KANさんやチバユウスケさんの訃報に感傷的になりながら二人の楽曲を聴く日々が続いた。のだが、最近はこんな4枚も聴いている。
ポニーのヒサミツ「ほうむめいど・かうぼうい」
マイペースな雰囲気が流れるアルバムのなかでも「海辺の街から」がピカイチだった。ポニーのヒサミツの朴訥で気の抜けた声とkiss the gamblerの甲高くて朗らかな声の掛け合いがやさしく調和して気持ちがよい。なんだか自分ももっとやさしい人間にならなきゃなと思えてくる。
忘れらんねえよ「いまも忘れらんねえよ。」
飾り気なし、深読み不要、額面通りのストレートな歌詞が痛快に響くアルバムだ。頭を空っぽにしてガツンとヤラレたい、そんなロックなナンバーが多くてシビれる。フラワーカンパニーズ直系といおうか、デビュー当時(2008年)の青臭さと、すっかりおっさんとなった柴田さんの哀愁も感じ、40歳の自分にはグッときてしまう。
小日向由衣「恋愛ハラスメント」
アイドルでシンガーソングライターの小日向由衣のアルバム「恋愛ハラスメント」は、いかにもアイドルソングといった屈託のない楽曲から陰鬱な楽曲まで、陰と陽のコントラストが強く、どこか大森靖子を想起させる。アルバムのなかでもアンニュイ雰囲気が漂う「もしも魔法が使えたら」と、アップテンポでテンション高くで歌われる「天の川ぶち壊す」が好きだ。
サバシスター「マイベストラブ!」
サバシスターしかり、女子だけのスリーピースバンドというだけで未だにチャットモンチーを連想してしまうおっさんの自分がいる。のだが、サバシスターを聴くとチャットモンチーの姿が消え、女子だけのスリーピースバンドの新時代が来たのだと、遅ればせながら思う。オーソドックスなロックナンバーだけど、ボーカルなちのキュートで少しハスキーな歌声が魅力的だ。