2025.04.某日

【山梨県立釈迦堂遺跡博物館】

もくじ
・呼ばれる
・作りたい欲
・釈迦堂遺跡博物館
・企画展 韮崎市の縄文土器
・2階展望ルーム
・常設展示
・土器の森
・土偶の作り方
・釈迦堂遺跡博物館限定ガチャ
・最後の〆はほうとうで!


・呼ばれる
去年12月に厚木のあつぎ郷土博物館に行った時から行きたいと思っていた釈迦堂遺跡博物館に両親が車で行くと言うので、ついて行くことができた。公共交通機関ではけっこうお金がかかるので、車を出してもらえるのは本当に有り難い。行きたい場所といえば、沖縄の美ら海水族館には10年間以上行きたいと思っているのにいまだに行けていない。この、「行ける」「行けない」というのは何なのだろう。つい最近、SNSで神社をパワースポットと呼ぶのはどうなのか?という投稿が話題となっており、その投稿を再度見ようと「神社 パワースポットと呼ばないで」で検索してみると「神様に呼ばれないと行けない神社」ばかりが出てきて、結局元の投稿を見つけることは出来なかった。運命は個人に属するものなので運命を感じるのは自由だが、寺社は人間の側が参じて詣でるものなので「呼ばれる」「呼ばれない」は私はあまり使いたくはない。つい百年前まで、有名な寺社というのは地方の一般の農民たちにとっては毎月講を開いて資金を積み立てて一生に一度か二度行けるくらいのものだったと思うと、呼ばれると言うのは烏滸がましく感じてしまう。まぁ、単に私が流行りの言葉や物に対しては最初は否定的で理解するまでに時間がかかるだけかもしれないが…。スポンジボブの魅力に気づくのに二十年を要したからな…。他のことに関しては、7年くらい時差のある惑星にいるような感じか。話を戻そう。呼ばれる呼ばれないはともかくとして、タイミングの妙はあると感じる。これを日本人は「縁」と呼んできたのだろう。不思議なものだ。

・作りたい欲
釈迦堂遺跡博物館には1000を超える土偶片が収蔵されている。最近、よく思うことがある。「作る」という行為は、人の根源的な欲求ではないのか、と。買ったほうが安いし、買ったほうがきれいで丈夫なのに、作る。失敗する可能性もあるし、お金がかかる。なのに、作るほうが面白いので、作ることに挑戦してしまう。現代はモノが溢れすぎていて、素人は作れば作るほど赤字になり、作れば作るほど貧乏になる。よく考えると不思議な話だ。人には、師匠(教育者)と練習期間が必要だ。そうでなければ技術は熟練しない。しかし、熟練するまでは材料と時間と労力を消費するだけで、プラスにならないどころが、マイナスなのだ。つまり、私が初めて物を作る時、あるいは、商品化できるほど技術が熟練するまでは、私はゴミを作っているのだ。この、金と時間と労力を使ってゴミを作るという矛盾を抱えながらも、つい、過剰に材料を買い、作ろうとしてしまう。この作りたい欲求は、食欲・睡眠・排泄には勝てないが、正直、性欲には勝っている気がする。というか、私個人が行ってみたい欲求、見てみたい欲求、やりたい欲求、物欲が凄まじく強くて、興味がないものに対してのやる気が足りなすぎるだけな気がしてきた…。

・釈迦堂遺跡博物館
釈迦堂遺跡博物館に着く。駐車場はそこそこ混んでいるし、人の姿もパラパラ見かける。釈迦堂遺跡博物館の周囲には、薄桃色、桜色、濃桃色、白などたくさんの色とりどりの桜や花桃が咲き乱れている。釈迦堂遺跡博物館の外の人口脇には、木でできた巨大な縄文土器風オブジェが立っている。中に入ると、釈迦堂遺跡の顔である土偶頭部「しゃかちゃん」の巨大な頭部模型がお出迎え。受付で券を購入。お手洗いに行くと、トイレの扉に丸棒人間のトイレマークが描いてあり、普通の男子トイレの丸棒人間マークだが女子トイレは丸棒人間の顔の部分が土偶の顔になっていた。釈迦堂遺跡博物館の土偶は女性という認識なのか。土偶は女性の身体的特徴を表したものが多く、それが人間を表しているか精霊を表しているかはともかくとして、個々の土偶でいえば女性を象ったものとほぼ断定できる土偶はあると思う。※①国宝の土偶も、「縄文のビーナス」や「縄文の女神」「仮面の女神」など女性を表す愛称がつけられているものもある。逆に、男性と特定できる土偶は今のところ存在しないのかもしれない。男性というと石棒があるが、トイレマークが石棒はちょっと…ね。ズバリそのものすぎるのよ、見た目が。秘宝館じゃないんだから。この、土偶=女性?男性問題について、興味深い展示があった。去年神奈川県厚木市のあつぎ郷土資料館で開催された「土偶あつまれ!」展に展示されていた小さな土偶が、ここ、釈迦堂遺跡博物館に展示されていた。その土偶は頭のない体だけのもので、手の平に乗るほど小さなもの。ただし、他の土偶とは決定的に違う部分があり、それは「両足の間、股間に突起がある」こと。※②③これを私は男性器だと思っていて、珍しい男性土偶だと思っていたが、釈迦堂遺跡博物館では「出産土偶」と書かれていた。土偶には両性具有説もあり賛否両論あるだろうが、確かによくよく見ると、まるでテディベアのように突き出た腹部に妊娠線が縦に入っている。臍も、腹部が妊娠して膨張した結果、丸い形になっている。そして、よくよく見るとしゃがんでいる。この土偶に関しては、股間から突き出たものは男性器ではなく赤ん坊なのだ。なるほど、土偶を読み解くには観察眼と想像力が必要なのか。となると、数少ない他の男性とされている土偶も出産土偶の可能性があるな…。そもそも土偶はがに股が多いが、股間に突起がある土偶もだいたいがに股のようだし…。文化財データベースにある北海道千歳市立図書館所蔵の男性土偶は、股間にある突起に穴が開けられているので暫定男性土偶のようだ。女性型土偶に表現された男性性(男性器など)については、私個人が納得するような説明はまだ得られていない。

