フィンガー5の一夫が大まじめで不動産屋修業 | フィンガー5ファンブログ

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フィンガー5の一夫が大まじめで不動産屋修業


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一夫はいま、厳密にいえば堀越学園高等部3年だが、あとは出席日数が7日足りないだけで、そのノルマさえ果たせばいつでも卒業できることになっている。

つまり、もう卒業したも同然ということで、この4月末から某不動産会社で仕事を手伝っている。

だが、なんでまたよりによって不動産屋へ?


商売の天才と社長も激賞

だが月給はタダ




社長への恩返しと

経営学の勉強を兼ねて


むろん歌手をやめたいわけではないから、まともな意味での就職ではない。

「ぼくはほぼ学校から縁が切れたけど…」と、一夫が言う。

「弟や妹たちはみんな学校があるから、仕事のために全員集合するのは、早くても午後の3時でしょう。ぼくだけが時間をもてあましちゃうんですよ。ギターの練習や作曲の勉強をしていてもいいんだけど、それだけだとダレちゃうから、外へ出て働きたかったんです」

彼がつとめ始めた緑地協会KKは、都下、国分寺市にある。

玉元家のある武蔵大和からは電車で15分。朝は10時すぎの出社だからけっこう朝寝もできる。

「私たちは朝8時に起きて学校へ行かなくちゃならないのに、カズ兄ちゃんは寝坊ができていいなア」と、末っ子のタエちゃんがうらやましがる。

3〜4時間働いて、夕方からはフィンガー5としての仕事に入る。

土曜日曜は地方の仕事があるから会社は休み、という気ままづとめである。

その代わり、交通費自分もちで給料はタダ。

なんとまアもの好きな、というなかれ。もちろん理由がある。

一家が沖縄から出てきた昭和43年、今はない後楽園野外ステージで一夫がアキラやタエちゃんにレッスンをつけていた。

それをたまたま見ていたのが緑地協会KK社長の高田紘一郎さん。

「一夫クンもまだ小さかったが、タエちゃんに至っては5つか6つでしょう。オルガンの上に顔が出ないで、指だけを乗せて弾いている。見るからにほほえましい、これは人気が出るんじゃないかなと思って、思わず声をかけたんです」

高田さんは、神奈川県の三浦海岸に海に家を持っている。

「それを提供するから、よかったら合宿でもしてみたら」

きょうだいは高田さんの好意に甘え、その夏40日ばかり、三浦海岸に合宿してレッスンを積んだ。秋にはその成果をもとにして「ベイビーブラザーズ」(フィンガー5の前身)としてデビューすることになる。

そのころ一家は都心の千代田区九段に住んでいたが、レッスンがうるさいといって近所から苦情が殺到していた。

そこで間もなく東村山市に引っ越したが、きょうだいが成長するにつれてそこも手狭になったので、この3月15日、前述の武蔵大和に家を買って引っ越した。

この2度の引越しも、すべて高田さんの世話である。

つまり高田さんには公私ともに一方ならぬお世話になっている。

その高田さんがこのほど一夫に、「人手が欲しいんだけど、キミの友だちで誰かいないかな」と言った。

たまたま高校卒業のメドのついていた一夫が、

「ぼくでよかったら使ってくれませんか」と言ったのだ。


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「これ以上小遣いを締めあげられたら」と

アキラも妙子も大恐慌


一夫はもともと、高校を卒業したら、大学に行くよりも、専門学校みたいなところで実戦的な経営学を勉強したいと思っていた。

父の松市さんは、子どもたちの音楽への夢を満たすために東京に出て来てからはサラリーマンになっているが、もとはといえば沖縄で2軒ものクラブを経営していた実業家である。

その松市さんの目から見ても、「きょうだいのなかでは一夫がいちばん経営の才能はあるようですな」ということだ。

一夫自身、「ベイビー・ブラザーズ」の名前でキャンプ回りをしていたときには、マネージメントの仕事いっさいを自分でとりしきり、苦労もしたが、そういう方面での自分の才能を発見するきっかけにもなった。経営の仕事を基礎から勉強してみたいと思うようになったのも、その頃からだった。

「だから、高田さんの会社では手助けしているというよりも、勉強させてもらっているんです。経営学の学校へ行く代わりにここに入れてもらったんだから、給料はタダであたりまえ。ほんとはこっちから月謝を払わなくちゃいけないんですよ。第一、取引の現場にいるわけだし、わからないことは社長がなっとくのいくまで教えてくれるし、学校に行くよりずっと勉強になります」

それで恐慌をきたしているのが弟たち。

というのは、フィンガー5になってからはマネージメントは所属プロダクションがやってくれるが、一夫はいまでも弟たち4人に対する管理権は放棄していない。

プロダクションから支払われる5人分の給料は、いったん一夫のところにプールされる。

そのなかからまず1人アタマ1万円を母に預け、それぞれの小遣いを差し引いた残りは、ぜんぶ一夫が銀行に持って行ってしまう。

「その小遣いの査定がきびしいんだよ」

と、弟たちを代表してアキラがボヤく。

「ぼくだっていろいろと買いたいものがあるじゃない。だからもっと小遣いがほしいといっても"1日300円なら余るはずだ"なんていうんだもん、わかってないよね。経営学だかなんだか知らないけど、そんなもんの勉強されたら、これからますます厳しくなるんじゃないかなあ」


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唯一の弱点は女性アレルギー


だが、一夫に言わせれば、弟たちこそわかっていない。

武蔵大和の新居は10年の銀行ローンで買った。

「オレは子どもたちに食わせてもらってるんじゃない」という父・松市さんの頑強な主張もあって、家は子どもたちの名義になっている。

この銀行ローンの件について、社長の高田さんは一夫の才能にびっくりしたことがある。

「物件は確かに私が世話したんですが、銀行ローンは一夫クンが自分でワクを取って来たんです。ご承知のような金融引き締めで、とくに不動産関係のローンは玄人でもなかなか借り出せない。ところが一夫クンは、1人で銀行の支店長に会いに行き、それもフィンガー5の一夫としてではなく、玉元一夫という1人の青年として、理詰めで支店長をなっとくさせてワクを取ってきたんです。これには感心しましたね。

たいへんな才能ですよ。いうならば10年選手の営業マンを一本背負いで投げ飛ばすみたいな、もって生まれた才能です。冗談半分にいえば、歌手にさせのくのは惜しいような気もしますね」

むろん一夫も不動産業者になるつもりはないし、高田さんも直接商売に結びつけるよりも、経営の基礎といったものを一夫ひ教え込もうとしている。

半月ぐらいの勤務では、まだその成果を云々するには早いが、さすがは商売の天才、

「ときどきは社長や会社の人たちといっしょに建売りの物件なんか見に行くこともあるんだけど、最近は玄関を入っただけでその材質や何かからおおよその値段ぐらいは見当がつくようになりました。しかし、やっぱりいちばん勉強になるのは、会社としての金もうけの仕組みとお客さんへの接し方ですね」

だが、天才・一夫にも弱点はある。女性アレルギーがそれ。

「ファンの女の子でも、高校生ぐらいになると、握手しているとき顔では笑っていても、内心冷や汗タラタラなんですよ。まして最近、社長のお伴の夜の接待に駆り出されることもあるんだけど、香水をつけた女性がそばに来るだけでジンマシンが出ちゃうんです。オヤジさんからよく"これも経営勉強のうちだ。19才にもなっておまえはだらしがないって"いわれたんだけど、こればっかりはどうにもならない。なんとか口実をつけて逃げ出しちゃうんです。でも、やっぱりこれじゃいけないんでしょうねえ」