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ヒーブーのブログ

山・酒・RUN・読書 7
’暇つぶしだけど真剣に’

漫才師が書いたエッセイということで新聞の書評にも載り話題にはなったようだが、大阪弁の口語口調でお笑い系のラジオトークを聞いているようで、印象には残らない。ただ、軽妙なタッチで読み心地が良い。

基調は、あくまでも中学生あたりの悪ふざけの延長のようなノリが続き、いい加減飽きてくる。

暇つぶしに酒でも飲みながらボーっと読むにはいいかな。

 ドキュメンタリーでありながら宣伝ポスターには「中国全土が泣いた」との文句が。

 少し大袈裟過ぎるかもしれないけど、決して嘘じゃない。映画館から出てきて外の張り紙を見てそう思った。10年前に辿った長江の旅で出会った人と壮大な風景を求め回想の旅に出かけるという企画は、急激に変わりゆく中国の姿とそれでも変わらない人々の姿を描き、中国人の郷愁を呼び起こす仕掛けであり、思わず唸らされた。

 女性軍人になることを目指したものの貧しさゆえに挫折しながらも、縫製工場で働きながら幸せに家族と暮らす女性、重慶の港で70歳を超えても「棒棒」という消えゆく荷役仕事を黙々と続ける老人、そして本作のメインとなるシャングリラで民宿を開く幼いころの夢を実現した女性。これらすべてがフィクションでなく実際の中国の人々の姿なのだから、生半可なストーリー仕立ての映画をはるかに上回って観る者に訴えかけてくる。最近読んだ「天上の旅人」映画「青春」、そして15年ほど前から通う私の中国での体験と重なって中国の底知れぬ魅力がリアルに心に沁みてくる。

描かれた西川一三という人が、本当にこんな純粋な心を持った人であったのなら、なんと素晴らしい旅人なのだろう。
私利私欲に惑わされず、純粋に悟りの世界を追求し、知らない世界を見てみたいという好奇心に突き動かせれ、未知の世界を旅する姿は、私自身の理想の旅の姿とも重なる。
奇しくも、私自身が通った四川や青海省の辺境地やネパール、インドの聖地を辿る旅に、何か通じ合うものを感じてしまうのは、筆者と同じ性癖をもっているからかもしれない。
同行者の木村氏の著作や筆者自身の漂浪体験を綴った「深夜特急」を読み追体験をしたくなってきた。