私と 社長と るか♪ と るい♪   2 | Blue in Blue fu-minのブログ〈☆嵐&大宮小説☆〉

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嵐、特に大野さんに溺れています。
「空へ、望む未来へ」は5人に演じて欲しいなと思って作った絆がテーマのストーリーです。
他に、BL、妄想、ファンタジー、色々あります(大宮メイン♡)
よろしかったらお寄りください☆

 

 

 

 

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「はい、どうぞー」
 

 

「いただきまぁす

「まぁす

「いただきます…」

 

おばあちゃん子の二人は、おやつの好みも大分、そっち寄り。

特に、叔父さんが送ってくれる本場のずんだは大好物で、ほっとけば何個でも食べちゃう。

 

 

「こら、るか、お前食いすぎ。太るぞ」

「ずるーい。しゃちょーのが、いっこおおいよぉ

「社長は大人だからいいんだよ」

「えー、うそぉ。しゃちょーは、いつまでたってもわがままいっぱいなこどもだって、ままがいってたもん

 

 

「………」

 

まずい…。

 

「ほっ、ほら、るか、大好きなハンバーグ、食べらんなくなるよ。おしまいにしようね~」

 

「…どーせ、我儘で嫉妬深くて、心の狭いどうしようもないガキだよ…」

 

あららー、拗ね宮だぁ。

 

てか、あたし、そこまでは言ってないわよ。

てか、自覚、あるのね。

 

 

 

 

 

おやつも済んで、るかとるいにアンパンマンDVDを見せつつ、社長の買ってきた材料で夕食の支度にとりかかる。

 

キッチンで隣に立って、無言でチマチマ玉ねぎ剥いてるけど…

 

「…で、社長、何があったんですか?」

「…別に、なんもないよ」

 

呟きながら、貼り付いてる茶色の薄皮に手こずってる。

 

なんか、上の空って感じ?

そんなんで、なにもないってコトないでしょ。

 

お口、すっごく尖がってますけど?

 

「言いたい事あるんだったら言ってくださいね。そんな顔のまんまじゃ、来週からの私のモチベーションに響きますから」

「オレ、仕事に私情を挟んだことなんてないよ?」

 

!!ほぉ!! そこは気付いてないと!!

なんて、都合のいい…。

 

しばしの沈黙。

 

あら、ようやく剥き終わったのね。

 

「社長、みじん切り面倒だから、フードプロセッサー使って…」

 

 

…ぐす…

 

 

えっ、ええ…!?

 

「…もしかして、泣いてます?」

「まっ、まさか!」

 

これのせいだよ、って、玉ねぎブンブンしてるけど、目と鼻の先、それに耳まで真っ赤ですけど、

 

「あら、そうですかぁ?」

 

まだ隠すのね。

 

 

 

フードプロセッサーに玉ねぎを入れて、ガーガーやりながら虚ろな目をしてる。

 

 

鬱陶しいんですけど…。

 

「社長、刻みすぎ…」

「え? あ、やべ」

 

みじん切り通り越して、ペースト状の一歩手前になってる。

 

「いいんだよ。っ! るいが食べやすいようにしてんだから」

 

細か過ぎる玉ねぎをフライパンに移しながら、相変わらずお口は尖ったままで。

 

もぉー、めんどくさいったらありゃしない。

 

「大野さん、今日はお出かけなんですかぁ?」

 

食パンを千切りながら、何気無い風に核心に触れてみた。

 

結局、我慢できずにこっちからきっかけを作ってあげてしまうのよね。

まったく、世話が焼ける人だわ。

 

「智なんか知らねーし!」

 

ジュッジュッジュッジュッジュッ!!

 

あー…、そんな荒々しく混ぜたら飛び散っちゃうでしょうに。

 

…まだ、シラを切るつもりね。

 

「浮気でもされましたぁ?」

 

えいっ!

グサッと一突き!

 

「う、うっ、うわっ、うわき、なんて…」

 

え? えええ??

当たり??

 

 

ガリガリガリ……

 

焦げてるよ…。

 

「ままー、なんかくさぁーい

「ちゃーい

 

ガリガリガリ……

 

「社長、玉ねぎに当たんないでください。子供たち、社長のハンバーグ、待ってるんですよ?」

 

カラン…

 

 

「…やり直しだな」

 

ごめんって、小さく笑って焦げ焦げのフライパンをシンクに置いた。

 

…オレら、もう無理かもな…

 

ジャーッと流れる水音に紛れて確かに聞こえた言葉。

 

はぁ? 何言ってんの?

 

社長に向かって失礼かとは思いますが、

 

敢えて。

 

「バッカじゃないの!」

 

ダンッ!とカッティングボードに刺さる包丁。

弾みで転がった卵が社長の爪先に落ちて、割れた。

 

「ままー、ばかっていったひとが、ばかなんだよー

「だよー

 

はっ! マズイ!

 

「そ、そうよね~。ママがバカだね~。ウソだからね~」

 

「ウソもだめ〜」

「め〜」

 

「は〜い。ごめんなさ~い」

 

子供たちの前で、とんだ大失敗。

ふぅ…

 

それにしても、いったい何があったんだか…。

 

「足、動かさないでくださいね。もっと悲惨なことになっちゃうから」

 

キッチンペーパーを手に、しゃがみこんで割れたカラをそっと抓む。

 

「ごめん。リカちゃん」

 

蚊の鳴く様な声…ってか、蚊もビビっちゃいそうなほどの小っちゃい声で謝ってるけど、

 

すみません。

心の声でもう一度。

 

バッカじゃないの?

 

社長、まじ、バカでしょ。

 

あんなに愛されてるのにそんなコト思うなんて。

 

「謝る相手、間違ってませんかぁ?」

 

つい、イラついてしまった。

 

「…そうだよな、あの人が、そんなワケ、ないよな」

 

ポタ…

 

もしかして、今あたしのうなじに落ちてきたのは、涙?

 

 

…ほんと、強がりなくせに泣き虫なのよね。

 

大野さん、《愛しの和》がなんか誤解してますよー。

 

「はいはい、サッサとハンバーグ作りましょ。話は後でいくらでも聞きますからね」

「…うん」

 

「あーあ、卵くん、おいしく食べてあげられなくてごめんね」

「…ごめん」

 

卵に向かってポツリ。

 

さっきより、ちょっとだけ元気になった。

 

うん、ハエくらい。

 

 

 

 

 

 

 

「しゃちょー、お手伝いするっ

「するっ

 

アンパンマンが終わって、トタトタやってきた子供たち。

 

「よし、じゃぁ、手袋してこのお肉、コネコネしてもらおうかな」

「はーい

「ぁーい

 

 

 

社長、美味しいの、お願いしますね。

 

 

 

涙の隠し味なんて、いりませんからね?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

つづく。

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