第拾九話 男の戦い | 渚 カヲル

第拾九話 男の戦い

心に詰まっていた何かが吹き飛んだ。


髪の毛を真っ黒にした。


黒くすると大人になれる気がしただけじゃなく…


そろそろ今までの自分との決着を着ける為、何か予兆になることがしたかったから。


何か起きたり、起こさないと、行動しない所が自分の弱い部分だから。


何かしないと、決意がすぐ変わる所が自分の弱い部分だから。


『黒くしただけで?』


鼻で笑われるかもしれない。


笑われても構わない。


それだけでそう思えるのが単純でバカな自分だから。




価値観に少しでも近付きたい。



だから



物事を甘く考えて自惚れていた自分に


子供過ぎた自分に




今度こそ敗北の引導をくれてやろう。