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ヒーブーのブログ

山・酒・RUN・読書 7
’暇つぶしだけど真剣に’


先に続編を読んでなかなか気に入った短編が数編あったのでこちらも手をつけてみた。
酒を題材にすれば面白くないわけがない。
決して酔って意識が朦朧とするようなシチュエーションではなく、酒を介したコミュニケーションの様々なあり方に話の発端が生まれるのである。
どれもがありそうでありながら実際はあり得ない話なのだが、酒の上での話と思えばなんでも許されてしまうところにも酒の良さがあるのだ。

「成瀬は天下をとりにいく」の続編だが、初版を読んでいない。
読んでなくても全く関係なく読める。主人公の成瀬は、まさに痛快なキャラクター。おじさんから見ても見倣いたくなるような大学生女子だ。
でも、挫折経験やスランプに陥るが場面がないのでかなりの非現実感を感じる。まさか筆者の自分自身の人生を描いたのではないだろうね。多分筆者のあこがれの存在でもあるんでしょう。
次作が楽しみ。

全6冊に及ぶ長編SFをやっと読み終えた。1作目の日本語訳が2019年に刊行された直後に読み始めたのだから、5年間ほど費やしたことになる。NHKの中国語講座で原文が教材に取り上げられた時が最初の接点だったのだが、もう遠い昔の話のような気がする。そもそも話の始まりが1967年の文革の時代、以降時空を超えて1890万年という想像もつかない世界まで話が続くのだから、もう人間の記憶の及ぶ範囲ではない。宇宙を越えた想像もつかない舞台の広さや2次元世界や低光速などという言葉で説明されても描景が思い浮かばない目に見えない世界の話に単なるSFとは次元の異なるものを感じる。オバマが大統領時代に読んで大絶賛したというが多分1作目を読んだだけなのだろう。宇宙の終焉まで続く3作目まで読んでこそ、この作品の素晴らしさを実感できるのだ。と敢えて時間をかけて読破したことを自慢したい。