渡哲也と「くちなしの花」 | 松平蘭之助令和日記

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¨歌う映画スター¨でもあった渡哲也(1941~2020)の73年に発売した「くちなしの花」(私の愛唱歌❗)は大ヒット🏆(全日本有線放送大賞金賞受賞)それを受けて制作されたのが、「やくざの墓場 くちなしの花」(東映76)である。



渡氏扮する一匹狼の刑事黒岩(大都会シリーズと同じ役名だ)が暴力団と癒着する警察機構に、反逆の牙をむく実録映画の傑作❗

『石原プロ社史』より転載。


刑事ドラマと観ても充分楽しめるし、この作品は刹那的に激しく生きようとする男女の究極の恋愛ドラマである(キャスティングの中では、梶芽衣子の亭主に扮した今井健二の荒々しい芝居が記憶に残る)

「大都会・闘いの日々」

妹役の仁科亜季子と、



「大都会・PARTⅢ」



「西部警察」




父とも兄とも慕った石原裕次郎と、


芸能界でも一二を争う人格者である渡哲也について、藤浦敦(落語三遊派宗家)は、
「渡くんは俳優の中でも非常にいい奴だった。石原プロが裕次郎亡きあと続いているのは渡くんの人徳」(『だんびら一代藤浦敦』)

また渡氏と共演経験のある丹波哲郎は、
「義理堅い俳優の筆頭は渡哲也。渡とは仕事でも何本か一緒にしたことはあるが、礼儀正しいし、気持ちのいい男で『俳優の先輩』ということであれば、俺はまず好きな後輩として第一に名を挙げる」(『丹波哲郎の好きなヤツ嫌いなヤツ』)と証言している。




日本テレビ時代劇スペシャル第4弾「五稜郭」(1988)では、土方歳三に扮する。

里見浩太朗(榎本武揚)と、



「西部警察WESTERN POLICE 2003」


左から高橋惠子、渡氏、舘ひろし、





渡氏のひょうきんな魅力が見られた「浮浪雲」を絶対に忘れてはいけない。

妻かめ女(桃井かおり)その息子新之助(伊藤洋一)


渡氏が亡くなってまもなく一年。2017年に亡くなった¨演技派¨である実弟の渡瀬恒彦と共に、改めて¨映画スター¨ぶりを偲びたいと思う。