ポッドキャストで歌人の枡野浩一さんが橋本治さんの「青空人生相談所」を絶賛していて読みたくなった。しかしすでに絶版しているそうで、アマゾンではウン万円の値がついているとのこと。これでは手が出ない。もしかしたら地元の図書館にあるかもしれないと思い検索したが見つからず。ただ、似たような一冊で「橋本治のかけこみ人生相談」を発見したため、早速借りてきた。
歯に衣着せぬ鋭い回答は、相談者ではない自分にも刺さった。痛快だ。
とりわけ、あとがきで綴られた幸福についての言葉が胸に残った。
幸福というのは「余分なことを考えなくてもすむ状態」です。なぜかと言えば、幸福なんだから余分なことを考える必要がないのです。「ああ幸福だ」でOKです。この言葉を噛みしめていると、「幸福そうな他人を羨むのはバカらしい」という気になります
また、「自分はあんまり幸福じゃない」と思ってしまったら、思い切ってバカになるのもいい、という。
バカになって「今、自分は余計なことをなにも考えてない」を経験してしまうと、その瞬間に「幸福」です。そうやって、他人のモノサシではなく、自分のあり方を割り出して行くのが、「自分はあんまり幸福じゃない病」を治す道だと思います
思えば、美味しいものを食べているとき、何かに夢中になっているとき、旅行で開放感に浸っているとき、布団で横になって眠れそうなとき、そんなときは他人と自分を比べることなく、何も考えることなく、バカになっている。
バカになれる人は幸せだ。