2019.8.19
蟹おじさんに魚をもらった話
あんまり部屋の中ばかりにいるのも何なので、外の空気を吸いに出てみました。
港に行けばティコティコに会えるかもしれない、と手作りのタコ餌木を持って出かけました。
港の薬局のサインは、16:30現在・気温18℃を表示しています。
街を歩いている人々の服装は、長袖の上着と長ズボンの人が半分以上となり、早くも秋の足音が忍び寄って来る気配すら感じます。
私が岸壁をぶらぶら歩いていると、橋の方からティコティコがこちらにやって来るではありませんか。 (小さな街なので、その人の行動パターンを読んでその場所に行けば、かなりの確率で会うことが出来るのです。)
「おー、会いたかったんだよ。僕が作ったこのタコ餌木はどうかな?」と言いながら袋から取り出して見せると、「ハハハ、作ったのかい? 良い良い、Bueno、Bueno.」と言いながらも、指で鈎を作って、「返しがあった方がいいな」というようなジェスチャーをしてみせます。
なるほどカンディードが言ったのと同じ意見の様です。 私のタコ餌木は改善の余地ありということが判りました。
ふと、漁港の倉庫の方を見ると、ジンが魚を捌いていました。
一瞬、前にも同じ情景を見たような、デジャヴー感に襲われました。
彼が捌いていたのは鮫のようです。他にも色々な魚が無造作にトロ箱に入っていました。
ジンの横でニコニコ笑いながら見ていた漁師風のオジサンに名前を聞くと、「オレはエミリオだよ。」と教えてくれました。
そして彼は港に停泊している漁船を指さして「アレは俺の船なんだ。」と言います。 見るとそれは以前私が写真に撮った≪フクロウ≫の船でした。
そこにもう一人、漁師風の若者が車でやって来たので「オラ」と挨拶しました。
彼の名はダビデだそうです。ダビデはほんの少し英語が出来るようだったので話をしました。彼らは今晩深夜2時頃沖に向かって出漁し、明日の午後に帰ってくるのだそうです。
「僕も乗せてよ。」というとダビデは「ライセンスの無い人を乗せると問題になっちゃうんだ。」と言っていました。
こんどバルケラに来る時には、日本の大漁旗を通販で買ってフクロウの船のマストに飾ってもらおうと思いました。
ジンが魚を捌き終わるのを待って、一緒に途中まで肩を並べて帰り、分かれ道で「ジャーね」というと、彼は魚が入ったズシリと重いビニール袋を差し出し、持って行けと言います。
ジンは自分用に数匹だけ別の袋に入れて持っていて、彼がせっかく捌いた殆どの魚を私に持って行けと言うのです。
「こんなに食べられないよ。一匹で良いから。」と言っても、強く押し付けます。
止む無くお礼を言って、ありがたく戴くことにしました。
アパートに帰って、袋から魚を取り出してみると、写真のように沢山の魚が入っていました。
早速、1時間ほどかけて、全ての魚をきれいに下ろしました。
取り敢えず、鮫を天婦羅にして食べてみると、その旨いコト!
ビックリするほど癖が無くて美味しい魚でした。
ネットで調べてみると、鮫の名前は アブラツノザメ あるいは ホシザメ のようです。
バルケラでの滞在は8月24日まで、実質あと5日しかありません。もう魚を買う必要は無さそうです。
先程、ジンが魚を捌いているのを見た時のデジャヴ―感の理由が判りました。
去年も全く同じような体験をしていて、ジンから魚をもらったのでした。
その時の記事はこちら⇒ https://ameblo.jp/1214yyano/entry-12469316346.html