さらに追加赤いシーリングスタンプ付きの黒手紙の文章で

(しかも赤い封筒に黒い便箋!)

「約束した場所に来る際には、軽めのゴシック朝の

服装にすること。」

ダンはブチ切れた

「ゴシック朝の服装だと??うちには持っていねぇはボケ。」

口がどんどん悪くなる。悪くなるということは

自分を弱く見せつけ意地をはろうとする。

「ダン?」

「ハウゼン夫人」

ドアベルに気づかずに

レジで落ち込むダンを見てや

「多方、予想がついたわ。あなた何かしら、悩みの種を持っているのね?違う?」

自分の中で折をつけ頭を搔く

「チッ、フィオナには叶わねぇや。」

「そう、カッカッカしないで。それで悩みって?」

「ゴシック朝の服がいる!まずい時間が無いんだよ!」

「それなら、今着ている服に私が着ている、カーディガンを貸したらいい話のこと運がいいことね~黒服に甘めのリボンって。しかも、可愛い♡」

これでいいのかしら?

鏡に映る自分、似合わない以前に馴染みの無いもの

パパはそういったものを避けてた

「時代遅れ」「お前に着るにしてはちと、早い」

「ハウゼン!」

「黙りなさいダン・エーゼル!」

ここは指示を出したのはハウゼン夫人だった

「お菓子を用意しな、じきにタクシーが来るだろう」


ガタイのいいベテランがハウゼン夫人のことを

不思議に思い問いかけた

「ハウゼン夫人、閉店間際に何故うちに来たんだい?」

「忘れ物だよ、ほれ。傘」

ハウゼン夫人は傘を置いてあったままの席に

指をさす

「でしたら、連絡でも入れても良かったのに」

「いんや、盗まれたら嫌でね。あの傘気に入っているんだ。オマケに、嫌な予感がしてね。」

おっちょこちょいの店員が

「タクシー来ましたよ!」と告げた

「ハウゼン夫人、私、怖いです」

「私達も怖く心配さ、でも、ここは肝を引き締めなさい。オロオロしていたら死神に魂を狩られるぞ」

ひとつだけ伝説がある道に迷ったら死神がきて

魂を狩られると。


「どちらです?タクシーに乗られるというお方は?」

タクシーの運転手がわざわざ店にまで入ってきた

「娘です」

重苦しい空気が漂う、こんな注文がなければ

今頃、アイリーンの誕生日の用意をしていたところだ

ちゃんとケーキが傷まないように保存処理している

タクシーに乗ろうとしたところで

「アイリーン、これを持っていけ」

黄金の短剣で蛇の装飾が施されている

蛇、ここでは魔除けの意味もある。

護身用だ

「念の為だ、それと入場きっぷの代わりになるかもしれねぇが、蝋。シーリングスタンプが押されているコイツを持っていけ、門番ならわかるだろう」

「パパ……行ってきます」

「気をつけろよな」


もう間もなく20時

指定時刻オーバーだ。

「無事にたどり着いて帰ってこい……アイリーン」

ダンはこの時点で知る由もない

モロチ墓所付近から届け先まで通っていることを


「あの……運転手さん。モロチ墓所は通らないで欲しいというルートを言ったのですが」

運転手は口を閉じたまま禁じられたルートへ

そのまま直行。

「運転手さん、運転手さん!セント・ストリートからシェントン館付近とお願いしたのですが」

まだ黙ったままだ

アイリーンは背筋がゾクゾクして目が泳ぐ

何故、何故?セント・ストリートは確かに遠回しだが、しかし安全上そっちの方が良い。

運転席に付いているミラーをこっそりと

見てみたら、死んだ魚の目のように

意識朦朧で運転している

危険だ、今すぐに止めてもらわないと!

「運転手さん、運転手さん、ねぇ!運転手さん止めて!危ないから止めて!」


「モロチ墓所でいいでしょうか?」

モロチ墓所……有り得ない

墓所の手前に紳士服を取り扱う

メレ・シズゥールがある。運転手にそう伝えても

「そのような店はありません」

嗚呼、帰りたい。こんなことになるなんて

予想だにしなかった。パパに知られたら、おしまい


「地獄の盛大なるパーティーへいらっしゃい」

隣には誰もいないはずなのに声が聞こえた

外の景色でも見て気分を紛らわそうとしたら

モロチ墓所に大鎌を持った綺麗な長いブロンドヘア

の人が佇んでいた

誰なのあの人は……


以降運転手は口を閉ざしたまま

店からシェントン館へ僅か30分で着いた

「運転手さん、お代を」

「1000円頂戴します」

奇跡的に1000円あった。

でも、運転手さんの目は虚ろだったがシェントン館に来てことの大事さを知って

「お、お客さん。は、早く降りて!まずいまずい、禁じられたルートなのに!」

「荷物があります」

「わ、わかったから早く出て!」

紅月、ブラットムーンライト別名

血塗られた月

ゴクリと喉の渇きが始まる

「こ、ここがシェントン館?」

どう見ても大きな城、野原の上にそびえ立つ城


ケーキ大丈夫かな?

