尾瀬ヶ原が他の山や高原と違うのは、盆地状湿原のために、いくつもあるハイキングのスタート場所がすべて峠で、下り坂から始まること。どこに戻るにしても最後は登り坂になる。「鳩待峠」で同じコースのピストンだと標高差 190mの下りと登りになり、更に距離が 3.3km ✕ 2 と湿原までの往復だけでもそこそこ長い。
ここは首都圏から日帰りで行ける上高地と並ぶ人気のハイキングコースで、初めてのハイキングバスツアーなんかで訪れる人が多い場所です。ただそれが問題で、山歩きをしている人はこのコースの特徴を知っているし、歩き慣れているので最後の登りもあまり気にならないのですが、ふだん観光地にしか行ったことのないお客さんが
「今度はハイキングもいいかな」
「尾瀬ヶ原って、すごく良いらしいよ」
と思って知らずに参加してしまったりします。またツアー会社も最後が登り坂で、いつもはあまり歩かない人やハイキング経験が少ない人にはキツいのを、何故かしっかり伝えません。
・トレッキングシューズなど歩きやすい靴
・運動できる服装
・リュックなどの両手をふさがないバッグ
・500mlのペットボトルの水を 2本
・雨具
といったことの事前の案内はありますが、コースの説明が無かったり、バスで渡された手書きの地図なんかに(標高差 190m)とかがやっとある。
初心者どころか入門者レベルのお客さんには、この標高差はよく分からない。そして歩いてみて、鳩待峠から湿原入口の「山ノ鼻」までの行きの下り坂の 60分と帰りの登りの 90分でヘロヘロになってしまう。更に日帰りハイキングだと、湿原に居られるのがわずか30分から 60分と短いので、満足度もちょっと低い。
だから「疲れた、もういい」と思ってしまいます。
僕も妻と初めて行ったとき尾瀬嫌いになりました。でもそれが妻との最後のハイキングだったのと、気遣った弟が誘ってくれたので、もう一度チャレンジすることができた。
そしてあの木道を歩きながら、楽しかったことしか思い浮かばないのに気がついて、ここが大好きな場所にどんどん変わっていき、山歩きを始めた僕の
「生涯で何度も訪れる山と高原」のトップになりました。たぶんこれは一生変わらないと思います。
しかし初めて尾瀬に行った弟は、バランスを崩して木道から湿原に落ちたり、やはりコースをよく知らなかったため
「疲れた。俺は二度と尾瀬には行かない」と不機嫌そうに「花豆ソフトクリーム」を食べていた。
初尾瀬ヶ原の、あるあるでしたW








