パリに住んで1年が過ぎ、

アパート一人暮らしにも慣れきて

友だちもでき、ちょっぴりパリジェンヌ気分に・・・

 

 

誘われて行ったフランスの片田舎。

のどかな暮らしと動物たちとの触れ合いに

東京でのストレスにまみれだった心は癒やされていった。

 

 

 

学校は夏休み前に終了し、

長いバカンスの季節に突入する。

 

 

9月の新学期まで

それぞれ田舎や旅行に出かけて

休暇を過ごすパリジャン、パリジェンヌが多く、

この季節は街からパリっ子がいなくなる。

 

 

その反対に

街は観光客であふれる。

 

 

ジュンヌも夏休みを利用して

日本へ一時帰国するために準備をしていた。

 

 

 

ここでは、

バカンスなどで家を空ける時、

人に部屋を貸すことは普通に行われていて

「貸しアパート」や「貸しステュディオ」

のアノンスがあちこちに出ている。

 

 

 新学期が始まる9月までの3ヶ月間

「お部屋を空けて置くのはもったいないな・・・」

 

 

ジュンヌもこれを利用することにした。

15 貸しステュディオ 3ヶ月間

たくさんの問い合わせが来た。

 

 

部屋に来てもらって面接をし、

きれいに使ってくれそうな人を選んだ。

家賃は3ヶ月間前払い(電話代以外全込)。

 

すぐに決まった。

 

 

パリを発つ前に17区にある不動産屋さんに足を運んだ。

 

 

いつもの担当のおじさんに

3ヶ月間日本に帰るので、

その間友達の〇〇さんがお部屋にいます」

 

「その間の3ヶ月分の家賃をお支払いしておきます」と

紙に書いて渡した。

 

 

おじさんは、

特にそれに関しては何も言わずに受け取ってくれた。

 

 

本来は又貸しはいけないはずだが、

前家賃をきちっと支払ったことで、

特に問題にすることもないと思ったのか

そのへんのことはわからない。

 

杓子定規ではないフランスのこんなところが好きだ。

 

 

ジュンヌはあまり所有欲がなく

あるものは共有すればいいと思っていた。

 

部屋の中にあるものは基本的に使ってもらっていたので、

トランクひとつできた観光客や留学生には人気だった。

 

 

立地や環境も良く、

何しろ他と比べて家賃が安かったらしい。

 

 

家賃を頂いた時点で部屋の鍵を渡し、

部屋を空ける時は、

借りてくれる方に向けて置き手紙を残して

部屋を後にした。

 

 

はじめてのことで心配だった・・・

 

大きな問題はなかったものの

小さな問題は時々起きた。

 

その都度、連絡をとって解決したり、

パリに住んでいる友達にお願いしたりして

なんとか乗り越えられた。

 

 

3ヶ月が立つと

借り主は、部屋に鍵を残して

オートロックで出ていくだけ。

 

 

その時、私が置き手紙をしたように

必ず感謝の手紙を残してくれた。

 

 

 

とても嬉しかった。

 

 

20年の間に何十人もの人に部屋を貸したことになるが、

駆け出しの頃ジュンヌの部屋に住んでいた人の中に

カメラマンやデザイナーとしてパリで

活躍している姿を目にすることもあった。

 

 

自分のことのように嬉しかった。

 

すべての人達の置き手紙は今でもジュンヌの宝物である。

 

 

人から、

「見ず知らずの人に部屋を貸して合鍵などを作られたら怖くない?」

と聞かれることもあったが、

「私が選んだ人だから大丈夫!」と不安はなかった。

 

 

その思いは、20年間

多少のトラブルはあったものの

裏切られることはなかった。

 

 

本当に多くの人に支えられて助けられてきたのだな~と思う。

 

今でも関わってくれた人たちと

癒しを与えてくれたパリに感謝しかない

 

 

いつか恩返しをしたいな~ (*˘)˘*)..:*