仮にダメだとしても、誠心誠意で謝るしかなさそう

あとは焼き菓子……


「君は、城主に何か用があるのかな?」

黒いベールに、大鎌!

「手紙よ……盛大なるパーティーを開くからケーキを持ってきた」

アイリーンは最大に警戒心を持つが

このものはとても優しいことすら分からない

感じ取れない。

「これもまた随分と手間のかかることをしてくれたのですね、城主様は」

「あんたは、何者?」

黒いベールに、長髪のブロンド。翡翠の瞳

「死神。緑風の死神、ルーク。見ての通り、吸血鬼と死神のハーフなんでね。血は欲しくなる」

「私が聞きたいのはそこではない、私の命、魂を狩りとるの?」

「しないよ」

思ってもいない返事。

「したら、怒られるから。まず第一に悪行をしたものか黄泉に行きたいものだけ魂を狩る、血が欲しくなるのはこの時だけ。」

一面は薔薇に溢れている

「ルーク!」

「メイ、客人だ城主の所まで一緒に案内しないか?

君がいないと不安でね」


メイ?メイ・マラツ!長らく行方不明になって

うちの常連客だった人。泣きぼくろふたつに

額に傷がある顔

「メイさん?」

「アイリーンちゃん?」

「嬉しい、またこうして会えるなんて」

「知り合いかい?」

ルークは優しく問いかける

「有名なケーキの看板娘でねそこの、常連客だったのでもね…」

コホコホと咳をするメイ。

「無理しなくていい、メイ。君は、休んでおかないと」

「うんん、ルークと一緒なら心配ない」

見えないラブラブ感

でも、嫌味のないラブラブ感。

夫婦なのかな?

「ごめんね、ケーキを頼んだのは僕なんだ」

「ルーク!?」

「?!?!」

「死神だと疑われたら、怪しまれるから怖い手段を使ったんだ。焼き菓子は間違いなく城主だよ。」


私は怒りたかったが、間違いなく優しい死神で

誤った行いをちゃんと謝罪してくれた

「正直、店の中は大混乱でしたよ」

「ごめんなさい、アイリーンちゃん。ルークがこんなことを」

一呼吸おいて、怒りを鎮めてから

「今度、メイさんが来てください。パパが喜びます」

「そうする」


ルークは後ろを振り向いた

「僕の後ろにいて、悪霊が僕たちに」 

言い切る前にゲヒヒヒと笑う悪霊が

ルーク達に襲いかかる。

「シセヨ、アクリョ。チヲヌク」

突風が巻き起こり、ルークの瞳は深い翡翠色が光ってる

「ルークさん?」

メイは臆することもなく、2段階目の吸血鬼に変わる前に立ち寄り

「大鎌を頂戴。今夜は渇きが治まらないなら、後でだよ?」

そうか、暴走する手前で血を抜かれてひとまず

「メイさん、そんなことをしたら咳が酷くなりますよ!」

「大丈夫よ。」

にこやかな笑顔は信頼している証だ

アイリーンはなにも言えない。

こんなもの排除したいのだが、優しい愛に

包まれている空間を目の当たりにしたら

申し訳なくなる。


それから暫くは徒歩でシェントン館に向かうが

これがまた一苦労で森の中にいる

動物たちを寝かせなければいけないのが、難点で

城主は孤独を好む為、動物たちを寄せ付けないで欲しいと言われているほどだ。

「眠れ、森の子たちよ。我が主は君達の子守りを嫌がる。」

グリズリーや狼は大半寝るが、孤独を好む城主は

城の見守りとして二頭の狼だけは許している

「ひいっっ!」

「大丈夫だよ、アイリーン。この子達は城主様の護衛。」

ルークも怖がらない

メイはペットの犬みたいに触る


森の中をぬけたら

紅月のせいか城が紅く見える。

「僕たちはここまで。悪いけど、あとは頑張って」

ルークは申し訳なさそうな顔をする

「が、頑張って行ってきます。」

足取りが重い、一歩一歩重たい。

迷惑なお客さんだから、文句を言ってやろう

気持ちを整えて、シェントン館へ


あるものは

食器を出して、客人用を出して

蝋燭は後で灯そう。

テーブルの中央には目を逸らしたいものがある

そのものは自分の椅子に座り

手を組むか組まないかの仕草をする

「まだなのか?」

「予定時刻をすぎている」

「今宵は逃さない、これから地獄の生活が待っているから逃げれると思うな。客人よ」

ひとりなのに、何人もいるような感覚を捉えることができそうなくらい不気味だ。

あるものは、赤いベールを被っている

赤と黒が良く似合う男。


その名は

レオナルド・ヴェゼル

吸血鬼のなかでは最も血を欲しがり

孤独を好む城主、シェントン館の全てを奪った

最悪な男


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