友達のおまわりさんがマルセイユの実家に帰るというので、

マルセイユを見てみたいジュンヌは、彼に付いていくことにした。

 

パリからマルセイユまでTGVTrain à Grande Vitesse)で行くことになり、

パリ・リヨン駅で待ち合わせた。

 

                        パリ・リヨン駅

 

ホームに着くと

彼はTGVの運転手と何やら話をしていたかと思うと

そのまま一緒に運転席へ!

 

 

仕方なく一人で列車に乗りこんだが、

電車が動き出しても彼は戻ってこなかった。

 

 

 

彼は、シャンゼリゼ界隈を担当していたおまわりさんだが、

日本人大好きな軟派男でもあった。

 

 

「こんにちは!お元気ですか?」

「なにか困ったことありませんか?」

片言の日本語で日本人観光客に声をかけて友達になっていた。

 

 

ある日、パリにあるお寺に行こうとしていた時、

声をかけられ、彼はそのままお寺までついてきてしまった。

 

 

聞けばおまわりさんだと言う。

 

日本人の感覚だと、

おまわりさんと聞いたら、安心するところだが、

彼は想像を遥かに超えた軟派なおまわりさんだった。

 

 

話は、半分以上信じられないほどの大ボラだったが、

何故かジュンヌの好奇心は面白がっていた。

 

 

おまわりさんの特権を利用して

色んな所へ連れて行ってくれ、

パリ警察主催のイベントにも行った。

 

 

連れて行ってはくれるが、

勝手にどこかへ行ってしまい、

放って置かれることが多かった。

 

 

そんな気ままな性格は嫌ではなかったが、

マルセイユまで放って置かれるのかと思うと、

ちょっと腹がたった。

 

 

ふてくされていた時、コントローラがやってきて、

ついて来るようにと言うので、

わけも分からずついていった。

 

 

列車のワゴンを通り抜け、

何やら細い通路をカニのように横になりながら通り抜けた。

 

コントローラが鍵を開け、

中に入るようにと言った。

 

 

なんと、そこは運転室だった。

そして目を疑った。

 

 

 

            写真は、ネットより拝借しました

 

 

彼と運転手がビールを片手に談笑している。

えっ!ええっ~~!!!!!

Oh my God!」

ありえない!!

 

いくらオートマティックとは言え、

あってはいけない!

 

 

運転手は、ジュンヌに隣の丸いすに座るように言って、

いろいろ話しかけ、サービスしてくれた。

 

 

TGVの最高速度は時速270kmだった。

 

最高速度を出して見せたり、

オートマティックだから、

「ボレを下ろしても運転できるんだ!」といって

運転席のボレを下ろしてみせた。

 

挙げ句の果ては、

むやみに鳴らしてはいけない警笛まで鳴らした!

 

 

サービス旺盛なのは良いが、

「いいのか?こんなことまでして!」

ハラハラ・ドキドキ!

 

 

彼に「おまえは、取り締まるべき警察だろう!」

とツッコミたかったが、

万事がそんな感じの彼には、

言っても通じるはずがない。

 

 

 

マルセイユに着いた時、

運転手が、電話番号を書いた紙をジュンヌにくれ、

「また乗りたい時は、いつでも電話してくれ!」と言った。

 

 

2度と乗らないだろうとは思っていたが、

その後テロが起き、

取締が厳しくなった。

 

きっと一般人を運転室へ入れることはできなくなったであろう。

 

 

 

日本人にとって、

こんな破廉恥な話は何十年もたった今だから話せるが、

フランスでは、びっくりするようなことがたくさんあった。

 

 

ジュンヌが、フランス人でもめったにできないような体験を

いろいろしてきたのは、

 

好奇心の赴くまま行動してきたことに

要因があるのかもしれない・・・