「立川談春独演会」を聞くために、足立区の西新井文化ホールというところへ向かった。
駅から近くて、なかなか素敵なホールだ。
ホールの内外には、さまざまな彫刻作品が飾られている。
足立区民の文化的意気込みが感じられる。
東京都23区の中で、世帯年収の平均が一番低いのが、足立区。
平均年収トップの港区との差は、甚だしく大きい。
格差社会の底辺に、足立区という地域のイメージがある。
それでも文化・芸術に対する憧憬は忘れていない。
西新井文化ホールのロビーには、ゴッホの複製画が飾られていた。
ここが港区のホールであれば、本物が飾られているだろう。
今回の独演会のチケットを譲ってくれた友人は、足立区の住民だ。
友人によると、足立区はかつて、犯罪発生件数が東京23区の中でワーストだった。
中学校見学に行ったら、生徒が教師の胸ぐらをつかんでいる場面に出くわし、さすが足立区と友人は感じ入ったそうだ。
ワーストを脱した年には、「赤飯を炊け!」というメールが区長から送られて来たと言う。
足立区民の喜びようが、目に浮かぶ。
開演は15時。しかしホール入り口の時計は、なぜか12時。
時を忘れろ、ということか? 或いは修理代が無いのか? 或いは、どうでも良いのか?
900席ほどのホールは、なかなか良い感じだ。足立区だって、頑張っている。そんな気がする。
さあ、落語の時間だ。
いきなり師匠が登場して、前半に2席やると言う。
「棒鱈」
一席終わって、「このサゲの意味、分かりますか? 私は分かりませんでした・・・。」
ぼくにも分からない。
このあたりから次第に脱線して、柳亭市馬が落語協会会長に就任した話になる。
市馬が協会の理事に就任した時は、三三、花緑と共にお祝いをした。
副会長に就任した時も、同じメンバーでお祝いをした。
しかし会長となると、「おめでとう」とは言えない。会長職は本当に激務だ。むしろ、市馬の身体が心配だ。
協会のことやら、立川流のことやら、足立区出身の落語家・林家たけ平のことなど・・・結局、漫談で終わっちゃた。
それで2席目の演目は、「市馬、ガンバレ」ということになった。
こうなると中入り後に大きいネタをやるだろうと期待が掛かる。
「お若伊之助」
1時間に及ぶネタだが、途中から思いつきでサゲを変えたそうだ。
本来の話は、グロテスクで怪談じみている。
圓朝の作だというから、怪談話のつもりだったのかも知れない。
思いつきでやってみると、こんなにたどたどしくなっちゃうんです・・・という談春。
でも、良かった。
業務連絡は、4月27日放送開始の「ルーズヴェルト・ゲーム」(TBS)の出演情報。
ライバル会社の社長で、すごく嫌な奴を演じているらしい。
それと、「噺家が闇夜にコソコソ」というフジテレビの番組。
とりあえず、チェックしてみよう。
「お若伊之助」で「ネギマ」を連発されたので、終演後にこんな居酒屋へ。
お値段もボリュームも足立流。まことに安い。
ビールを2本呑んで、仕事場に戻った。楽しい休憩だった。