こたつたこ | かたばみ日記

かたばみ日記

 好きなものは野辺の草花、古い音楽、二匹の老猫、温かい紅茶と読書の時間。息子は大学生、娘は小学生です。





娘のピアノ。




娘は、先生がお話ししているときにも
落ち着きなくピアノを触ってしまう。
天狗山では、先生も少し厳しく
「お話をきいてくれる?」と
娘の手を制していた。
私もそんな娘を見ていられなくて
「お話、聞きなさい!」と
小声で叱ったりしていたんだけど
まあ聞きゃしない。







いつも、帰りの車のなかで
あのさあ、あんたどーしてちゃんと
先生のお話聞けないの!?
だからいつまでたっても
上手にならないんじゃないの!?
なーんて、ブチブチ小言が止まらないわけです。







今度の先生は音楽療法士さんなのでね、
私は口を挟みたくなるのを
ぐっとこらえ、先生に任せている。






相変わらず、先生が話していても
おかまいなしに弾いている娘です。
おい!
私がにらみつけているのにも
もちろん、気づかない。
喜びの歌、新世界、もろびとこぞりて、
いつも何度でも、茶色の小瓶、
天国と地獄、ラデツキー、こたつたこ……
お気に入りの曲を次から次に
そりゃもう夢中になって弾いている娘を
先生は楽しそうに観察している。







そして、やっと弾くのを止めた瞬間
「いろんな曲を知ってるのねえ!」と
にっこり娘の顔を覗き込む。







うまい!







独身の先生が
ペアトレを勉強したことがあるのかは
知らないけど、まさに
「問題行動は無視し、良い行動は
すかさず褒める」っていうヤツでした。







娘はせいせいした顔で
先生の指示通り
指の練習をはじめ
私は自分の生徒が来るので
ちょっと会釈して部屋を出る。
娘を育てていく中で
私もずいぶんたくさんのことを
学ばせてもらっているなあ、と思う。










⬆️こたつたこ