※①国宝土偶については、のんてりさんのnote「一度は見たい!5体の国宝土偶」がわかりやすかったです。(https://note.com/1246368/n/n420bf221a964)
※②私の過去のブログ記事「あつぎ郷土資料館「ドグウあつまれ!」にあつまる!」(https://ameblo.jp/11facebuddha/entry-12889901951.html)
※③これも、のんてりさんのnote「今日会いに行きたい!気になる土偶#058釈迦堂遺跡博物館」がわかりやすいです。

・企画展 韮崎市の縄文土器
現在、釈迦堂遺跡博物館では企画展「Jomon Collection-韮崎市-」を開催中。入ってすぐ正面の展示室に韮崎市の縄文土器と縄文土偶が展示されている。展示作品数は40。大きな土器、小さな土偶共に充実した展示。この企画展の土器土偶だけではなく常設展示の土器土偶もだが、どれも形・デザインが似ているようで全然違うので一つ一つ写真に収めたせいか、今日一日で400枚以上の写真を撮っていた。古いデジカメなのでブレ防止など2枚以上ずつ撮っているせいもあるが、半分としても200枚以上だ…。

・2階
2階が常設展示室。
エントランスの向かって左側の階段を上る。釈迦堂遺跡博物館にも「しゃかちゃん」「しゃっこちゃん」と名付けられた代表的な土偶はいるが、ゆるキャラにはなっていない。その代わりに、美少女キャラクター(美女?)として学芸員の釈迦堂桃花(しゃかどうももか)というキャラクターがおり、音声ガイドでの博物館案内を担当しているそうだ。その釈迦堂桃香の実寸大パネルが2階の窓際に置かれている。2階の窓からの景色は素晴らしい。今日は快晴で春霞がかかっているが、山々が見渡せる。

・常設展示
展示室に入ると、凄まじい数の土偶片がケースの中にしこたま並べられているのが目に入る。もう、これだけですごい。写真OKなので撮りまくる。土器土偶は仏像と違って撮影OKなものが多い。土製品は退色しないからなのか。それとも、すでに廃れた信仰だからか。その数1116体。※完全体の土偶は一つもない。平置きの展示ケースには、胴体・脚・腕などと思われる部位がズラーッと並べられ、頭部はその奥の縦長のケースに展示されている。頭部の大きさから類推して、25cm以上の大型のものは少なそう。釈迦堂遺跡の顔である、土偶の頭部「しゃこちゃん」「しゃっこちゃん」は釈迦堂遺跡の土偶の中では最も大型のもの。写真を撮れるからと、予算のこともあり、釈迦堂遺跡の図録は土偶図録と土器図録の2択で土器図録だけ購入したが、こうして日記を書いていると土偶図録も買えばよかった…と思えてくる。尚、先月行った円空展の図録がまだ読み終わっていない…。話を戻す。平置きケースに並べられた土偶の体部は、体に渦巻き文様を刻んでいるものもあるにはある。しかし、ほとんどは赤茶けた焼物の破片で、一つ一つをじっくり見れば少しはわかるのだろうが、私のようなド素人がパッと見ただけでは土器片なのか土偶片なのかさえ、判別がつかない。それに比べて、縦型ケースに並べられた土偶頭部は、素人が見ていても面白い。土器同様、どれ一つとして同じ顔がない。ただ、ヒトというのは分類する生き物なので、土器のように◯◯型頭部など分類名があるならば知りたい。縄文に関する本はまだあまり読んでいないが、◯◯型土器、□□型土器、といったタイプ標本となる土器の写真と特徴と、そこに分類される土器の写真が載った図鑑があるなら欲しい。土偶もまた、土器のように分類名はあるのだろうか?ちなみに、土器はタイプ標本?の出土遺跡の名称がつけられているようだ。名付けにおいて、桃の色を桃色と呼ぶように似ているものに既存のものからとった名前をつけることも多いが、「土偶を読む」に賛否両論あったように、ある種の擬人化であること以外は抽象的ともとれる土偶に具象の物の名前を当てるのはそれはそれで賛否両論ありそうだ。遮光器土偶の目は、現在では遮光器ではないと言われている。土偶と土器は形状・模様など複数の要素が応用・併用・変化させられ複雑に絡み合ってできていて、非常に分類が難しく感じる。しかし、要素分けがわかれば、いろいろな発見がありそうだ。

