車までは徒歩3分程で到着する。
生暖かい空気が体にまとわり着く感じがして、少し汗ばんできやがる。

俺は不快感をあらわにし足早とエアコンのある車へと向かった。

「歩くのが速い!」

振り向くと彼女が少し頬を膨らませ小走りで近づいてきた。

「捕まえた♪」

そう言いながら、俺の腕にしがみついた。

ただでさえムシ暑い夜なのに、よけいに汗ばんでくるではないか…


……
………
素晴らしい!
俺の腕に思い切り胸が当たってるではないか!!
そう…彼女が巨乳だったのを忘れていた。
俺の乳サイズ探知機での測定値は……

最低でもGカップ!

神様、ありがとう!!

俺は心の中に奈良の大仏様を思い浮かべながら、胸の前で小さく十字をきった。

「腕…組んでもいい?」

彼女が不安そうな顔で話しかけてきた。

当然!
いや…御願い致します。
だって胸が当たって心地良いので♪

…なんて言えません。

「好きにしろ…」

タバコを取り出し、スケベづらを必死で隠した。

いつからだろう…
腕を組んで歩く事など望まなくなったのは…


『堕ちて…逝くのか…

背負いし者よ

灼熱の道を……歩くのか?

絶対零度の哀しみ…しか…

愚か…な…

全ては………』


えぇい!!何なんだ…この声は!?

全てを薙ぎ倒す不快感…

苛立つ!

壊したい…何かを…

心の奥底に潜む、俺のもう1つの顔が叫び続けた。
…で、どこへ行こうか?
融通がきいて、俺を格好良く演出してくれる店…

頭のパソコンに以上のキーワードを入力して検索した結果…

該当する店は1件です。

上等だ!
その店で終わらせてやるから!!
その店を出る頃には、彼女は俺に堕ちている……

そう…俺は、恥ずかしがり屋さんで格好つけの巨乳フェチで、なおかつ亭主関白のナルシストで根拠の無い自信家なのだ。


………
大半のお父様方は、こんなヤツに可愛い娘を絶対にやらん!!
と、言うだろうな…

まぁ、そんな俺だが32年も上手くやってきたのだ。今さら治る訳がない。

さて、妄想はこのくらいにして行動に移ろうか…

「俺の知り合いの経営している店があるんだが、行くか?」

行くのは分かってるのだが確認してみた。
もしかしたら…このままホテルに直行♪
…と、素晴らしいパターンもあるからな。

「うん。行こ♪」

………そんな素晴らしいパターンは無いらしい。

彼女の嬉しそうな顔で放たれた一言が、俺の心を砕いた。

「じゃあ…行こうか。」

俺は店のドアを開けて、生暖かい外の空気を吸い込んだ。

そう…まさに今から戦場に向かう戦士の様な顔で…

しかし、目は完全にエロ親父になっていた。

今の俺の顔を警察が見たら、間違いなく職務質問するだろう…