( 西洋蜜蜂蜂場 )
西洋蜜蜂をダニ被害で痛めてしまったが、ようやくここまで蜂場が復活した。7月に小群に人工分蜂後、ようやく蜂量が増えてきたところだ。本日あたりから本格的にアレチウリ超大量流蜜が始まったようで、蜂場は騒々しいほどに蜜蜂が飛び交っている。
そんな蜂場には連日、50匹を超えるオオスズメバチの集団攻撃が起き続けており、私の蜂場ではオオスズメバチが多過ぎて秋の蜂群管理には気が抜けない。今朝も見回りに行った時点で既にオオスズメバチ40匹による集団攻撃が起きていた。その後に本日は蜂場に行っていないが、おそらく同じくらいの数で午後には再び集団攻撃が起きていたはずだ。
赤矢印がシャベルを示している。このシャベルで蜂場を囲む電気柵の外側に穴を掘り、そこへダニ駆除のために切り出した雄蜂児を埋めている。本来であれば熊がやって来て掘り返して食べるようなことが無いように電気柵の内側に埋めるべきだが、電気柵で囲った敷地に満杯に巣箱を設置しているので、雄蜂児を埋める場所が無い。
ちなみに日本蜜蜂の場合には、分蜂行動に先だって大量に作られる雄蜂児を切除している。これは雄蜂と同色で見つけにくい未交尾新女王を発見しやすくするための措置で、日本蜜蜂蜂場は熊が多い(本日すぐ近くにも熊が出没した)高原にあるため、切り出した雄蜂児は電気柵の内側に埋めている。上空にハチクマが飛来して [ ピィーーーッ ] と声をかけてくる場合には、電気柵の内側の地上に切り出した雄蜂児巣盤を置いてハチクマに食べさせている。
( 日本蜜蜂蜂場 )
西洋蜜蜂蜂場も日本蜜蜂蜂場も、偶然にして巣門を南に向けている。これと隣り合う巣箱では巣門を北側に向け、このようにして帰巣蜂が列を間違えて帰巣した場合にそこには巣門は無く、元も巣箱へ戻れるようにしている。また、これにより蜂場面積を狭くする事ができる。西洋蜜蜂蜂場では、3列あるうちの最後列が巣門を真北へ向けている。
養蜂家の多くが [ 巣門を北側へ向けることは蜜蜂にとって良くない ] と考えており、養蜂解説書などでも [ 巣門は南か東、または西へ向けること ] と書かれている。だが実際には、私のように巣門を真北に向けて飼育しても、まったく影響が無く健康に蜜蜂は育ってくれる。養蜂の世界は現在に至っても誤った情報がとても多いのが実情だ。
実は私のように列ごとに巣門の向きを正反対にするなど工夫すると、自身の巣箱を離れ、角にある巣箱や目立つ巣箱に集まり入ってゆき、そこの家族になってしまう [ 蜜蜂の偏り(寄り蜂現象)] が起きず、蜜蜂の飼養上とても都合が良い。そのほかにも様々な利点があって、列ごとに巣門の向きを変えたり、隣り合う巣箱どうしで異なった巣門の向きにして飼育すると、 [ 蜜蜂の偏り(寄り蜂現象)] が起きないため各蜂群がとても健康に育ってくれる。
参考までにだが、同じ方向へ巣門を向けて複数列巣箱を設置した場合には、ドンドンと前列に働き蜂が寄り付いてしまって、最後列の巣箱には成蜂が少なめになってしまう事がある。特に薬害を受ける地域でこの蜜蜂の偏り(寄り蜂現象)が起きると、成蜂が抜け出ていかれてしまった蜂群では成蜂量が少な過ぎてチョーク病を発症する事がある。また、成蜂が寄り付いて4段や5段になった蜂群では、不意に自然分蜂が起きて蜂群が出て行ってしまう事がある。また、蜂が寄り付く位置に設置した蜂群は、蜂病群や不良女王群であってもドンドンと蜂が寄り付いて蜂群規模が大きくなるので、蜂病や不良女王に気付けない事が起きてくる。
この寄り蜂現象は、列にして蜂群を置いた場合のほか、森の中に巣箱を置いた場合にも起きてくる。このブログ閲覧者の皆さんも [ 蜜蜂の偏り(寄り蜂現象)] には充分にご注意いただきたい。