年々歳々花相似 | 10go9

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失ったものも多い。

もう取り戻せない。

この説明の付かない変貌。

 

「昔はこの道の、もう此処まで山が迫ってた!」

この辺りは依藤野、嬉野と呼ばれていて、

赤松の広大な原野。その窪地に無数の池があって、

それが谷水となって下の田畑を潤し、村が生まれた。

久米谷と呼ばれている。

播州平野の東端、久米谷は伝説と神話の里である。

所々に麦わら葺きの農家が点在して、

まるで古里の原風景を思わせる風情があった。

 

蛇ころび、

という伝承が残っている。

八岐大蛇に似ている。

龍神信仰、龍は水を司る架空の霊獣。

つまり氾濫を繰り返し、川が暴れたのだろう。

久米谷は大蛇が、暴れのたうち回って出来上がった土地だというのである。

誰かが天空から見ていたとでも言うのか・・?

このネーミングの旨さに、唸った。

 

子供の頃は兎に角マッタケがよく上がった。

山から帰ってきた爺さんの天秤棒がしなうほどに・・。

明けても暮れてもマッタケ御飯、学校にまで弁当に持たされて、

それがイヤでイヤで、マッタケだけを箸で弾き飛ばして、喰っていた。もう~、マッタケの味、忘れたけど・・。

 

この高台、山道の所々が開墾地、スイカ畑があって、

人家もまばら.後は赤松の原野。

ダム(人造湖)の水がポンプアップでこの高谷に上がり、木が切り倒され開発が急ピッチで進み、それに伴って赤松の原野が消えた。

「一本松、二本松、憶えてます?」

「兵教大の急カーブが一本松、信号の交差点が二本松!」

「まさか、あそこに信号が出来るとは・・!」

「夢にも思ってなかった!!」 (笑)

 

ゴールデンウィーク。

この依藤野にも帰省家族と子供の歓声で賑わっている。

気にも止めていなかった大木に、紫な花。

「あれ? ・・何の花でしたっけ?」

「・・うん、・・あれ、桐! 」

「・・ぁ! 桐かぁ~! 」

 

もう、桐の木を忘れている自分に驚いた。

それにしても、大木!!