本橋信宏「東京裏23区」 | やっぱJ-POPが好き 自己満日記

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多くの街ガイド本が取り上げるカフェテラス、公園、イタリアンレストラン、ショッピングモールもひとつの街なら、殺人事件現場、遺体発見現場、事故現場も街を構成する重要なスポットにちがいない

「東京裏23区」の冒頭でこう綴るのは著者の本橋信宏氏。本書はこの考えのもと、本橋氏と実話ナックルズ副編集長の早川和樹氏が東京23区の各区で、主に昭和から平成に起こった事件の現場を探訪しまとめた一冊だ。

 

本書を読まなくても、例えば「○区 殺人事件」と検索すれば数々の事件が出てきて、その詳しい内容もすぐにわかる。ただ本書は現在の現場の様子をからめて事件が語られ、ひき込まれてしまう。不謹慎かもしれないが、残虐な現場が妙に趣あるスポットに感じてしまった。

 

凶悪事件や怪事件に関心のある、もの好きな人ならお馴染みの事件が多いのだろうが、そういったことに疎い自分は驚いてしまう事件ばかりだった。とりわけ、思わず「え!?」と声が出てしまったのは1964年に起こった高島忠夫長男殺害事件だ。世田谷区の上野毛に住む高島忠夫・寿美花代夫妻の第一子が住み込みで働く17歳の少女に殺害された事件である。高島ファミリーにこんな不幸があったなんて、まったく知らなかった。