第一話
しっとりとした転校後の手紙のやりとりは私を寂しくした。
自分の中で後悔の念が芽生えた。
離れてもまだつながっていることの素晴らしさをみせられたようで辛かった。
列車に乗って会いに行く遠野。
降り積もる雪。
なかなか進まない列車。
時間だけが過ぎてゆく。
孤独と不安に迫られながらも一生懸命会いに行こうとする姿は応援せずにはいられない。
それとともに自身の行動力のなさを恥じた。
もっと全力で向き合っていれば…と考えてしまう。
第二話
なかなか縮まらない距離。
ひたすらに想いをよせる少女。
"優しくしないで…"
片想いの経験がある誰しもが思ったことのある気持ちだろうか。
近づくことができないのに、相手にその気はないのに、それも分かっているのに…
優しさは時に残酷なのかもしれない。
第三話
桜が舞う中、心は離れていく。
"振り返る気がした"
振り返るその瞬間電車は通過する。
それぞれの道を…
桜の舞う描写はまさしく春だった。
淡く切ない春。
静かな語り口調がさらに切なくする。
時折重なる二人の声も。
きゅーっとなる。
なぜ人の心は離れてしまうのだろうか。
大きな壁がなくとも。
なぜ途絶えてしまうのだろうか。
あの頃…
恐れなんてなかった。
いつもの日々がただただ続くと思っていた。
忘れていた無邪気さが少しずつ蘇る。