※強いて言うなら、顔に4つの穴があり蓮根に似ていることから「レンコさま」と名付けられた土偶は完全体に近いかもしれない。10cm未満のごく小さなものだが、珍しく頭部と体部が切り離されていない。しかし、この小さな小さなレンコさまでさえ右手右足を欠く。

・土器の森
土器は、上に示したとおり発掘遺跡名称から型分けがされている。さらに、その◯◯にアルファベットがついて◯◯a式土器などの名称で分類されているようだ。これが、私にはけっこう覚えるのが難しい。ネットでも土器の型は検索できるが、型数が多いのとどれも似たような形なのでわかりづらい…。
手前のケースには、土器に似ているが底に穴がある埋め瓶が、展示室の奥には土器がの森として土器が並べられている。中でも特に大きなものは「水煙土器」いう名前がつけられた土器で、80cmもある。縄文土器は手の痕跡の大きさから女性が作ったと思われる。日本史上最古にして最後の女性による芸術品だろう。機織りは女性の仕事とされてきたが(中宮寺には刺繍による天寿国繍帳があり、當麻寺には当麻曼荼羅がある)、それ以外の美術の分野では専門化してゆく過程で女性は排除されてゆく傾向がある。水煙土器の先には土器の森と題された展示があり、土器が並んでいる。素人が見た感じでは、形から模様まで同じという土器は、ない。わざといろいろな形の土器を展示しているからなのだろうか。同じようなものばかりでは、面白くないし。この大きさにはこの形、この形にはこの模様、と決まっているのだろうか?それとも、土器の「大きさ・形・模様」がスロットのように必要性によって組み合わされて作られるのだろうか?縄文時代の人が土器職人に土器を発注する際「用途はこれで、大きさはこれで、形はこれで、模様はこれでお願いします。」などとオーダーメイドで注文していたのだろうか。東京国立博物館で開かれた「縄文」展では、似たような形状の火焔土器がたくさん並べられていて、流行のようなものも感じた記憶がある。縄文土器は、縄文土器の他に簡素な土器類が大量に見つかっているわけではないので、特別な儀式のためだけの器ではなく、普段使いもしてた日用品なんだよな。原始的な暮らしは素朴と思われがちだけど、全然素朴とは言えない土器を使ってたと思うと、縄文人の感覚は余計に謎が深まる。

・土偶の作り方
展示室には三種の土偶の構造を製造工程で説明しているものがあり、とても勉強になった。土偶を作りたいけどどう作ったらいいかわからないという、私のような人には必見の展示だ。縄文のビーナスのような中型土偶は「分割塊製作法」という方法で、割り箸のようなものを芯にして脚と胴体が繋がっている。現在売られている縄文のビーナスのレプリカにはこのように脚に芯棒を入れて作られているものもある。この芯棒は木製なので焼くと灰になり、そこは空洞になる。現代の電気窯では、針金のような金属製の芯棒を使っても針金が溶け出してくるため、高温に耐えうるものを芯にしたほうが良い。しかし、縄文のビーナスそのものは、レントゲン写真で見ても芯棒は入っていないし、芯棒が灰になった空洞もない。当然ではあるが素焼き前に棚などに置いて乾かさなくてはならないのだが、縄文のビーナスで平らなのは足の裏だけなのでどうにかして自立させて乾燥させたのだろうか?謎だ。中空土偶のような大型土偶は、土器同様「輪積法」で作られている。小さな土偶は、「手こね法」。展示室の外には土器のレプリカがある。これに手を突っ込んで外側からも触ると、土器の壁の厚みがちょっとわかる。30cm大の土器の側面の厚みは1〜1.5cmくらいあった。底は側面より分厚くて2.5〜3cm程度はありそう。この情報は貴重。

・釈迦堂遺跡博物館限定ガチャ
釈迦堂遺跡博物館収蔵の重要文化財土偶片の3Dプリンタ出力フィギュアのガチャがある。まさか、たった500円で※私が会津八一になれるとは…!フィギュアは、黄緑色や赤や紫などビビッドなホビーカラー。髪の毛よりも細い層が何重にも重なってできており、手触りが独特で、見た目にはシルクのような輝きがある。フィギュアは、手の平に握れるサイズで、特に土偶の顔片は握り心地が良い。自立しないやつは、帰ってから紙粘土でスタンドを作ろう。

・最後の〆はほうとうで!
昼食は、河口湖畔の「峠の茶屋」でほうとうを食べた。鍋から直食いなのでアツアツハフハフだったけど、肉厚で大きな椎茸の味が濃くてめっちゃ美味い!!!カボチャ、白菜、春菊、笹搔きのごぼう、にんじん、じゃがいもなど具だくさん。噌味のスープにもいろいろな野菜の出汁が出ていていつまでも飲んでいたくなるスープだった!一日分の野菜が美味しく摂取できた!