Blue in Blue fu-minのブログ〈☆嵐&大宮小説☆〉

嵐、特に大野さんに溺れています。
「空へ、望む未来へ」は5人に演じて欲しいなと思って作った絆がテーマのストーリーです。
他に、BL、妄想、ファンタジー、色々あります(大宮メイン♡)
よろしかったらお寄りください☆

○「空へ…」は、大宮さんメインだけど、嵐の5人に出演していただいた、絆がテーマのストーリーです。

ものすごーく長いけど、だんだんおもしろくなってくると思います(←The 自己満!)

○他のお話は、嵐さん(大宮メイン)の日常や、ドラマのワンシーンをイメージしたものです。

ちょっと 腐 が入ってますけど、ソフトタッチしか書けませーん((;^_^A。


よろしかったら、お入りください♡


NEW !
テーマ:

 

 

 

《 和也 》

 

 

 

 

渋谷駅までの10分ほどを、半ば走るように歩いた。

それから私鉄に乗って指定された駅を目指す。

 

昼でも夜でもない半端な時間帯、ガラガラの車内の隅っこのシートに座る。

 

「○○○…、か…」

 

呟いてみる。

数えるほどしか乗ったことのない路線、初めての駅。

 

(えと、自由が丘で乗り換えて…)

 

   

早く着いて欲しい様なこのまま乗っていたい様な、まるで雲の上を歩いているみたいなふわふわの心と身体が、どうにも心許なくてつい何度も見上げてしまう。

 

あまりの急な展開に、これは現実ではなく都合のいい妄想なのではないかと頬を抓ってみたり。

 

あの人はどういうつもりで自分を呼んだのだろうか。

たった一度しか逢っていないのに、なぜあんなことを言ったのだろうか。

 

いくら考えてもはっきりとした答など出てこない。

 

 

…好き 全部好き 

 

 

耳に残る柔らかな声。

自分こそ彼の何も知らない。

なのにさっきのことばの余韻だけで胸が疼いて苦しくなる。

 

全く、どうかしている。

 

はぁ…

 

「…大丈夫ですか? 苦しそうですけど…」

 

不意の声に顔を上げれば、正面に座っている若い女性が心配そうに和也の顔を覗きこんでいた。

 

「いっ、いえ、大丈夫です。なんでもないです」

 

ちっとも大丈夫そうではない真っ赤な顔で取り繕う。

 

「…そう? ならいいですけど…」

 

(シャンとしなきゃ!)

 

引き攣った笑顔を作って背筋を伸ばす。

 

少し気まずい空気が流れて、視線を泳がせている内に電車が次の駅に到着した。

目的の駅だったらしく、女性は立ち上がると和也に小さく会釈して電車を降りて行った。

 

優しい笑顔、整った横顔、背中に揺れる長い髪、華奢な手首の先の白いスラリとしたキレイな手、細いヒールの上の形のいいくるぶしとアキレス腱。

 

 

 

(素敵なヒトだな)

 

動き出した電車の窓から、小さくなるその姿を追う。

 

外見だけではない。

さりげなく人を気遣うことの出来るオトナの女性。

 

ハッとする。

 

改めて、自分の性に気付く。

 

(大野さんは、普通に女の人を好きなんじゃ…)

 

いきなり耳に飛び込んできた言葉に囚われて、大事なコトを忘れていた。

 

でも、それならあんなことは言わないはず。

 

乗り換えの駅に着く。

反対側のホームにタイミングよく入ってきた電車のドアが開いて、和也は疑問符を抱えたまま乗り込んだ。

 

それとも、自分が思う好きとは全然違う意味なのかもしれない。

 

(でも、イくって…、ああ~、もうっ!)

 

思考がグルグルと無限ループに陥って乗り物酔いの兆候が出始める寸前、電車は降車駅に到着した。

 

膝が微かに震えているが、

 

でも、と和也は覚悟を決めた。

 

(あやふやなままでいるのはいやだし、何よりも、アノ人に逢いたい)

 

和也は足を踏み出し、ホームに降り立った。

 

取り敢えず、進まないことには何も始まらない。

 

 

(始まるかどうかも分からないのだけど…)

 

 

 

 

 

 

 

 

「かず♪」

 

 

智は改札口の真ん前で和也を待っていた。

いきなりの登場に、思わず足が止まる。

すかさずチャイムが鳴り響き、改札口が閉じて出られなくなってしまった。

 

「うわ、わわ…」

「ふふ、何やってんの?」

 

アタフタと引き返し、端っこの駅務室前の出口に回る。

ペコペコ室内の駅員に頭を下げながらガラスの前を横切り、どうにか外に出ることが出来た。

 

(最初からこんなんじゃ先が思いやられる)

 

クスクス笑っている智におずおずと近づく。

 

「こんにちは…」

 

おまけに、喉からようやく絞り出した声は、緊張のあまりガサガサに掠れていた。

 

「どうした?声、ヘン」

「ぅわ、だっ、だいじょぶれす」

 

いきなり額が付くほどに寄せられた顔に、今度は声が裏返る。

 

「ぅははは…」

「////そんなに笑わなくても…」

 

やることなすこと、全てが格好悪い事この上ない。

 

「ふふ、早く行こ。車、コンビニに停めてるから」

 

 

「あ………」

 

なのに、智は何のためらいもなく和也の左手を掴んだ。

私鉄の小さな路線の小さな駅、だが駅前のロータリーだ。

いい大人の男が二人、手を繋いでいい場所では決してない。

 

人も、結構…いる。

 

「おっ、大野さん、手を…、ダメですってば」

「そっちこそダメじゃん。さとしって呼んでって言ったでしょ?」

 

言葉が通じてないのではないか。

和也はバタバタと歩きながら、キツク握られた手と以外と広い背中を交互に見遣る。

 

「ほら、急いで!」

 

いや、そうではない。

慌てている和也を面白がっているのだ。

 

智は上機嫌な顔で振り向くと、尚もグイグイと腕を引っ張っていく。

 

結局、手を繋いだまま円形のロータリーを半周してようやくコンビニに着いた。

 

(車…って…?)

