至福のベンチ | 10go9

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もう、いい歳をして、

今さら、何を求めて、そうガツガツ生きているのだろう?

 

別に喰うに困るでもないし、まだ自分のことが自分で出来て、

もう何をしようが、まぁ、悠々自適。

この老境に、もう何の不満もないはずなのに・・。

 

無邪気に夢を信じられた幼少期。

何処かで夢を死守して、大人になることを拒否し、葛藤した青臭い思春期。

そして泥濘に藻掻いた泥臭い青春の蹉跌。

 

孤独と絶望にお先真っ暗。一筋の光を求めて、

足掻き駆けずり回って、延々と綴る暗黒時代。

そして、今、

まさか辿り着けるとは思ってもみなかった『至福のベンチ』

 

結局、一人なんだよね。

兵庫、ド田舎、傘寿、独居老人。

結構、波瀾万丈。

 

でもなぁ、

これ、危ないぞ!!

これ、ヤバい!!

そう思わせる場面にも、幾度か遭遇。

そんな時、自分には、必ず奇妙な安全装置が働いて、

何故か、それを回避。

 

自分のことは、自分で・・・!!

一人暮らししているからには、買い出しから何から何まで、自分のことは、まだ自分の手で・・。

それが段々、ヤバくなってきた。

 

正月に遠路はるばる、東京から遊びに来た若い奴。

結構爺々の手足となって、快適ライフ。

爺々を助手席に座らせて、買い出しなんかもしてくれる。

 

自分の車の助手席に座して、車が動いてくれるなんて、

これ、案外、『至福のベンチ』かな、と思えたりもして・・。

近江八景、

西国三十三カ所、

彼奴を相手に繰り出してみようかな・・。

あらぬ妄想を描いている内が、華。

 

もう爺々には、そう時間は残されていない。(笑)