2.褒める子育ての危険---コントロール
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□□□ (1) コントロールとは
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●子育てや保育は、とっても重労働。ついつい、子どもを「意のままに動かしたい」「コントロールしたい」と思ってしまっても、おかしくはありません。
例えば、幼児期の例でお話してみたいと思います。
<<幼稚園や保育園でよくあるシーン。>>
お絵かきの時間なのに、クレヨンを投げて遊ぶ子どもたち。
「お母さんの顔を描きましょう」と言っているのに、ぞうさんを書く子ども。
切りがありません。
●そんな時、
「何しているの! クレヨンは投げるものじゃありません! お絵かきしなさい。はい、座って!」
「お母さんの絵だっていったでしょ。ぞうさんなんか描いて遊んでないで、お母さんの絵を描きなさい!」
などと叱ってしまいがち。
叱ってばかりいると、子どもはだんだん萎縮してしまいます。
大人(保育者)も、気分が良いものではありません。
で、褒めちゃうんですね。
「あら~、さゆりちゃん、よくできたわね。みんな、見てごらん。さゆりちゃんが、上手にお母さんの絵を描いてるよ。」
子どもは、どうするでしょうか。
「ほう、こうすれば良いのか」―――さゆりちゃんの真似を始めます。
おとなしく椅子に座って、
時には、少し描くごとにさゆりちゃんの絵を見ながら、
真似して描きます。
●褒めることで、子どもをコントロールするとは、こういうことです。
子どもたち全体が扱いやすくなるのです。
これが、特に幼児期に陥りやすい「コントロール」の危険。
(もちろん、修学後にも危険な褒め方。子どもの理解力が高まるため、褒め手もより巧妙になっていきます。)
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●では、褒められたさゆりちゃんは、どうだったでしょうか。
「えへん、私は、ちゃんとお絵かきできて褒められた」
と、ちょっと鼻が高いと思うかもしれません。
しかし、根底のところでは、
「よい子にして先生の言うとおりにしたから、褒められた」
って、わかっているはずです。
●いつか、
「絵を描きたくないと思う自分」や
「今は、はしゃいで遊びたいと思う自分」や
「ぞうさんを描きたいと思う自分」が現われたとき、
そんな「ありのままの自分」を認めてあげられるでしょうか。
いつのまにか、「先生が求める自分」にアンテナを立て、
期待に沿う言動をしてしまうのではないでしょうか。
●子どもは、大人の愛情を求めています。
親御さんや、まわりの大人が、子どもをコントロールするような褒め方を繰り返していると、子どもは、その愛情を失いたくないために、大人の意向に沿う行動をしようとします。
自分が本当に感じたこと、考えたこと、したいことを言葉に出せなくなったり、本当にしたいことをあきらめてしまったりしがちです。
結果、子どもの自分らしさ、すなわち「個性」が伸びないし、主体的にチャレンジする気持ちが十分に育ちません。
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では、どういう褒め方が良いのでしょうか。
幼児期に重視すると良いのは、
「言い方」ではなく「スタンス」だと思っています。
具体例を挙げながら、自己肯定感を育てやすい「スタンス」をご紹介したいと思います。
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2.褒める子育ての危険---コントロール
(2)萎縮させる褒め方・伸び伸び育てるスタンス
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幸せな子育て・自分らしさの追及のヒント
を書き溜めています。
梅田幸子⇒http://with-c.net/
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