危機説、解散説はほんとうか?
フィンガー5、この1年の総決算!
デビュー以来、この1年間になんとレコード500万枚以上を売りまくったフィンガー5が、8月26日、東京ヒルトンホテルで『1周年記念パーティー』を開く。
概算の数字でいうと、『個人授業』145万枚、『恋のダイヤル6700』158万枚、『学園天国』105万枚、現在ヒット中の『恋のアメリカン・フットボール』60万枚。
まったく宣伝しなかった『フィンガー5のクリスマス』が10万枚、アキラが単独で吹込んだラジオ番組のキャンペーン・ソング『つばさがあれば』が20万枚と、これだけで約500万枚になる。
ほかに『個人授業』『学園天国』のLPが各20万枚、アキラだけのLP『ぼくの好きな歌』が10万枚。とにかく途方もないミリオンセラー・メーカーなのだ。
こんなに売れたら蔵がニョキニョキ建つだろう、金がうなって使い道があるまいと、よけいなお節介をやくやつもある。
だがフィンガー5だって、さんざん苦労した時代があった。
彼らは彼らの不屈な意志と、不断の努力で、ラッキーチャンスをつかんだのだ。
だからこそ、喜びも大きい。
デビュー後しばらくは、事務所から5人一括で30万円の給料をもらっていたが、今はそれが50万円にアップした。均等に1人10万円ずつ分配している。
この給料のほかに、レコードの印税収入が大きい。
そこで5人めいめい1冊ずつ預金通帳を持ち、別に印税専用の通帳が1冊ある。
中身はどうか?
「1人分の月10万円から、適当に小遣いを取って、残りは必ず貯金してるんです。足りなくなっても通帳には手をつけず、お母さんから前借して、次の給料で埋め合わせちゃう。だからデコボコはあるけど、みんな着々と貯金を増やしてますよ。印税の方はさあ、どのくらいかな?そっちはお母さんが管理してるんです」
印税は歌のほかに、作詞作曲料もあるから、推定数千万円はカタイと思われるが、新しい家を買ったりした出費も大きいので、まだそうは残せないだろう。
それでも1年前を思えば、ユメのようだ。
移動用のマイクロバスを買った月賦金も、もう払い終わった。
26日の記念パーティーで、レコード会社が特別注文したトヨタ製約500万円の素晴らしいクルマをプレゼントしてくれる。
ベットが4つに応接セット、冷蔵庫、テレビもちゃんとある豪華な大型車だ。
これでフィンガー5の機動力は、さらに倍加する。
"危機の噂"なんて大笑い
アキラの"ボクは二枚目"宣言
というのに、ある週刊誌が縁起でもないウワサを書き立てたのだ。
「アキラが単独でレコードを出したばかりに、フィンガー5にピンチが来た。すでに5人は将来の身の振り方を考え、一夫は実業家に、光男は新しいバンドを結成、正男は作曲家になり、晃はマチャアキのような二枚目半のコメディアンに、そして妙子はドラマタレントになる」というのである。
本人たちが何も知らないうちに、将来のことまで勝手に決められ、びっくり仰天。
その記事を見ていっせいにゲラゲラ笑い出したが、アキラが口をとんがらして、
「なんでボクが二枚目半なんだよ?歌はうまいし、カッコはいいし、どこから見てもレッキとした二枚目。コメディアンだなんて、見る目ないなあ!」
これでまた大笑い。
妙子も「俳優なんてヤーダ」といってるし、フィンガー5がバラバラになる心配はまったくない。
父親の松市さんがガンコで、いまだに芸能界をきらっているとも書かれたが、これも根拠がない。
げんに松市さんは6月末で、それまで勤めていた会社をやめ、積極的にフィンガー5の総括的な管理をすることになった。
「これほど好きで打ち込んだ道なら、どこへ出しても恥ずかしくない芸人にきびしく育てます。私の子どもに食わせてもらうのではなく、力をあわせ、額に汗して働かなくては」
と、がんばっている。
夏休みのフィンガー5は、北海道公演、沖縄のチャリティショーでファンを発狂させ、22日から4日間は浅草・国際劇場で1周年リサイタルを開く。
「ぼくたちの本番はこれからです。この1年間の体験をプラスにして、もっともっとダイナミックな、素晴らしいフィンガー5にしてみせますよ!」
ますます燃えさかるのだ。