連日続いている 50匹ほどのオオスズメバチの襲撃。日によっては80匹ほどになったり100匹を超えた数で集団攻撃してくる事から、既に見つけてある蜂場直近にあるオオスズメバチの巣のほかに複数のオオスズメバチの巣から襲撃に来ているようなので、本日の蜂場パトロールに出向いた時にオオスズメバチを餌付けして追跡してみた。

 

基本的に蜂場から蜜蜂の肉団子を持って帰巣してゆくオオスズメバチは同じ方向へ飛んで行った事から、発見してある巣のその更に先に別のオオスズメバチの巣があるように思えてならないため、帰巣してゆく方向へ 600mほど行ったところに生えているクヌギの樹液を吸汁していたオオスズメバチを餌付けして飛ばしてみた。

 

このクヌギの木は毎年樹液が出てカブトムシやクワガタ、オオスズメバチ、チャイロスズメバチ、モンスズメバチが吸汁している好都合な木で、先日に手斧で幹にキズを付けておいたところ樹液が分泌されて5匹ほどのオオスズメバチで占拠していた。これを餌付けして吹き流し状目印をオオスズメバチの腰に取り付けて飛ばしたところ、何と目の前20mにある藪に飛び込んだ。

 

外勤蜂はアブラゼミような立派な働き蜂で構成されており、地下にある巣の大きさがうかがえた。私の蜂場からわずか600mにこんなに大きなオオスズメバチの巣があったのでは、当然ながら強力な集団攻撃が続く事になる。しかしながら [ 連日の集団攻撃 ] となると、それは更に数個の別な大きなオオスズメバチの巣が近くに営巣していることを意味している。今年のオオスズメバチは営巣数が多く、しかも営巣規模が大きな蜂群が多くて集団攻撃がとても強力だ。

・・・と嘆きつつも、スズメバチ愛好家の私は複数の大きなオオスズメバチの巣の存在に喜んでいる。

 

この巣は、クヌギの幹にキズを付けに来た時には巣の存在に全く気付かなかった。樹液が止まっていてオオスズメバチはクヌギにいなかったし、外勤しに出巣したオオスズメバチは木の上へ向かって垂直に飛び上がってから飛んで行っていたので見えなかったからだ。もっとも、クヌギの幹にキズを付けに行ったのは1カ月前の事なので、本日までにオオスズメバチの巣が大きく成長して成蜂も随分と増加していたのであろう。

 

蜂場の直近に見つけてあるオオスズメバチの巣も本日に観察に出かけると、それまで集団攻撃を繰り返して減少させていた働き蜂成蜂数が羽化出房による補充によってある程度は復活したようで、本日見るとそこそこの頻度で巣門から通っていた。

 

だが、9月末近くになると雄蜂の羽化出房が始まり、その時点で働き蜂の羽化出房は無くなる。よって9月末か10月初めあたりからは新たな働き蜂成蜂は補充されることが無くなるため、オオスズメバチ蜂群内に存在する働き蜂成蜂数は減少の一途をたどる事になる。そう、今日現在、[ 既に今年の働き蜂を生産するための産卵は終了した ] という事だ。巣内に現存する働き蜂蜂児が羽化出房した時点で、今年の働き蜂の生産は終了となる。