 

駐車場にはバイクと自転車と軽自動車が一台ずつ停車しているだけだった。

その唯一の一台にも運転席に人がいる。

 

 

だが智は足を止めることなく、黒い軽自動車に近づいていく。

 

「お待たせー」

「遅いよー。店に申し訳なくて、飲みたくもないのにお茶買っちゃったよー」

「ごめん、ごめん」

 

運転席の男性が、言葉とはウラハラな怒りなど欠片も無いのんびりとした口調でペットボトルを見せる。

軽く後ろに撫でつけた無造作な白髪と、目尻に深い皺を作って微笑む男性は、智よりも大分年上のようだ。

 

(親戚の人だろうか)

 

乗って、と智が後部座席のドアを開けて和也を促す。

 

「はい…」

 

男性に軽く頭を下げて座席の奥に座り、続いて乗り込んできた智と二人、小型車のコンパクトなシートに並んで収まる。

 

(マズイな…)

 

和也は思わず俯いてしまった。

こんなに狭い空間にいては、さっきからずっと騒ぎ続けている胸の鼓動が智に伝わってしまう。

 

和也はさり気なく体を離して隙間を作ろうとした。だが、その分智が体を寄せてきて、結果、益々ピタリとくっついてしまった。

 

(わわわ…)

 

「急に呼び出されて大変だったね。そんなに真っ赤な顔してさ。ずっと走って来たみたいな? ふふ、はい、これどうぞ」

 

運転席の男が振り向いて、揶揄うようにニンマリ笑ってペットボトルを差し出した。

 

「ありがとうございます…」

「そうか、君が和くんか」

 

50歳台後半、いや、60台前半か、人の良さそうな柔和な笑顔だ。

 

…どこかで見た様な…

 

「龍ちゃん、あんま、見ちゃダメ。おれンだから」

「いいじゃん、結構長い付き合いなのに、初めてなんだよ? 大ちゃんの想い人に会うのって」

「へへ、イイだろ」

「うん、すごくいい。あー、僕がもう少し若かったら…」

「ダメだってば。ほら、早く車出して」

「ハイハイ」

「おれんちね」

「解ってるよ」

 

ポンポン交わされる言葉に目をキョロキョロさせながら、ハッと気づく。

 

「あ、あの、龍ちゃんって、もしかして芸術家の…」

「あ、もう気付いた?そうだよ。でも気にしないで。龍ちゃんは龍ちゃんだから」

 

気にするなと言われても、相手が偉大過ぎてそうはいかない。

創作活動に携わる人間なら、誰でも一度はその画集を手にしたことがあるのではないかというほどの大物だ。

畑違いの和也でさえ、その作品の色合いや構図を制作の参考にしたことがある。

 

「で、でも、人間国宝候補の…」

「あー、その言葉は禁句」

「そうだよ、和くんも僕のコト龍ちゃんって呼んでね。君みたいな可愛いコが呼んでくれたら、僕、嬉しいな」

「…なんか、勿体ない。かず、おっちゃんでいいよ」

「えー、何でだよぉ、龍ちゃんって呼んでよぉ」

「だめー」

 

いいのだろうか。

偉大な芸術家に、日本のお宝にこんなタメ口で。

 

「あー、違う。そこ左だよ。もー、通り過ぎちゃったじゃん。龍ちゃん、呆けたんじゃんない?」

「いけね、和くんに見とれてたらついうっかり」

 

…こんな、失礼なコト、言って。

 

「見ンなってば!」

 

呆然としている和也を、ミラー越しの視線から遮るように智がガバと抱き締めた。

気持ちイイ…、などと首筋に顔を埋めてくる。

 

「かず、キス、しよ」

 

 

…え? 今なんて?

 

と思う間もなく、唇が重なる。

 

声だけで蕩けて疼いて具合が悪くなるほどだったのに、こんないきなりキスなんて…

 

「あれ、かず?」

 

熱くて、甘くて、柔らかくて、

 

 

身体からトロトロ何かが蕩け出す。

 

 

「…かず、かず…」

 

 

声が、遠ざかる。

 

 

きっと、僕、雲の上まで昇った。

 

 

落ちたくない。

 

 

降りたくない。

 

 

大野さん、いや、さとし、ずっとこのままでいて。

 

 

 

…始まった、んだよね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

続く。

 
ポチッと押してね♡

 

 

 

 

 

 

AD
いいね!した人  |  リブログ(0)

AD

ブログをはじめる

たくさんの芸能人・有名人が
書いているAmebaブログを
無料で簡単にはじめることができます。

公式トップブロガーへ応募

多くの方にご紹介したいブログを
執筆する方を「公式トップブロガー」
として認定しております。

芸能人・有名人ブログを開設

Amebaブログでは、芸能人・有名人ブログを
ご希望される著名人の方/事務所様を
随時募集しております。