。

その選択が遠回りになってもいい。


その遠回りを彼女がまってくれるかもわからない。





それは悲しいけど…もう好きだけで付き合える歳じゃない…。


それと、彼女の大切な時間を束縛したくない。


別れたくないと…無知で理不尽なダダはもうこねない。



けど…それでも側にいてくれるのなら…ずっといて欲しい。




まずは今働いている雑貨屋でもっと色んな経験を積んで、将来は就職できるよう真剣に取り組もう。





天守閣に来て良かった。


パワーみたいなのを貰った気がする。



また悩んだりした時は




お世話になります。
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第拾九話 男の戦い

心に詰まっていた何かが吹き飛んだ。


髪の毛を真っ黒にした。


黒くすると大人になれる気がしただけじゃなく…


そろそろ今までの自分との決着を着ける為、何か予兆になることがしたかったから。


何か起きたり、起こさないと、行動しない所が自分の弱い部分だから。


何かしないと、決意がすぐ変わる所が自分の弱い部分だから。


『黒くしただけで?』


鼻で笑われるかもしれない。


笑われても構わない。


それだけでそう思えるのが単純でバカな自分だから。




価値観に少しでも近付きたい。



だから



物事を甘く考えて自惚れていた自分に


子供過ぎた自分に




今度こそ敗北の引導をくれてやろう。

第弐拾話 心のかたち、人のかたち 

ここ3日間考えた事。

おそらく2年で一番考えている。

自分でもはっきりわかるくらいに…。


正直、これまで考える事はあってもその結果はどうにかなると投げやりにしていた。



自分の一番いけない部分に気付いた…確信付けられた。



好きでもどうにもならない現実。


それは、この先交際していても将来性が見えない時の辛い現実。



幼稚な考えのまま止まっている自分。


差を感じ過ぎるまでに成長して大人になっていく彼女。


それが、価値観の違い。



遅過ぎた。



こんな大事な事に確信するのに2年以上も掛かった…。


今振り返ってみると良くわかる。


俺の事を大切にしてくれて…信じてくれていて…気付くキッカケを何度も何度も与えて貰ってた事を…。



気付くころには…俺は大切な人の貴重な時間をかなり無駄にしてた…。



彼氏として…人間として最悪な事をしていた。


その事に気付いていないのに、彼女と繋がっていたい…特別な存在でありたいと思う自分。


そのせいでまた彼女を苦しめ、時間を無駄にしていた。








もう失敗したくない。



この言葉…今なら真っすぐ心に伝わって、辛い思いを痛いほど理解できる。










だから…もう失望させたくない。




勝手な言い分だが、分からず屋の俺の為に…それでも今まで尽くしてくれた2年以上の時間を無駄な時間だったで終わらせたくない。



この先お互いが成長できる付き合いをしたい。


実現させるには…辛い現実があったとしても、目を背けずに、将来と真剣に向き合える事ができるような大人になる必要があると思う。


そうなるにはどうするべきか…。


自分だけの考えではなく、彼女やまわりの人に相談する事を視野に入れていこうと思う。