誰もいない城 ベールと翡翠後篇3
あの二人に見送られ豪華な扉は圧巻。華奢なアイリーンからすれば重たい。ルークさん、イケメンさんだったなぁ惚れちゃいそう。あんなふうに笑いたかった。お母さんを早くになくしてしまったから、寂しい。「ごめんください、ケーキ屋のマモーレです。どなたかいらっしゃいますか?」返事なしか、城主は孤独を好む。こんなに綺麗なのに一人暮らしなんて、似つかわしくない。でも、薄暗い中央広場と思わしきところへたどり着いた時には盗まれたケーキがあった。「なんでここに……」ゾッとする、ルークさんは知らなかったのかな棺?なぜ?、もう一段と喉の渇きが痛くなる生唾飲み込んでも、痛い。喉が痛む時と同じだ「ど、どなたかいらっしゃいませんか?」宮殿にあるような王座がある。しかし、とにかく暗い。「いるさ、おっと、棺には近寄るなよ?」窓際にその椅子が喋っているような誤った感覚に陥る紅月が更に立ち上り、逆光は椅子に東映される。いなや、あるものは目を赤く光る。「吸血鬼!?」ルークのように優しくないタイプ急激な雷雨到来でレオナルドの目は赤く輝きこれから客人をもてなそうではないか赤いベール、ここでは亡くなった人がベールを持つことによってあの世で審判が下るという話がある色別に意味があるのだが…赤……凶悪か執着!または愛?レオナルドはベールを捲りそして、剥ぎ取った暴君?どんどん自分の思考が思いつかなくなる髪は長く、三つ編みに結ばれてどこか色気があり魅惑という言葉が当てはまるであろう。「あんた!どれだけこっちが迷惑かかっているのか知っているでしょうね?!」「迷惑かかっている?全くもって、知らないこと。」ふっ、と笑いアイリーンを馬鹿にしているこの城主は高みの見物から人間の観察をするのが興味。無論、メイもだが邪魔な存在がいるためあまりできないのが痛恨の極み。レオナルドは、上から目線で座っていた椅子から降りて彼女に近寄る。「盗まれたケーキがあるなんて非道!」「非道?俺はケーキが食べたかったから、こうした迄だ」「外道め。随分な暴君なようだね?レオナルドさん」「おい」いけないことなにか言ったか?先に悪さをしたのはこの人。「誰が暴君だ、俺は孤独を好む城主だ!」遠距離だけど、迫力があって何がなんでもやり返し跳ね返しをせねば逆鱗に触れたのはそこ?器の浅いお方ですね「孤独を好むですって?ここは名高き、シェントン館ですよ?盗んだ輩がいると聞いたことがあるけど」「ああ、奪い取ったさ。ここは元々俺の家だったのによ!あいつらは平気にお前は要らぬ出て行けと。ふっ、金持ちは煌びやかに過ごすけど俺は孤独で家具は必要最低限でいい。言い争いはここまでにして、食事でもとろうではないか」城主は先程の雰囲気とは他所に紳士的な態度を示してる。こやつも、美形だ。「いいでしょう」僅か10分で起きたことだ時計の針を見ればわかる。だがしかし、そこには落とし穴が隠れている。狂宴まであと1時間と20分テーブルはやたらと長い、誰がこんなにも綺麗に皿を並べてくれたのであろうか食べ終わったら、請求書!焼き菓子を作ってきたぶんの支払いはきっちりと、性別種族関係なしに「ねぇ、誰がこんなにも綺麗にお皿を並べてくれたの?」不思議に思っただからこそ言える美味で揉め合いのことすら忘れてしまいそう「開口一番にそれか。半分俺だが、残りは姿を隠しているメイドがやってくれた」その目は翡翠と青い海が混ざっているように見ているだけで惹き込まれる「姿を隠しているメイド?」姿が見えないメイド?隠している?自分では想像つかない今、するりと白い糸が見えたような気がする。「名前は?」「さぁね、知らないのが一番。知れば知る程、もう後には戻れない」ぽんっとコルク栓が抜かれたのは明らかに年代物のワイン。赤いベールはこやつにとってなの意味をするだろうか?グラスにワインが注がれる音はいつ聞いても心地よいが、それは狂宴の幕開けの合図となる、「君はもう戻れない。」「!?」一斉に扉がバタバタと閉められ逃げたいこれはダメだ、パパに伝えなければ食事を放棄して、カバンを手にして急いで走り出す間に合え間に合え、間に合ってくれ!最後の一歩のところでバタン、ガチャリと鍵かけられた背後に、甘い匂いがする。耳元で囁かれる「アイリーン、君は俺の獲物。逃げられると思うな」ゾクゾク、胃が痛むここは「私はあなたの獲物ではない!」訴えるものの、ニヒルな笑みは強烈。でも、これは獣とうさぎの闘いだ。私はよく、うさぎのようにすばしっこいと言われるが敵わなかった「レオナルド、あなたは何が望みなの?」「それは君が当てるといい。ここで、答えたらつまらない。」「卑怯もの!」「なんとでもいえばいい、立場は変わらない。」その傲慢さ崩してやる!いかにも、私が困っているということを知らしめてやってあげるわ。「アイリーン、ルークとあったか?」「はい、メイさんと」背後はドアで逃げ場は一切ない、この状況下で次の一手を「話は聞いたか?狂宴後、俺と暮らすということ。つまり、妃だ」ありえない、こんなの狂ってる。逃げたいけど逃げれない。「いいわ、その話乗りましょう。ただし、私に干渉しないで。」「わかった、わかった。俺は約束は守る、だから逃げないでくれ」最後の言葉が意味深で心の奥に突き刺さるものがあった狂宴まであと20分